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がんと『ビタミンD』

ビタミンには色々な種類がありますが、それぞれ「がん」とどのような関連があるのか?結構色々と調査されています。
過去にビタミンEに関してはお話しさせていただいたことがあります。
今回は「ビタミンD」に関して、「がん」とどんな関連があるのか?「がん」治療として役に立つのか?などをお話ししていきたいと思います。

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そもそも「ビタミンD」とは
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ビタミンには水溶性と脂溶性がありますが、ビタミンDは脂溶性タイプのビタミンになります。
水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても不要分は尿として排泄されてしまいますので、過剰による副作用は生じませんが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるため、摂りすぎると副作用として、吐き気などを催すことがあります。
とはいえ、現在、多くの日本人にビタミンD不足・欠乏がみられると言われています。
特に女性でその割合が高く、2004年、神戸薬科大学・岡野博士らの調査結果では、実に94.4%の方がビタミンD不足/欠乏状態であったとの報告があります。
ビタミンDは、食事やサプリメントから補充することができますが、日光に当たることでも体内で合成されます。
ですので、一般的には冬よりも夏期で体内ビタミンD濃度が上昇する傾向にあるのですが、コロナ禍におけるステイホームの影響か、2020年での調査では、9月でも低値の人が多かったとの報告があります。
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「ビタミンD」が不足するとどうなる?
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ビタミンDはカルシウムの吸収を促したり、直接「骨」に作用することで、「骨」を強くする作用を持っています。
ですので、ビタミンDが不足/欠乏することで、一番影響を受けるのが「骨」です。つまり、「骨」が弱くなり、いわゆる「骨粗しょう症」を招きます。
その他、十分なエビデンスがあるとは言えませんが、関連性が示唆されているものとしては、「がん」「心血管疾患」「うつ病」「糖尿病」などが挙げられます。
「うつ病」患者さんは、ビタミンD濃度が低い傾向にあることが示されていますが、補充することで「うつ病」が改善するというエビデンスがないようです(研究されているが、改善しないという結果が多い)。
糖尿病に関しては、国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC study)で、ビタミンDとカルシウムを多く摂取する人の方が、少ない人に比べて糖尿病になる確率が低いと報告されています。
総合的な評価として、ビタミンDの摂取量によりグループ分けして、その後19年間追跡調査を行ったところ、ビタミンDの摂取量が多い群と比較して、最も摂取量が少なかった群で全死亡のリスクが6-7%高かったという結果になっています。
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「ビタミンD」と「がん」
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では、「がん」との関連はどうでしょうか?
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC study)において、「がん」に関しても検討されています(https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8099.html)。
血中ビタミンD濃度別に、最も低い、2番目に低い、2番目に高い、最も高い、の4つのグループに分けてみてみたところ、最も低いグループに比べて、最も高いグループで、「がん」になる確率が30%ほど低下していました。
2番目に低いおよび2番目に高いグループにおいても、最も低いグループに比べてがんになるリスクが低下していましたので、極端に低くならないように気をつけるだけで良いのかもしれません。
本研究では、「肝臓がん」になるリスクが統計学的に有意に低下していました。それ以外のがん種でもリスクが低下する傾向がみられ、総合的にみて「血中ビタミンD濃度が上昇すると、何らかのがんにかかるリスクを低下させる」と結論づけています。
海外でもビタミンDと「がん」との関連が調査されていますが、そちらでは「大腸がん」と「乳がん」の発症リスクに関与するという報告があります。
海外でのデータでも、血中ビタミンD濃度の低い人(30ng/ml以下)は、それ以上の人よりも上記がんの発症リスクが上昇するとされており、血中ビタミンD濃度が多いから「がん」発症が減るというよりは、血中ビタミンD濃度が少ないから「がん」発症が増える傾向があることが示唆されています。
一方、前立腺がんにおいては、血中ビタミンD濃度と前立腺がんとの関連を調べた21の研究をまとめた報告によると、濃度の高いグループは低いグループに比較して、前立腺がんにかかるリスクが17%上昇すると報告されています。
とはいえ、前立腺がんは超高齢者の病気でありますので、ビタミンDを摂取することで長生きしたが故に前立腺がんになったということであれば、どちらをとるか?
私ならビタミンDを摂取する方を選ぶかなって思いました。

なお、「進行がん」に対してビタミンDを摂取することが吉と出るか凶と出るかに関しては、ほとんどエビデンスがなく、何とも言えないという状況のようです。
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「ビタミンD」の摂り方
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少なくとも「がん」にかかるリスクを減らせそうなビタミンDですが、どのように摂取すれば良いのでしょうか?
成人において、ビタミンDの1日当たりの推奨量は15μg (70歳以上は20μg )とされいる。ビタミンDは太陽の光を浴びることでも体内で合成されるが、その量は2時間の日照で約7.5μg とされている。つまり普段から沢山日光を浴びるような生活をしている人は食物などからの摂取量はそれほど多くなくてもいいが、日光をほとんど浴びない生活をしている人は食物などから補う必要があるということである。近年、日光を浴びる機会が減っていることは間違いなく、またストレスにさらされる機会の多い現代社会においては、平均するとビタミンD 不足/欠乏状態の人が増えているのは間違いないようです。
厚生労働省では、それらの結果を受けて一般成人1日当たり5.5~100μgのビタミンD摂取としています。
食べ物で摂取する場合、シャケ、マグロ、サバなどの脂ののった魚はビタミンDが豊富とされています。
シャケ1切れ=80gには、ビタミンDが26μg含まれているので、1日1切れのシャケを摂取するだけでも1日の推奨摂取量を満たせます。
その他にはキノコ類に比較的多めであり、干しキクラゲ2gには2.6μgのビタミンDが含まれているとされています。
ビタミンDの含有量をアップさせるために、日光に当てたり、紫外線照射を行って栽培されたキノコなどもでてきているようですね。
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まとめ(というか個人的感想)
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ビタミンDは、摂りすぎても良くないですが、摂りすぎを心配するよりも摂らなすぎを心配した方が良い人が多そうです。
「がん」はさておき、骨が弱くなることは明らかですし、転倒による骨折リスクも高まります。
ビタミンDを補充しているんだ、骨を強くしているんだという気持ちで野外を散歩するのを習慣にしようかなって思いました。
なお、ビタミンDの補充方法としてサプリメントも良いのでしょうが(そんなに高額なわけでもないですし)、10年とかの単位で考えたらやっぱり大変でしょうし、僕は定期的に薬を飲むということがとても苦手(すぐに忘れてしまう)ですので、長続きしないのです。かといって、短期的に摂取量を増加させてもあまり意味がないのではと思いますので、10年、20年単位で平均的に摂取していくには、やはり食事で摂取するのが良いのだろうなと思いました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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