コーチング脳で『がん医療』を考える③
これまで2回、コーチング脳を『がん治療』に応用することを考えてきましたが、益々コーチング脳はがん治療に必須のスキルだと確信してきています!
「未来は望んだとおりになると考える」などは目から鱗の発想です。
「がんになって、もうこの先真っ暗だ」「未来なんて何もない」「もう先の先まで見えている」と考えてしまうと視野狭窄・思考制限を起こしてしまいかねませんが、「未来は望んだとおりになると考え」れば、視野・思考が拡がり、良いアイデアが湧いてくる可能性がぐんと高まると思います。
コーチング脳で「がん治療」を見てみると、本当にたくさんの気づきがあります。
今回も引き続き、宮越大樹さんの著書『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』(ぱる出版)(https://www.amazon.co.jp/dp/4827212783/)を教科書として、『がん医療』にコーチングを応用する方法について考えていければと思います。
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▼コントロールを取り戻す!!
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皆様は、自分の考えや行動を自分で選択しているという意識はありますでしょうか?
「がん」になったから手術を受けるという場合
「『がん』になってしまったから仕方なく手術を受けるのであって、受けたくて受けるわけではない」という方もいらっしゃるかと思いますが、もちろん手術は義務でも強制でもありませんから、しないという選択肢もあるわけです。
特にご高齢者の方はでは、「自分はもう歳だから手術は受けたくないのだけれど、息子や孫が絶対に受けろっていうものだから・・」とおっしゃる方がいます。
この場合も、息子さんやお孫さんとの関係性を考慮した上で最終的にご自身が手術を受けるという決断をしたと言えると思います。
このように、「自分の意見に反して」とか「誰々の意見を聞いて」決めたことであっても、最終的な決定権は自分であるという意識はとても大切です。
なぜ大切かというと、自分で決めたことであれば、自分で変更できるからです。
つまり、「イヤイヤ」とか「仕方なく」、「仕事だから」、「いわれたから」とかで行っていることは、自分には決定権がないように思ってしまいがち、つまり自分にはコントロールできないと思ってしまいがちですが、実はそんなことはなく、「やらない」という選択もできるし、考えた結果「継続する」という選択もできる、コントロールするのは自分なんだという感覚がとても重要だと考えます。
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▼自己コントロール感はマジで大切!
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僕は大学院時代の数年間、がん研究をしていました。
がん細胞に効果が未知の化学物質を投与して、その物質にがんをやっつける力があるかどうかという、抗がん剤の開発のようなものをしていました。
研究自体は興味深く面白かったのですが、がん細胞に物質を投与して、24時間後とか48時間後という決まった時間に観察することをしばらく続けていました。
こうなると、自分の都合というよりは、実験の都合で予定が決まっていくわけです。
それに加えて、毎週月曜日と第3土日はバイトという生活でしたので、全ての予定が自分の意志に関係なく勝手に決まってしまうという感覚を抱いていました。
その様な生活がとても苦しくて、家に帰るとイライラしていたようで、10年以上前のことではありますが未だに妻からは「当時は結構やばかったよね」といわれます。
今から思えば、研究自体を辞めるという選択肢もあったでしょうし、バイトを減らして自分の時間を確保するということだって選択できたはずです。
それらを選択せず、家でイライラするという選択をしていたということになるわけです。
結局、イライラを妻にぶつけながら、学位を取るまでの数年間は研究を続けるということを続けてしまったわけですが、当時は「仕方がない」、「もう少しの辛抱」という思いしかなく、自分でコントロールできることではないと考えてしまっていました。
そして、この自分ではコントロールすることができないという感覚こそが、「イライラ」を募らせ、「辛い」「苦しい」感覚の根本なのだと考えています。
コーチングを学んだ今であれば、同じような状況になった際でも、様々な選択肢に気づいて、何らか別の行動を選択してみるということができるかなって思っています。
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▼無数の選択肢の先の無数の未来
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未来は決して一本道ではありません。
現時点においても無数の選択肢があり、その先にさらに別の選択肢があり、その先々もどんどん枝分かれしていくことで、無数の未来が存在します。
「がん」になってしまうと、本来は無数にあるはずの選択肢がかなり限定的なものしかないように感じてしまったり、未来も一つしかないもののような考えにとらわれがちだと思いますが、コーチング脳的には決してそんなことはないと考えます。
「がん」になってしまっても、「幸せ」な未来にたどり着く道がきっとあると僕は信じています。
そのために、今日どのような行動を選択するか?
その1回の選択で生じる変化はごくごく小さなものかもしれませんが、希望する未来に向けて良いと思われる選択を続けていくことで、希望する未来に一歩一歩近づいていけるのだと考えています。
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▼迷路の解き方
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そうはいっても、希望する未来への道順がわからないという方も多いと思います。
また、一つ一つの選択がゴールに近づいているのかもその時点では確認ができなかったりします。
「迷路」をイメージしていただくと良いと思います。
ゴールはあるらしいが、右に行った方がいいのか?左が正解なのか?
しばらく進んでみた結果、結局行き止まりで、あの時やっぱりあっちを選択しておけば良かったなんてこともしばしば起こると思います。
もしかしたら、同じ場所をグルグル回っているのに、それにも気づけないなんて意地悪な迷路もあるかもしれません。
このような複雑な迷路を解く方法はどうしたらいいのでしょうか?
答えは・・・『ゴールから逆にたどる』とのことです
希望する未来を先に決めてから、そのためにどんな選択をすればいいのか?を逆算して考えるということですね。
希望する未来が明確になると、過去の経験や知識の中から、その未来にたどり着けそうなヒントを探し出し、選択に反映されるようになってきます。
また、希望する未来に意識が向くことで、無意識的にそれに有用な情報を集め始めたりします。
例えば、ほしいクルマがあると、道路を走っているたくさんのクルマの中からほしいクルマがやけに目にとまるようになり、そのクルマがすごくたくさん走っているって感じたことありませんか?
もちろん急にそのクルマが人気になったり、増えたりしたわけではなく、意識が勝手に拾い集めているわけです。
つまり、希望する未来を意識すると、街中で見たり聞いたりしている中から、急に何を選択すればいいのかのヒントが浮かんできたりするわけです。
これを直観と呼ぶのか?
勘や第六感と呼ぶのか?
その後、超絶うまくことが進めば、『神の啓示』とか呼ばれたりしちゃうのかもしれません。
いずれにしても、希望する未来を意識する事が重要なわけです。
今回はここまでとしたいと思います。
“コーチング脳で『がん医療』を考える”シリーズ③はいかがでしたでしょうか?
何か参考になることがありましたら嬉しいです。
次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。
宮越大樹さんの著書『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』(ぱる出版)