![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156430431/rectangle_large_type_2_a9837c58e692c3cabb7591221db51485.jpeg?width=1200)
10年間「開発会社」をやっていたら「教育」の会社になっていた話
本日、株式会社スタートアップテクノロジーは10周年を迎えました。
この10年を振り返ってみたいと思うのですが、その前にご報告。
2024年10月1日、弊社のスタートアップスタジオ事業(スタートアップ向けの受託開発をメインとする事業)を株式会社サイバーセキュリティクラウド様が新設した100%出資子会社の株式会社ジェネレーティブテクノロジーに事業譲渡を行いました。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4493/tdnet/2497222/00.pdf
情報自体は8月30日に出ていたのですが、譲渡実行が10月1日で無事完了したので改めてご報告させていただきます。
事業譲渡に至った理由は、RUNTEQが成長するにつれ、カルチャーや事業の方向性に乖離が生じ、スタートアップスタジオ事業とRUNTEQの両立が難しくなってきたためです。とはいえ、簡単に譲渡を決めたわけではありません。元々、私が創業から立ち上げ、成長させてきた事業なので、苦渋の決断ではありました。しかし、今回譲渡先のサイバーセキュリティクラウド社は、今後より需要が高まるであろうセキュリティ分野とスタートアップ向け受託事業においてシナジーが見込めるだけでなく、すごくいい会社でスタートアップスタジオ事業のメンバーがエンジニアとして活躍できる未来も見えたため、安心してバトンを渡すことができました。
というわけで、株式会社スタートアップテクノロジーは現在、プログラミングスクール「RUNTEQ」の事業に一本化されたため、今回のタイトルに繋がるお話となります。
それも踏まえてちょっと長くなると思いますが、今回は創業から10年の今に至るまで開発会社、教育事業をやってきた思いや出来事など踏まえて書き綴っていきたいと思います。
創業
2014年10月2日、株式会社スタートアップテクノロジーを人知れず創業しました。
元々いくつかのスタートアップの顧問やお手伝いをしていたので、創業秘話などあるわけもなく、個人でそのまま仕事を引き継ぎつつしれっと起業していました。会社を作った理由は単純で「やったことがなかったから」。それ以外にもいくつか理由はありましたが、他にも選択肢が色々とあった中で起業を選んだのは至極単純な理由でした。とはいえ、事業ドメインとしては「開発」、「エンジニア」この辺りで事業をやろうとだけは決めていました。後はスタートアップが好きだったので、スタートアップ周りで仕事が出来たらいいなと。だから社名もそのままつけて「スタートアップテクノロジー」と。また、元部下だったMirocさんというデザイナーに名刺のデザインをお願いしており、その時に裏にキャッチコピーが欲しいと言われて
起業家に機会を。エンジニアに自由を。
というコピーがすっと出てくるくらいには事業ドメインや自分がやりたい領域というのは明確でした。(これは後に会社のミッションになります)ちなみにMirocさんはセットで企業ロゴも作ってくれたのですが、こちらは現在でも使われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1727772657-KinNlaTUYDvxRo2LWfQPwtpm.jpg?width=1200)
はじめての自社サービス
創業後も個人的に複数のスタートアップに関わりながら、起業家の壁打ち相手や、開発視点でのメンタリングを行っていました。そんな中、Co-Edoというコワーキングスペースで、当時ペライチ創業直後の橋田さんにお誘いいただき、野良アクセラレータープログラムでメンタリングをしていた際に、「自分もやりたい!」と強く感じ、メンターから参加者に立場を変えて、サービスを立ち上げることにしました。そして、一人で夜な夜な開発を進め、作り上げたのが、完全時給制のRuby on Rails専門クラウドソーシング「Startup Labo」でした。(現在は閉鎖しています)このサービスは、git flowの開発フローを使用し、ISSUE着手からプルリクエストまでの時間を計測し、その時間に応じて時給を支払う仕組みでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1727781063-hL8cYyUHgxvtrz9oKQVbCGd6.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1727781195-UiS0wjWqDCVchIM9yGBLsaYP.png)
スタートアップをやるつもりが開発会社になった
StartupLaboはクラウドソーシングのサービスではありますが、クライアントからの要件を弊社がディレクションし、アジャイルな形で要件を決定し、ISSUEに落とし込んでクラウドワーカーに依頼するというものでした。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは実質的には受託開発です。ただし、豊富な開発リソースを提供できるという点が強みでした。このサービスを開始すると、創業ボーナスもあってか、個人では対応しきれないほどの依頼をいただくようになりました。そこで、以前から私のもとで修行したいと言っていた方や、転職の相談に乗っていた方々に協力をお願いしました。クライアントが増えるとエンジニアが不足し、エンジニアを増やすと今度は案件が不足するという流れを繰り返しているうちに、人も案件も増えていきました。
はじめての会社経営
初期のとある案件でお願いしてた案件が全然進まず黒字倒産しかかるというハードシングスにも見舞われましたが、なんとは事業の方はうまく軌道に乗り、中のエンジニアも社員化するようしました。オフィスも借りたりして、だいぶ会社っぽくなってきました。当時から出社自由だったので、リモートワークの先駆けだったかなという感じです。
オフィスも
創業直後は1人だったため、特にオフィスは持っていませんでしたが、メンバーが3名ほどになった頃、同じく3名ほどで活動していたmofmofさんと一緒に渋谷にオフィスを借りました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727782953-DpmlaqoK8MBwRiPb6CuEAsTO.jpg?width=1200)
その後10名くらいに増えてからは人が入らなくなり、現在のビルに引っ越しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1727783584-QfR8p23o79Sj1dxsYGk5qhDW.jpg?width=1200)
ちなみにここまで、まだ1年目ですwww
話が長くなりすぎたので、もう少し飛ばします。
RUNTEQの前身「StartupLaboアカデミー」
2年目の2016年1月には今のRUNTEQのMVPとなる「StartupLaboアカデミー」を実施していました。元々StartupLaboというクラウドソーシングの中でエンジニアが成長していたのを見ていたので、エンジニアを作る事業に出来ないかと思い、公募して5名の方に実案件型カリキュラムを行っていただきました。結果としては、1名完走、4名挫折という惨敗でした。(この時挫折した2名は4月に新卒エンジニアとして採用してます)
また、2年目には、VCからの資金調達の話も動いていましたが、先輩経営者に相談したところ、「お金が必要なの?儲かっているなら出資を受ける必要はないと思うけど」というアドバイスをもらいました。今振り返れば、その通りなのですが、当時はスタートアップをやりたい気持ちが強く、とにかく資金調達を!と動いていました。しかし、最終的には先輩経営者の意見に納得し、資金調達を見送ることにしました。今で言う「ソリッドベンチャー」という選択をした形ですね。この頃からスタートアップじゃないのにスタートアップを名乗る会社になってました笑
ここから面倒なので箇条書きで
2〜3年目
新卒2名採用
社員数30名くらいまで一気に成長
副業でCTO
社員旅行年2回
StartupLaboクローズ
デザイン組織が出来た
オフィス6階→9階引越、7階追加
ITS加入
4年目
2018年4月に「RUNTEQ」という名前でプログラミングスクールを立ち上げました。当時は私ではなく他のプログラミングスクール出身のメンバーが立ち上げた、3ヶ月フルコミットのオフラインのプログラミングスクール(当時はエンジニアリングスクールと頑なに言ってました笑)です。1期(毎月)2〜3名程度を教える形でした。この当時行っていたRUNTEQは6期まで続いたのですが、そのタイミングで組織崩壊が起こり、RUNTEQを担当していたメンバーも退職となった為、このRUNTEQは一旦休止となりました。また私自身が復活させたくても、足元の受託案件も回さないといけない状態だったので、人が抜けた穴をプレイヤーとして埋めながら採用・営業活動も行っていました。受託開発の方はメンバーの協力もあって立て直せた為、再びRUNTEQを始動させる計画や準備を進めていきました。
RUNTEQスタート
2019年8月に現在もある教室を作り「RUNTEQ」を再スタートさせました。メンバーも新しくなったので、ロゴやデザインも一新し、キャラクターも作り、再度1期からスタートしました。このあたりから皆さんが知ってる歴史に入ってくるかと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1727787662-NmtnOdqhERUlSTDxKA4BPLV9.jpg?width=1200)
そしてコロナ禍
RUNTEQがスタートして半年が経った頃、そろそろ教室のキャパも足りないし、オンライン化していきたいなと思っていました。ただオンライン希望者はあまりいないなと思ってた時にコロナがやってきて、外出出来ない世界がやってきました。RUNTEQもそのタイミングで完全オンライン化し、現在のオンラインスクールに至ります。元々オンラインを見据えていたから自動レビューのような仕組みも用意出来ていたのは不幸中の幸いでした。
受託開発の案件が急激に減少したかと思うと、突然DXの波が訪れ、多くの仕事をいただけるようになりました。RUNTEQがスタートした頃から、私は受託開発とRUNTEQの双方で動いており、実質的にダブルワークのような状態でした。それぞれに部長がいて、ある程度は回っていましたが、大きな勝負をする際にはどうしても私が直接関わる必要があり、結果的にどちらにも中途半端な形でしか関与できなくなっていました。
資金調達
7年目の2020年10月には、京都きもの友禅様と資本業務提携を締結し、9年目の2022年10月には、複数のVCや事業会社、エンジェル投資家の方々から出資をいただきました。この資金を元にRUNTEQは急成長し、自然と私もRUNTEQ側に注力するようになり、RUNTEQ事業部の部長が退職し、私が部長を兼務するようになったことも相まって、受託開発の現場からは徐々に離れていきました。また、関わる人々も、受託開発の頃はエンジニアが中心でしたが、RUNTEQではエンジニア以外の方が増えてきたため、両方の組織のカルチャーや制度を統一することが次第に難しくなってきました。
RUNTEQでやってきたこと
ちょっと脇道にそれますが、RUNTEQを立ち上げてから5年間でやってきたことをざっと箇条書きで。
栃木SCのスポンサー
YouTubeチャンネル開設(現在登録数1万4千人)
渋谷109の大型ビジョンでCM流す
年収チャンネル出演
3年連続でmybest1位(プログラミングスクールカテゴリ)
書籍出版(ITカテゴリでAmazon 1位も)
地元柏のTSUTAYAで平積みブース作ってもらった
200名以上の規模のカンファレンス主催
そして何より、エンジニアとして活躍する多くの卒業生を輩出できたことが、一番嬉しかったことです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727827915-3ZCFuhRn5fYTt2qQzc9sBVmA.jpg?width=1200)
今後のスタートアップテクノロジー
このような経緯で、現在の組織体制や規模では、2つの組織の舵取りを続けることが難しくなったため、今回、事業譲渡という形で受託開発を行うスタートアップスタジオ事業を譲渡させていただきました。ただ、私自身、受託開発の事業を10年間行ってきたため、いつも心のどこかに「何かあれば受託開発でどうにかできる」という安心感がありました。そのため、今回の事業譲渡は、私自身にとっても退路を断つ決断でもありました。
今後、スタートアップテクノロジーはRUNTEQ一本の会社になります。もちろん、RUNTEQの枠組みの中でさまざまな展開を考えていますが、「DX x リスキリング」という事業ドメインの中で進めていくことになると思います。とはいえ、RUNTEQは「開発会社が作ったプログラミングスクール」です。この基盤は大切にしながらも、新しいRUNTEQ、新しいスタートアップテクノロジーとして、11年目から再スタートしていきたいと考えています。
今後もスタートアップテクノロジー、RUNTEQ、そして新設されたジェネレーティブテクノロジーもよろしくお願いいたします。