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Velibデビュー
パリ5日目。昨日に続き、朝5時ごろ目が覚める。ようやく時差ぼけも解消してきた。今日も娘は外へ行かない、と言い張る。夏休みで東京にいたところ、私の都合でパリに連れてきたことにまだ怒っているのか。あと子供目線だとパリはそんなに楽しいところではないのかも知れない。
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食糧も尽きてきたので、取り敢えず近くのモノプリに買い出しに行く。晩酌のワインを探しにワインセクションに行くと、いつもながら数と種類の多さに驚く。あと値段の安さにも。ロゼだけで100種類くらいあった。前回のパリ滞在で、賞をもらっているワインはハズレがない、と学んだので取り敢えず何かのコンクールで賞を取ったロゼを選ぶ。約8ユーロ。
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昼食の後、娘を置いて、16区にある銀食器の店「クリストフル」に行こうと思う。徒歩で40分くらいかかるし、地下鉄に乗るまでもない距離なので、ふとパリ公営のレンタルサイクル、ヴェリブ(Velib)で行こうかと考える。しかし、パリの交通事情はどうなんだろう?ヘルメットもないし、危ないかも…と躊躇したが、取り敢えず挑戦してみることに。5ユーロで1日乗り放題のプランを選択し、近くのステーションでヴェリブを借りる。
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ニューヨークと同じく車道を走るが、丁寧にも道路の色々なところに自転車レーンのサインが書かれている。自転車専用レーンも多々ある。ただ、自転車レーンが無いところや車道が狭い所などは、無理に自転車で行くと危ないと感じた。そういう所では降りて、自転車を引っ張って歩道を歩く方が安全だ。
自転車に乗るのは元々好きだが、パリの街をVelibで走るのはかなり楽しい。電車や歩行では見えない景色が見えるし、風を切って街を走るのは爽快だ。時間の短縮にもなる。パリの楽しみ方がまた増えて嬉しい。
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16区の「クリストフル」には他に客はおらず少し緊張するが、欲しいものはほぼ決まっていたので堂々と接客に応じる。フランス語でカテラリーの話をするのは慣れていないが、ブロークン・フレンチで何とか欲しいスプーンやフォークのサイズを説明する。銀メッキはやはり美しいが、身の丈を考えてステンレスを選択。普通のディナーサイズは私には大きすぎるので、デザートや前菜サイズのAlbiシリーズを6セット購入した。
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店を後にして向かったのは近くにある国際機関、OECD(経済協力開発機構)。門が閉まっていて外観しか見られなかったが、取り敢えず様子と位置を確認。
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帰路には電動自動車のヴェリブがあったのでそちらを使う。普通車よりもより速く、漕ぐのも楽で感動する。電動スクーターもレンタルできるサービスがあるようだ。ただし、こちらはかなりスピードが出るし、自転車レーンに留まらず、車道の真ん中を走る人も度々見かけるので、「取り敢えずヘルメットは被って!」と叫びたくなる。
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アパートに帰って娘と合流し、夕食後、近くジョルジュ・ブラッサンス公園まで散歩に行く。夜7時を越しているのに、遊具場では多くの子供達とその家族で賑わっていた。
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外に出るのを嫌がっていた娘が、遊びに夢中になって家に帰らない、と言い出す。もう夜8時。しかしまだまだ外は明るく、子供達は一向に帰る気配がない。パリの夏の夜は長いのだった。
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