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私の「書く意識」を変えたひと

noteを去年始めた時、毎日エッセイを書くつもりなんてさらさらなかった。毎日書くと1本1本の内容が薄くなりそうだし、書くことを義務化すると楽しくなそうだと思っていたからだ。そもそも趣味なのだから、書きたい気分の時に書けばいい。

そんな私は今、毎日エッセイを書いている。毎日投稿はしていないものの、執筆自体は毎日続けている。noteを始めたばかりの頃は、書きたい内容が思いついた時に一気に書き上げていたので、以前の執筆スタイルから大きく変わった。

noteに投稿する内に書きたいことが自然と思い浮かぶようになったとか、書くことが楽しくて仕方なくなったとか、そんな理由ではない。noteを始めた時と同じように毎日何を書こうか悩んでいるし、書いていて楽しい時も苦しい時もある。自然に執筆スタイルが変わったのではなく、意識的に変えたのだ。

なぜ執筆スタイルが変わったのか、毎日書くことでどんな変化が起きたのかをしばしご紹介したい。noteが続かない、気分が乗らなくて書けないと悩んでいる方は、「へえ、こんな人もいるのね」くらいに思っていただけると幸いだ。

私の書く意識を変えた2人の作家

私が毎日執筆するようになったのは、2人の作家さんに影響を受けたからである。YouTubeや漫画で出会った作家さんから、私は強烈に「書かねば」と思わせられた。ここからは、そんな衝撃体験を提供してくれた作家さんをご紹介していく。

YouTube 有隣堂しか知らない世界

神奈川に多数の店舗を構える書店、「有隣堂」のYouTubeチャンネルが「有隣堂しか知らない世界」である。毎度書店の裏側や変わった文房具を紹介するチャンネルなのだが、その中で作家の中山七里先生に24時間密着する動画があった。

中山七里先生といえば、『さよならドビュッシー』や『護られなかった者たちへ』など、数多くの作品を世に送り出している大作家さんだ。そんな中山先生がどんな1日を過ごしているのか、ノーカットで見れる貴重な映像である。

サムネイルのタイムテーブルから不穏な空気が漂っているのが、おわかりいただけるだろうか。ネタバレしてしまうと、中山先生は1日17時間執筆していたのである。サラリーマンの1日の勤務時間が平均8時間なので、2日分の仕事を1日でこなしていることになる。

有隣堂マスコットキャラのブッコローは、食事もとらず書き続ける中山先生がすごすぎて引いていた。そんなブッコローをよそに、中山先生は「このルーティンで1週間やれば原稿を落とさずに済む」と言う。それもそのはずで、中山先生は月刊の連載を8本持っている。原稿用紙50枚を3日で完成させねばならないのだから、死ぬ気で書くしかない。

この動画を見て、プロの作家さんがこのペースで書いてるのに、素人の私が毎日書かなきゃ絶対に追いつけない、と思った。もちろんプロだからこその執筆速度であるし、小説とエッセイというジャンルの違いはあるけれど、文章は書けば書くほどくうまくなると思う。

中山先生までとは言わないまでも、もっと全力で書こう、と決意を新たにした。

『私のジャンルに「神」がいます』

『私のジャンルに「神」がいます』は、アニメや漫画の二次創作を楽しむ同人女たちを描いた漫画だ。二次創作が主題になっているため、登場人物のほとんどが漫画や小説を書いている。毎回全力で一喜一憂する姿は本当に見てて飽きないのだが、その中でも「前人未到の0件ジャンル」の話に影響を受けた。

「前人未到の0件ジャンル」は、15年前に放送されていたアニメにハマるものの、昔の作品ゆえ二次創作が全くない。絶望した主人公が、自分で二次創作の小説を書き始めるというお話だ。

主人公は小説を書くこと自体が初体験。初めて書いた小説はブックマークが1件もつかず、恥ずかしくて公開をやめてしまう。執筆自体も一度やめるのだが、どうしても書きたい気持ちを抑えられず、小説の練習を始める。800文字以内の短編小説を毎日書く練習をして、3ヶ月で100本書き上げた。

執筆未経験ながら、自分でルールを作って書き続けるストイックさに感動してしまった。そして、1作品1テーマ800文字以内で書く、という縛りで書いていくこと自体がおもしろそうだと思った。この作品を読むまでお題にそって執筆したことがなかったのだが、noteの豊富なお題を活用した方が執筆を楽しめるのではと思った。

毎日執筆して変わったこと

毎日執筆して変わったことは、「自然とネタ探しをするようになったこと」「作家気分を味わえること」の2点だ。

これまでは気が向いた時に書くスタイルだったため、日常の些細な気付きや感情はスルーしてしまっていた。だが、毎日書くと決めると、自然とネタのストックを探すようになる。仕事をする中で思ったことをネタにしたり、昔の思い出で1本書けそうかもと思ったり。

また、あんまり気分が乗らない時も「今日書かなかったら原稿落とす」「私のエッセイを待ってくれてるファンがいるからな〜(?)」と、作家気分を味わうと書けるようになる。作家じゃなくても待ってるファンがいなくても、そう思い込むことで書くこと自体が楽しくなるのでお得だ。

以上、私の書く意識を変えたもの・変わったことをご紹介した。書くことを習慣にしたい方は、ぜひこちらの教訓を胸に刻んでいただきたい。

 ・ああだこうだ言う前に書いた方がいい
 ・本数を重ねて見えるものがある

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