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ワカサクラ姫ハナコの不撓不屈#3
モチコさん、ハヤコさんらと
淫蕩生活に浸るソサノウさん。
ホノコさんの命を受け、
そのソサノウさんを観察、
間諜していたハナコさんと側近たち。
慎重の上にも慎重を重ねていたようですが、
言うても、みはしらのうずのみこのおひとり、
ソサノウさん。
感づかれてしまったようです。
ハナコめっ。
小娘の分際で、このワシをスパイしおって!
虫も殺さぬ顔をして、大胆なことしよるわい。
どうせ義姉の差し金じゃろう。
ホノコがなんぼのもんや、
何がサクラウチや!
何がオオヤマツミじゃ!
ワシはヒタカミ国のプリンセス、
イサナミ・イサコの血をひく
直系の三貴子、ハナキネなるぞ!
斎衣殿に一人籠もるハナコさん。
心地良い静寂に、いつもは感じぬ淀みのような何か。
何かしら、、、。
屋根が開くや、
轟音やらなにやら、
太駒/フチコマ(デカ馬)が投げ込まれ、
所狭しと暴れまわります。
常軌を逸した光景に驚くあまり、
ハナコさん、お仕事で手にしていた梭(機織道具・
シャトル)を誤って自分に刺してしまい
息絶えてしまいます。
致命的な箇所に刺さってしまった。とか、
最も女性的な部分を刺すかたちとなった。とか、
実際のところは、どんな風だったんでしょう。
フチコマはシマウマの意とも。
白黒の象徴が斎衣殿に流れ込んできたとなると、
シラヒト、コクミを引き連れた、
どなたかが入ってきたのかなとも。
他方、太=大勢の、駒=ツングース系族と
解釈すると、当時日本列島にいた、たくさん駒を
引き連れてどなたかが押し込んできた。とも。
記紀も馬の毛色や斑模様を
わざわざ後世に伝えたかったとは到底思えず、
どう考えても何かのメタファーでしょうね。
皮を剥がされ裏返しにされた隆々とした暴れ馬。
のくだりは、男性的な何かを連想させ、
これ以上の説明は不要かもしれません。
他方、フチには「合う」「交じる」の意があり、
コマには「転がり込む」「往き来する」の意や、
転じて「緻密」「入念」「綿密」などの意がといいます。
力尽くで思いを遂げられてしまったハナコさん。
暫くして、
身ごもっていることに気付いたのでしょう。
アマテル神十二の后として、
サクラウチの名において、
気高くも自らの象徴、梭(シャトル)で
人生の区切りをつけたのかもしれません。
一連の騒動を知ったアマテル神。
ソサさんを事情聴取。
道義、人倫を教え諭すも耳を貸さず、
その所業はますます人の道から外れます。
アマテル神は責任を取り、自らを結室に幽閉。
これは俗に言う、暴力的なソサさんをビビって
岩戸に隠れた云々ではなく、
ソサの嫉妬の対象、
当て付け、当て擦りの対象、アマテル神が
この世から、いなくなれば、ソサの思考、
行動も改善に向かうだろうとの判断を
されたようです。
一方、アマテル神が姿を消したことで、
昼夜の区別が世からなくなります。
心配したオモイカネさんやコヤネさんなどは、
智恵を出し合い、
アマテル神の幽閉解除と
復帰を願い行動に移します。
予見通りソサさんにも平穏さが窺え、落ち着いた頃、
自ら幽閉を解き、政に復帰したアマテル神。
けじめとして、
ソサさん、及びその関係者の裁判が行われたと
いいます。
十二の后、モチコさん、ハヤコさんとの密通、
ハナコさん殺害等、
その他の罪により死刑宣告となります。
ところが、ソサさんの減刑を申し出る方が
現れるんですね。
ハナコさんの実姉で
アマテル神内宮のホノコさんです。
「ウケモノ(生かす精霊)に祈りを捧げ
ハナコを蘇したゆえ、どうか減刑を」と。
ホノコさんの温情を知ってか知らずか、
こうして減刑されたソサさん。
ですが中央からは追放されます。
出雲(日高見、橘山太平洋側の対語で広義に
山陰周辺を指すようです)を
流離ううち、ヤマタノオロチ退治のオファーを
得ます。
千載一遇のチャンス到来。
一目惚れした、あのハヤスフ姫も、
すでにオロチの犠牲になっていました。
よぉーし、名誉挽回。
剣の達人、知恵者のソサさん、
ものの見事にオロチを退治。
続いて地方の腐敗しきった代官連中も一掃、根絶。
ヤマタノオロチとは、
反政府勢力を言ったようです。
ソサさんとの不倫事件、淫蕩に耽り、
宮の風紀を乱す、育児放棄等々、
先に中央を追放されていた
十二の后のモチコさん&ハヤコさんクラキネ
シスターズ。
チコさんはアマテル神の長男
アメノホヒさんを産み、
ヤコさんはアマテル神の三つ子、イトウの三姫、
のちの宗像三姫を産んでいます。
私たちこそ皇位継承者側だと立ち上がる
クラキネシスターズ。
左遷先から逃亡を謀り、ヒカハの地に。
そこで反政府勢力を結集させたようです。
ソサさんはこれを退治するわけです。
肉体関係を持ったシスターズと対峙するわけです。
俯瞰者としては、複雑だったろうになと感じます。
時にはソドミーゴモリー的なカオス空間を
トリップしたかもしれません。
でも案外、当人たちはそんな感傷勘弁して。
って感じなのかな。
所詮下半身と妬みの繋がり。
概ねこういう因果になるんでしょうかね。
兎にも角にも、ソサさんは、
シスターズ率いるオロチ軍を退治し、
地方政治に蔓延る腐敗を一掃。
この功績が中央政府の耳にも届き、
罪を恩赦されます。
八重垣の臣として中央の役員に復帰。
出雲の国守となり、
ヒカハ守の名を賜ったといいます。
つづく