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外に行きたい私 VS 家にいたい娘
パリ6日目。今日も朝から娘が「今日は外出したくない」と言う。こちらはパリ滞在中少しでも多く外に出て、色々探索したいと思っているので、気がそがれる。娘にも違う街にいることはいい刺激になると思うのに。天気も曇りがちで午後から雨というから、憂鬱な気分になる。
朝は近くのマルシェに行く予定だったが、外出したくない娘と口論になり、その後娘はふて寝する。結局午後4時まで家にいた。無理強いはさせたくないが、かといって家で一日中Disney+を見てもらうのも嫌なので、塩梅が難しい。
結局雨も降らなさそうなので、私は娘を置いて夕方外出する。友人に勧められた16区にあるバルザック博物館に行ってお茶でもしよう、と思ったのだ。そして昨日で病みつきになったヴェリブに乗って沈んだ気持ちをハイにさせよう。
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博物館に着いたのは午後5:15。チケットを購入しようと思ったら、販売員の横に立っていた上司らしき人が、「もう時間だからチケットは売らないで」と言っている。販売員の人は「でもまだ時間内です」とその人に言ってくれたが、上司らしき人は「もう時間だから」と譲らない。午後5:15にチケット販売をやめるらしい。
私はフランス語で話しかけたのに、その上司の人は"It's finished!"と英語で言ってくる。それに釣られてか、販売員の人も英語で話しかけてくる。ブロークン・フレンチはフランス語と見做さないのか、またアジア人=観光客という人種的固定観念に囚われているのか。いずれにしよその態度に反抗するため、私はフランス語で応答し続けた。
フランスは細かい事に拘らない人が多い、というイメージがあるが、世界の至る所で規則をマニュアル通りに解釈し、全く融通を効かせない人というのは多数存在する。そして自分の腹いせのためにその規則を利用したりする人もいる。その事実を再確認し、私は博物館を後にした。
16区と15区を結ぶグルネル橋を行きと帰り、二度通る。行き側からはエッフェル塔が見え、帰り側からは曇り空に佇んだ自由の女神が見えた。
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