【短編】住吉カナデの場合ー高見たか子の診療記録ー
#1
真っ白い部屋。
目を開けると
天井も壁も、真っ白い空間にいた。
「うううっ」
頭にモヤがかかってる。
寝ていたんだろうか。
目の奥が重い。 ゆっくり目を閉じて思い出す。
何を
してたんだっけ…
「…さん、カナデさん」
誰か、私をよんでいる。
はい、と声をだそうとしたのに、
のどがカサっとなっただけだった。
起きあがろうとちからをこめる。
「うっっ」
身体が異常に痛い。
「まだフラつくかもしれないんで、気をつけてくださいね」
誰かが私の背中を支えた