4年ぶりのパリ
2022年8月半ば、朝7時だというのにシャルル・ド・ゴール空港は異様に混んでいる。ヨーロッパ以外の人の列に並んでいると前からは中国語、後ろからはスペイン語が聞こえてくる。
この空港に限ったことではないかもしれないが、荷物を取る前に入国審査をさせられたり、荷物を取る場所までが異様に遠かったりと、新しいわりには不便だ。
以前は電車RERでパリ市街まで行けたが、今は公共交通手段としてはRoissy Busというバスでのみしか市街には行けないようだ。もちろん定刻に来ることはなく、20分ほど遅れでバスが到着する。足の踏み場もないほど満杯のバスに揺られること、約50分。オペラ座に到着。そこから更に8番線のメトロに乗り、今回の滞在先15区まで辿り着く。所要時間3時間半。
8月のパリには誰もいない、とよく言われるが、確かに15区は静かで殆ど人がいない。日曜の朝、ということもあるかもしれない。緯度のせいだろうか、朝なのに午後のようなオレンジ色のかかった光に包まれている。こういう静かなパリ、好きかも、と思う。
ジョアン・ミロが住んだアパートのすぐ近く、大通りから少し入った小道の奥に友人たちのアパートがあった。小道から見渡すパリは穏やかな光に包まれ美しい。
門をくぐれば内庭があるのはフランスらしい。内庭を横切ってアパートに着くも、うまくドアが開けられず苦戦する。
1930年代に建てられたこのビルは風情があるが、色々不便なこともある。お風呂に入ろうとバスタブにお湯を入れるといつの間にか水になっていた。お湯は持続せず、新たに出てくるまでしばらく待たないといけないようだ。
散歩がてらに近くの公園やマルシェを見に行く予定だったが、長旅の疲れで寝てしまう。今回は東京からバンコク経由で来たから無理もない。よく寝て明日に備えよう、と思う。