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抗がん剤の副作用はどうしてでるの?  その1

抗がん剤治療には吐き気などの副作用がつきものです。
副作用が心配で、抗がん剤治療を受けたくないとおっしゃる方も多いですし
受けてみたら副作用が大変でやめたいという方も居られます。
副作用は仕方がない。耐えて頑張っていればそのうち良くなるだろうと耐え忍ぶ方も多いと思います。
そんな抗がん剤の副作用に対して、どのように対応していけば良いのかを考えていきたいと思います。
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▼ひどいのは自分だけ??
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腫瘍内科の外来は、ほぼ全員が抗がん剤治療を受けています。
自分は副作用でかなりつらい目にあっていて、今日こそは担当医に「抗がん剤治療をやめたいけど、やめたらどうなるか?」を聞きたいと思って待合室で待っていますが、いざ担当医の前ではいい顔をしてしまい、また今日も「大丈夫です。頑張って受けていきます。」と言ってしまいました。
ふと待合室の方々を見てみると、皆涼しげな顔で座っていたり、家族と談笑していたり、テレビで甲子園でも流れていれば、一生懸命応援していたりして、自分のように副作用がつらそうには到底見えません。
そんな光景をみるにつけ、「副作用が大変なのは、私だけ?」「やっぱり私は副作用が出やすい体質なのかもしれない。」と考えてしまう方はとても多いです。

本当にそうなのでしょうか?
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▼副作用にはでやすい時期がある
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吐き気や倦怠感は、抗がん剤点滴後から数日間
下痢や口内炎は1週間くらい経ってから
脱毛は3週間目以降
のように、それぞれの副作用には出やすい時期があります。
そして、副作用は一度出ても、時間が経てば徐々に改善してきます。
色々な副作用がでても、それらが概ね落ち着いた頃に、次の点滴日が来るように、抗がん剤の投与間隔が設定されています。
つまり、自宅でどんなに副作用が大変でも、次に病院に来る頃には良くなっているため、外来の待合室を見ると、ケロッとしている方ばかりなわけです。
もちろん、中には次の投与日が来てもまだ副作用が強く残ってしまっている方もおりますので、そういう方の場合は抗がん剤の量を減らしたり、投与間隔をあけたり等の調整がされることで、結局病院に来る頃にはまずまずの体調になっています。

つまり、周りを見ると他の人達は副作用が軽くすんでいて、自分ばかりが大変な思いをしていると勘違いをしがちですが、実際には誰もが同じくらい抗がん剤の副作用が大変だと思っているわけです。
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▼自分ではわからない副作用もある
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皮膚に発疹がでたり、乾燥してガサガサになったりのように、他の人が見てもわかる副作用もありますが、倦怠感や味覚障害など他人にはわからないようなものもあります。もちろん、これらの副作用も自分ではわかる(というか、自分にしかわからない)わけですが、副作用の中には、自分でも気がつかないものがあります。
そのような副作用の最たるものが
白血球(好中球)の数が少なくなるという副作用です。
血液検査をしてみないと、どのくらい減っているのかわかりませんので、抗がん剤治療の度に血液検査を受けないといけないのは、主にこの副作用をチェックするためです。
自分ではなんともないのに、担当医から「今日は白血球(好中球)が少ないので、抗がん剤治療はお休みです。また来週来てください。」と言われたりします。
抗がん剤の点滴を楽しみにしているわけではないけど、休みといわれるとがっかりしてしまったり
抗がん剤治療を休んだら「がん」が大きくなってしまうのではないかと不安になってしまったり
体調が悪くないだけに、「なぜ休み?」と中々納得がいかない方も多いです。
白血球数減少のために頻繁に休まなければならなくなれば、尚更不安が募ります。

「私は食欲が落ちたり怠くなったりでひどいけど、あなたは別に体調が悪くなるわけじゃないからマシじゃない」という人が時々おりますが、
どちらも大変悩ましいことには変わりはありません。
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▼まとめ
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待合室で隣に座っているあの人も頑張って抗がん剤治療を受けているんだと思えれば、自分ももう少し頑張ってみようかなと思っていただけましたらうれしいです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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