マガジンのカバー画像

よく読まれてるやつ

20
運営しているクリエイター

#散歩

土下座してると思ったら虫撮ってる人。

なんだっけ、あの、黒くてモフくてポンポコしてるやつ。全体的に丸っこくて、脚が短くて、よくうどん屋さんの前に立たされてるやつ。そう、タヌキ。 突然ですが、みなさんはタヌキと間違われたことはありますか。 ボクはあります。 こんにちは、昼杉です。 老夫婦にね、言われたの。「あ、タヌキかと思った」って。山沿いの水路に入って虫を撮っていたときだね。背中だけ見えたんだと思う。 あれ、太った? 前は痩せてたよね。 ランニングしてるんじゃなかったっけ? もういい、たくさんだ。久々に

ハリガネムシって知ってる?

日差しが突き刺すある夏の日のことである。 私はY氏とともに某河川へと訪れていた。 結論から伝えよう。 これは川で遊び、ハリガネムシに操られたカマキリを目撃するまでの 壮絶な一日を綴ったものである。 ・・・ 熱気と陰気が立ち込める自室の隅。 吐き捨てられたガムのように、 窓の冊子にへばりつく私の姿がそこにはあった。 冊子って冷たくて気持ちがいいなと、夏のカケラを感じていると スマホが鳴った。 「昼杉さん、川に泳ぎにいきませんか。」 8月27日。私の夏がはじまった。

はじまりの虫撮り -さらば寝正月2023-

へい、らっしゃーい。奥のカウンター、どうぞー! はいはい奥の席ね。あ、向かいから人が。避けないとね。右にそそくさ。 おっと、あなたも同じ方向に避けますか。じゃあ逆に。 おっとっと、気が合いますね。 すみませんと笑いながら譲り合うこと3回。 鏡でした。 振り返ると、カウンター席から怪訝な顔で見つめてくるご夫婦。 「わざとですー!」とか言ってみたけど、そのままの引きつった顔で 目の前のラーメンに視線を戻され、結局ぼくの席はその隣。 お互い地獄の時間を過ごしました。そんな年末。

ぼくとディズニーに行くのはなんか違うらしい。

「おっしゃ!今度の休みにディズニーでも行くか!」 同僚「昼杉くんとディズニー行くのはなんか違う。」 「……。」 雨が降りそそぎ、土が肥え 木々が生い茂り、そよ風に花が踊る。 街を彩る子供たちの笑い声。 美しさと幸せに溢れた素晴らしい世界。 もうすぐクリスマスですね。 こんにちは、昼杉です。 コロナになりました。 ついにきたね。 症状とか経緯とか色々書きたい! もうなんも楽しいことないから不幸自慢したい!!! いやね、敢えて言うのも恥ずかしいですよ。 え、今さら!?って

図鑑とボク、どっちが好き? -IN 高尾山-

───『高尾山』 東京都八王子市。標高599メートル。 大阪の箕面山、京都の貴船山と並び、 日本三大昆虫生息地の一つとして数えられる名山である。 7月23日。私は電車に揺られていた。 「つぎは高尾山口~。つぎは高尾山口~。」 高尾山口に着くとそこは東京とは思えぬ緑が広がる大自然。 ぎらつく太陽に、改札の外で散らばる観光客らが目を細める。 デートの男女。風に髪を揺らす少女。ハイキングに心を燃やす男性。 そんななか、独りガチカメラを首から下げる美女がいた。 そう、P氏である

持ち帰ろう!昆虫トラップ

「罠 失敗」で検索してみた。 投資の罠。ITシステムの罠。 物件探しの落とし穴。確実に失敗する新規事業。 なんとなく身構えるワードの数々。 他にもあります。 女性の笑顔に潜む罠。リボ払いの真実。 鼠捕り。今なら0円~! 思い当たる節はあるでしょうか。 人類の歴史は罠と共にあったといっても過言ではありません。 そんな長い歴史のなかで 最も仕掛けられた罠とは何だと思いますか? そう、昆虫トラップです。 夜中、白い布に明かりを照らすライトトラップ! ネットに熟れたバナ

振り返るとそこには虫もいなかった。

電話が鳴った。 「あたしメリーさん、いまゴミ捨て場にいるの」 「あたしメリーさん、いまタバコ屋さんの前にいるの」 「あたしメリーさん、いまあなたの家の前にいるの」 「あたしメリーさん、いまあなたの後ろにいるの」 ぎゃあああああああああああ!!! こんにちは、昼杉です。 ご存知、怪談系の都市伝説「メリーさんの電話」です。 この話の肝はその後の展開、つまりオチがないこと。 緊張感がピークのまま余韻を残す、なんともいえない不気味さ。 考察の余地があり自分なりの解釈を