晩夏の夜に読んだエッセイ。
目標達成のために始めたTOEICと、仕事で必要に迫られて受ける資格試験の勉強に追われている今日この頃。この前上司に「期待してるからね。よろしく頼んだよ。」と言われた。絶対に受からなければならない。
勉強の合間の楽しみにと思って買った本にハマってしまって、結局ぶっ通しで読んだ。オアシズ光浦さんの「50歳になりまして」。
ホロッと笑い、所々共感し、最後の10ページはあまりに共感して泣いた。
オアシズに10〜20代のファンはいないってテレビでもラジオでも本でも言っていたけれど、私は学生時代から好き。大学生の頃だったか、大久保さんのコラムを読んで大好きになって、最近は光浦さんのコラムに感動して、好きな言葉ノートに書き写した。2人ともなんだか自分に重なる部分がある。
本の中で特に好きなテーマがいくつかあって、そのひとつがNHKの建物内部が白い壁で、いつも迷ってしまう迷路のようだという話なのだけど、商業施設でバイトしてた時のことをふと思い出した。最初の頃、あの広い建物で迷子になっていたな〜って。でも段々と体に染み付いてきて、不思議と迷わずあちこち行けるようになるんだよね。
最近よく大学時代を思い出しては、懐かしくなっている。と同時にもっとアクティブでエキサイティングに過ごせたら良かったのにな〜なんて思ったりする。でもあの時はあの時で時間ばっかりあって色々なことに悩んだり、しょうもないことに時間を使ったり、今じゃ恥ずかしくて目も当てられないような失敗をしたり。必要な時間だったのだと思うことにしている。日々自問自答してたなぁ。
本当はもっと要領よく生きたい。生きてればグレーゾーンに出くわしたり、嘘も方便だったりする。だから肝心なところでの選択を見誤らない、そういう人が社会で会社で必要とされる人間なんだよね。だけど、どうも上手くいかない。
バカ真面目にやって同僚をムカッとさせたり、時々怒られたりする。でも、本当に大事な時に間違えないように日々の小さな選択のすべてを真っ直ぐに選びたい。こんな人間で、人生100年時代を生き抜けるのか…不安すぎる。
光浦さんが留学する理由のひとつが
仕事も友人も住む場所も「世界はここだけじゃない」を知ったら、どれだけ強くなれるんだろう。私はそれを知りたいのです。英語から逃げた分岐点に戻って、もうひとつの人生も回収したいんです。私には時間がありすぎるし。
だと書かれていて、これは私か!!と思った。
会社の近所のインドカレー屋の従業員の、あの愛想のない接客が何とも言えない心地よさで、よく行く。対お客様の仕事をしていると時々自分の接客に自信が無くなったり、不安になる。大きな組織にいると、人間関係に疲れることがある。そんな時カレー屋で本格インドカレーを食べると、「あ〜世界って広いんだな。肩肘張りすぎなくていいんだな。」と思える。ただ同時に、「この本格カレーが美味しいから許されるんだよな。だからお客さんに対しては、誠実な提案をする。同僚には最低限の常識と感謝の気持ちを持って関わる。これがあってこその脱力。」って思わされる。心の安らぎと、向上心のエネルギーチャージが出来るあの感じが好き。
世界を知れば、もっと沢山の価値観を知って、もっともっと自分の守備範囲が広がって人に優しくなれて、そしてエネルギッシュになれる気がする。「そんなの幻想だよ」っていう人もいるかもしれないけど、やってみなきゃ分からない。1度きりの人生挑戦あるのみ。最近そんなことをよく思う。昔は「また大人が暑苦しいこと言ってるよ」って思っていたのに。でも世界を知ることはcoolに生きるために知恵になりそうな予感。
本はやっぱりいいなぁ。エッセイも小説も。心の栄養。蚊取り線香を焚いて、窓から心地よい風が入ってくる。まだまだ暑いけど、晩夏。季節が移ろう。秋のツーンと冷たい夜にも、素敵な本に出会えますように。
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