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ワカサクラ姫ハナコの不撓不屈#5

斎衣殿/インハトノ(神衣を織る斎み清めた機殿)にひとり籠もり、
神御衣/カンミハ(祭祀時に皇君が着る衣)を織る姫。

"これ正されて ソサノヲが
一人被る 斎衣殿
閉ずれば 怒る 太駒を
甍 穿ちて 投げ入るる"
との一文がホツマツタヱに見られます。

こっそりと近づいて馬を放り込んだというよりは、
ドヤドヤ、ザワザワと殴り込んできた様に受け取れます。
小娘にスパイされた腹いせや何やらで憎悪が渦を巻いていたのでしょう。

繊細な指、白皙の項に立つ襟、瀟洒な姫のもとへ
礫々と音を立て近づくブルドーザーのような臨場感が伝わります。

このあと、額面通り、アクシデントにより姫、息絶える。
なのか。或いは、

"甍 穿ちて 投げ入れる" 
を直訳すれば、屋根に穴を開けて、そこから馬を放り込んだ、ということでしょうか。

別に屋根に穴を開けいでも、ふすまを蹴倒すなり、縁側から突っ込ませるなり、他にもあったでしょう。

姫、あまりの常軌を逸した光景にショック死。ならそれで幕引きです。

他方、類推の域を出ませんが、
屋根に穴を開けて馬を突っ込む、の隠喩は、、、、、
そういうことなのかもしれません。

”デカい馬”でいいものを太駒(斑毛の馬)とするところに
”穿ち”を感じますが、白い者、黒い者、混ざり合って、斑模様のようにやってきたのか。
それぞれ旗色の違う集団がやってきたのか。

嵐は去ります。
陵辱されてもなお、姫、存命だったとすれば、
心身とも憔悴しきり、絶望の淵を彷徨ったことでしょう。

やがて身ごもったことに気付き、沽券にかけて自刃を決する姫。
姉ホノコさんは、これを思いとどまらさせ、一連の騒動の禊ぎと妹ハナコさんの快方成就を祈祷したように思います。

”ムカツヒメより さをしかに ウケモノ祈り 蘇みかえす”
(ムカツヒメ=セオリツ姫ホノコさん)

一旦、死に体となった妹をウケモノ(生かす神霊)に祈り、蘇らせた。

類推の域を出ませんが、
生まれた子は子で、ソサさんの八王子⑥となり、生まれ変わったハナコさんは、神大市姫と名を変え、国史に見えるのかもしれません。

類推の域を出ませんが、
アマテル・ウヒルギ・ワカヒト神。
セオリツ姫ホノコさん。
ハナコさんの姉夫婦祀られる皇大神宮正宮、別宮。
ハナコさんも姉夫婦のそばに祀られるのかな。
湯田神社。祭神は神大市比賣。
神大市比賣の父は初代オオヤマツミ、サクラウチ神という設定ですね。
サクラウチ神はホノコさん、ハナコさんの父。

六甲、その麓は、ホノコさんに縁深いところと聞きます。
麓にみずがめ座の三ツ矢のように4社が鎮座されます。

廣田神社さん(ホノコさん)を中心に
西にヒルコさん(アマテル神、ソサノヲさん姉)を祀る越木岩神社さん。
南に西宮神社さん(蛭子大神=ヒルコさん)。
そして、東に上大市という地があります。
その上大市のはずれに大市八幡神社さんが鎮まります。
”八幡”は中世、武家社会の世に冠されたものと思われます。

縄文のいにしえより、ホノコさん、ヒルコさん、そして上大市姫ことハナコさんが、六甲麓にみずがめ座の三ツ矢のように鎮まり、何かを守り、何かを伝えようとしてくれている。
想像の域を出ませんが、そう思わせてくれる何かが、高次のすぐのところで待機しているのかもしれません。



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