ぼくたちの問題
朝刊の見出しに「辺野古提示し陳謝」とあります。現行案にほぼ戻る、と。
同じならなぜ事を荒立てた、と批判する向きもあるでしょう。この問題は「無関心」であり「無関係」であったぼくたちの心に傷をつけました。でも、敢えて前向きに考えるなら、結果はどうあれ、沖縄から遠いぼくたちにとっては、傷ついたことが大切なのです。傷はいやでも見えるし、見ることを強いるから。
その傷が疼きだし、癒すにはバンドエイドを貼るだけでは駄目だと考える人が必ず出てくるでしょう。〈米軍普天間飛行場移設問題は問題の本質を考え直す千載一遇の好機〉だし、今は「米国に正対する時」と気付く人が必ず出てくるはずです。
このような「好機」、このような「時」を、「失われた○ヶ月」にしてはならないでしょう。そんなのはごまかしだ。ごまかしを知りつつそれを政変に利用しようとする不埒な人びともいる。
重ねて言えば、米軍普天間飛行場移設問題は政権の問題ではなく、ぼくたち国民の問題なのです。出来なかったのも、やろうとしなかったのも、ぼくたち国民なのです。(2010.05.24)