コーチング脳で『がん医療』を考える②
『がん医療』と聞いて皆さんはどんなイメージを抱かれますでしょうか?
『明るい』とか、『温かな』というイメージよりは、
『暗い』、『寂しい』というイメージの方が大半だと思います。
これは“『がん』イコール『死』”や“『がん』は痛い、苦しい”という社会的なイメージや、テレビドラマなどからの脚色されたイメージに基づいていることが大きいと考えています。
とはいえ、『暗い・寂しい』イメージのまま『がん医療』を受けて、『がん医療』がうまく行く可能性は上がると思いますか?
僕は低下することはあっても、上がることはないだろうと思っています。
逆に、『明るい・温かい』イメージを持って『がん医療』を受けることができたなら、たったそれだけで『がん医療』がうまく行く可能性が高まるかもしれませんね。
そうはいっても、そのような『がん医療』にまとわりついた暗く、寂しいイメージを変えるのはそう簡単ではないと思います。
ここで、『コーチング』が大いに力を発揮するのではないかと考えています。
今回も引き続き、宮越大樹さんの著書『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』(ぱる出版)を教科書として、『がん医療』にコーチングを応用する方法について考えていければと思います。
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▼未来は「望んだ通りになる」と考える
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アドラー心理学では「人は、望んでいるものになれる」と考えましょう!
と説いています。
「そんなバカなことあるか!」
「望んだ通りになるのであれば、今すぐオレの「がん」を治してくれよ!」
「オレは毎日神様にお祈りしているけど、「がん」は治らないぞ!」
そんな声があちらこちらから聞こえてきそうです。
ここで重要なのは、「望んだ通りになる」と考えるということです。
実際に望んだ通りになるかどうかは現時点ではわからないけど、「望んだ通りになる」と考えてみたら、今までとは少し違った『モノの見方・見え方』ができるようになるかもしれません。
確かに『がん』になってしまったという状況は、人生に大きな影響を与えるものであるのは間違いないですが、『がん』だけに人生を決められて良いのでしょうか?
『がん』に人生を決められたくない場合、その手助けになってくれることが、自分の「考え方」や「行動」だと考えています。
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▼「自分を幸せにしやすい考え」がもたらす変化
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『がん』は、現在1年間に100万人がかかるとされています。
100万人もいれば、自分と同じような状況の方もたくさんいるでしょう。
たとえ同じ状況であったとしても、自分とは違う「考え方」や「行動」をとったため、その後の経過が変わっていくということは容易に想像がつくのではないでしょうか?
主治医との関係性が良くないけど我慢して治療を受ける人と、サッサと別の気の合う主治医を探してそちらで治療を受ける人、この二人の経過が同じになるとは僕には到底思えません。生存期間が例え同じであっても、治療中の幸福度は大きく差がつくはずです。
だからどんどん主治医を変えろということではありませんが、自分を幸せにしやすい「考え方・行動」を採用した方が良いのではないですか?とアドラーは提案してくれています。
例えば、「オレの『がん』は治らない」と考えている場合、
何かやりたいことがあったとしても、「どうせできない」、「体力的に迷惑をかけるに違いない」、「長くは関われない」などを理由に諦めてしまいそうです。
そもそも『やりたいこと』を探したりすることもしなくなってしまうかもしれません。
逆に、「オレの『がん』はいずれ治る!」と考えていたらどうでしょう?
『がん』さえ治るのであれば、その後寝たきりでもいいという風に考える方はまずいないと思いますので、多くの方が『がん』になる前の生活に戻るようなイメージなのかなって考えています。
とはいえ、一度失いかけた『命』が戻ってきたときに、本当に同じ生活に戻りたいかと問われたらいかがでしょうか?
「死んだ気になれば何でもできる!」
「せっかく拾った命だから、これからは自分のやりたいことをして生きよう!」
このように考える方は多いように思います(きっと僕もそう考えると思います)。
もし『がん』が治ったら、「あれをしよう!」、「これもしたいな!」、「どこどこにも行ってみたい!」、こんな望みに気が付くかもしれません。
そして、こんなワクワクな未来が待っているのであれば、『がん』を治すために色々な方法を熱心に探したりすることでしょう。
やりたいことが見つかれば、別に『がん』が治るのを待つ必要はないことにも思い至り、「行動」が変わっていくことでしょう。
「行動」が変われば、『がん』が治る、治らないに関わらず、「がんは治らない」と考えていた人生より幸せなものに変わっていくのではないでしょうか?
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▼「考え方」と「行動」はいつでも選び直せる
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アドラー心理学では、「考え方も行動も、いつでも自分で選び直すことができる」と考えるようです。
自分の「考え方・行動」は、自分が生きてきた経験から学習して、それを基にしています。
「がんは治らない」と考えている方は、担当医や家族からそのように言われてそう考えるようになったり、知人が『がん』で亡くなったりしたことから、癌は治らない病気・死に至る病気なんだと考えたということにすぎません。
しかし、よく自身の経験を振り返ってみると、「がんになっても治った人」がたくさんいることに気づくはずですし、「無理だと言われていたことでも、自分が頑張ったことで達成できた」経験をお持ちの方も多いかと思います。
もし、『がん』になった知人の全員が治っていたら、もしテレビが『がん』で亡くなった有名人の報道をしなかったら(見なかったら)、その人はきっと『がん』は治る病気だとしか考えないと思います。
つまり、「がんは治らない」「がんは治る」、どちらの考え方をしても良いということです。
どちらの考え方を選択しても、それはその人の自由であるということですね。
しかし、多くの方はこの選択の自由を忘れてしまっています。
特に『がん』患者さんは、テレビや雑誌などから得た悪いイメージや担当医からの説明の結果、「がんは治らない」という考えに囚われてしまいがちです。
でも、どちらの考えを選択してもいいんだ!とわかっていれば、自分に都合の良い考え方を選択することができます。
この、いつでも自分がどう考えるか、どう行動するかを自由に選択でき、その結果、自分の人生は自分で変えていくことができるという考え方をアドラーは『主体論』と呼んでいます。
僕はこの『主体論』という考え方がとても好きです。
『主体論』の反対は『決定論』で、結末は既に決まっていて自分ではコントロール不能であるという考え方です。
『がん』になってしまったから「おしまい」というのは『決定論』
『がん』になっても、自分の人生は自分でコントロールしていくんだ!というのが『主体論』
自分の人生なのだから、やっぱり自分でコントロールしたいなぁ~って僕は思います。
今回はここまでとしたいと思います。
“コーチング脳で『がん医療』を考える”シリーズ②はいかがでしたでしょうか?
何か参考になることがありましたら嬉しいです。
次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。
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