Official悲劇男dism③ -爆走!名古屋港水族館・遊園地編-
・15:30 名古屋港水族館
そう、俺は動物園で開園から閉園までいる男。クジャクがいれば羽を広げるまで何十分でも待つし、チビっ子が「キャーーーーー!レッサーパンダァァアアアアア!!!」と発狂していれば「ここがいっちゃん良く見えるよ」と場所を譲り、園をもう一周するクールな男。
ただし、この水族館。17時半までなのだ。
あと2時間しかないのだ。
そう、俺は早歩きで空いている水槽を探し撮影しては、次の空いてる水槽を探しシャッターを切り続ける男。人気水槽はあとまわし。文字を読む暇もない。解説文はすっこんでな。
名古屋港水族館は北館と南館に分かれる。
北館は入館まもなくイルカやシャチがお出ましだ。
イルカにも何種類かいるらしい。
まずは「日本の海」だ。やはり馴染み深いお魚たちがところ狭しと泳いでいる。パネルにはスマ、クロヘリメジロザメ、ホンソメワケベラなどがいると書いてあったが解説文を読んでいる時間は無い。す、スマ…?
でかい水槽を右から左へ魚のように行ったり来たり記念撮影をするカップル。お兄さんが「鰯って弱いから鰯って言うんだよ」と言っていた。「口から出まかせお兄さん」と書いて『呪』と読む。(腐りやすくて「よわい」から説が有力)
見ごたえのある水槽群。やはり可愛げのある生き物は人気がすごい。水槽のまえから人が捌けない。逆に虫感があったり怖さがあったりすると寂しいもんである。
ヤドカリ「やー、お客さんたちハサミ振ってるだけで喜ぶからチョロいもんすわw」
ミノカサゴ「加減って大事よね、気合い入れれば良いってもんじゃないの。派手と美しさって違うの。もっと品格を大事にしたらどうかしら、どこかの誰かさん」
モンハナシャコ「……。」
ウツボ「ちょ、カサゴ姉さんチクチク言葉が刺さってますてw」
ヤドカリ「笑ってる場合ちゃうよ自分」
水族館の世界では人気がないと"クビ"になることもあるのだろうか。
カマボコの原料でお馴染みのスケソウダラ。
おまえこんな顔だったのか…もっとこうふっくらしてるもんかと……
水族館の満足度は深海コーナーの充実度と比例する。いうなれば「非現実感」を求め俺たちはここにいる。そして名古屋港水族館はその向こう側へ誘ってくれている。
明るい水槽群を抜けると闇へ通じる通路。緩やかな下り坂になっていて突き当たりを曲がり、突き当たりを曲がり…らせん状の通路で徐々に暗い海の底へ落ちていく。道中には工夫を凝らした照明とレイアウトで不気味に剥製が並ぶ。
生体展示も圧巻のひとこと。彼らは真っ暗闇の深海で何を考えどのように一生を謳歌しているのか、そんなことを考える。
あるパネルを見て狂気乱舞した。名古屋港水族館には"奴"がいるのかと。幼少期、両親から買い与えられた図鑑「さかな」(学研)。その最後の白黒ページに紹介されているのを見てから憧れの"種"。たびたび浜に打ち上げられては…漁師の網にかかっては…全国に報じられるあの"1匹"──。
「リュウグウノツカイ」の水槽である。
実はこれリュウグウノツカイではない。水槽ですらない。
はじめは何もいなかった。
そこにあるのは輝くパネル。真っ暗な"箱"。
待てど暮らせど一向に現れない。
しばらくするとこの"箱"の中央が照らされ現れたのがこの写真である。
迫真の3Dホログラム。
標本は手に入らなかったのか。
せめて大きさを合わせられなかったのか。
3メートル!最大で8メートル!!!(インターネット調べ)
独特な形とこの大きさがあってのリュウグウノツカイだろう!?
いやでもしょうがない。飼育は困難だろうよ。ホログラムにするったって存在しねえもんのためにでかい箱を用意するのは大変だろうよ。そしたらさ!等身大の頭がさ!ちっせーーー水槽にでかでかと写り込んでサーーーッと横に泳いでいくような演出でええんちゃうか、と!!!頭映してそのあと真ん中映して最後に尻尾映せばええんちゃうか、と!!!!!!ちっせーーーーーー窓からでっけーーーーーーーーーリュウグウノツカイを眺める潜水艇を演出すればええんちゃうか、と!!!!!!!!!!!!
せいぜい50cmか?子供か?ハジメテノオツカイか?
いや、楽しすぎ。広すぎ。きれいすぎ。
警備員さん優しすぎ(閉園時間の30分前に北館と南館の連絡通路が閉鎖されて、残り時間は片方の館に制限されるシステムを丁寧に教えてくれた)
全然時間足りねえ。絶対1日使え。
・17:45 名古屋港シートレインランド
名古屋港水族館の隣にある入園料が無料の遊園地。
「カップルから家族連れまで」
そこに俺はいない。
カァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!相合傘て。
すごいよな。土砂降りだぜ?いくら仲良くても遊園地行く?この二人、ぜってーどんな苦難が訪れようとも乗り越えられると思うよ。この俺が保証する。
土砂降りだぜ?みんなおかしいよ。なにが悲しくて10月の冷えた夜の雨のなか、椅子に座って振り回されなきゃいけないんだよ。
でもね、惚れた恋人、愛する家族と一緒ならきっと寒くないんです。温かいんです。
彼女「いらない!」
おれ「えー、グラコロ食べたいって言ったから買ってきたんじゃん!」
彼女「おれ君の海老フィレオがいい!」
おれ「えー、じゃあ俺の海老フィレオあげるよ」
彼女「ありがと!……やっぱりグラコロも一口ちょうだい!」
おれ「結局食べたいんじゃん、はい、どうぞ」
彼女「ふふっ、おれ君と食べるとおいしいね!(ニッコリ)」
あー、俺も振り回されてえ。
こんなはずじゃ…こんなはずじゃなかったのに……
ライブ行きたかった…
水族館も遊園地ももう1回行きたい……
土砂降りの夜に~、誓ったリベンジ~ ♪