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元伊勢籠神社主祭神彦火明命(初代アスカ皇君)を包む天日神の慈愛#3


 父オシホミミ皇子、祖父アマテル神の慈愛、周囲の
 冀求とともに
 九十九里浜より出航した彦火明大船団一行は
 浪速ナミハヤに入港。
 山背川を遡り、イカルガ峰に到着。

 大和下りの最終目的地、シラニハ。
 長旅を経てヒタカミより彦火明命クシタマ
 ホノアカリ・テルヒコさん降臨します。

 高み・高き処・中心区=タカマを意味する
 斑鳩(活る処)イカルカ宮を都に定めたテルヒコさん。
 波長がしっくりこなかったのか、
 どうもイカルカ宮に居着けません。

 都と定め一年も経たないある時、
 シラニハ山(生駒山)に旋回するカラスを見ます。
 ※生駒=駒(軍・兵)を率いる意。

 さぞかし不気味だったんでしょうか、
 ほーらッ。やっぱりそうだ。
 なんか落ちつかへんと思たんや。
 ここはクマノ・曲野に違いない。

 あのカラスの舞い方、あれはクマノの証拠や!
 ※クマノ・曲野=道理の曲がる野/エリア

 せっかく築いた都、イカルカ宮。
 ですがテルヒコさんの直感で遷都を即決します。
 一日でも早くクマノの地を出た方がええな。
 よしッ!アスカの地が良かろう。

 こうして一年も経たないうちに
 アスカ宮への遷都が決まります。
 テルヒコさんの左右臣を務めていた
 アメノコヤネさん、ヲコヌシ・クシヒコさんは
 この遷都に猛反対。
 ※コヤネ・交和=結び・同調・シンクロの意
 ※クシヒコ=初代事代主、二代大物主

 コヤネさん、クシヒコさんの度重なる説得も
 聞き入れず、
 自らを貫いた
 彦火明命クシタマホノアカリ・テルヒコさん。

 残念では御座るが仕方あるまい。と
 コヤネ、クシヒコ両臣、
 テルヒコさんのもとを去ります。

 空席と成ってはだめと後任の左右臣をフトタマさん、
 カグヤマツミさんが務めたようです。
 ※フトタマ=七代タカミムスビ・タカキネさんの
  第三子。ナガスネヒコ、ミカシヤ姫、
  アメノトミの祖父。
  奈良県橿原市・天太玉命神社、
  千葉県館山市・安房神社他祭神。
 ※カグヤマツミ=オオヤマカグツミの第二子。
  タギツ姫タキコと結婚。子にカゴヤマ・タクリ、
  アメミチ姫。
  香川県善通寺市・大麻神社他祭神。

 弟キヨヒトが人工湖、富士八湖を造るなら、
 兄テルヒコも蓬莱山/橘山(現富士山)を模した人工山、
 香久山を造るなど
 兄弟間の切磋琢磨もあり、テルヒコ新体制も整います。

 都運営も順調になると、さあ次は世継ぎ、
 まだかまだかと話が活発になったのでしょう。

 スガタ姫→ハツセ姫→アメミチ姫と后を迎えるも、
 残念ながら実子には恵まれなかったようです。

 そこでアメミチ姫の兄のカゴヤマ・タクリさんの子、
 タクラマロさんを養子に迎えることになります。

 のちにタカクラシタ・高倉下さんとなる
 タクラマロさん。
 アマテル神の曾孫であり、
 宗像三女神タギツ姫(神奈川県藤沢市・江島神社他祭神)      
 の孫さんでもあるんですね。

 これで世継ぎ問題は解決。めでたし。
 と思いきや
 今度は宮中にて、女の戦いが始まったようです。
 テルヒコさんもたいへんだったんですね。

 蝶よ花よで迎えられたタクラマロさん。
 アメミチ姫は血縁があるので
 鼻高々だったのかもしれません。

 この二人がどうにもこうにも気に入らないハツセ姫。

 実は最初の内宮スガタ姫は、
 テルヒコさんの執政方針に納得がいかないことが
 多く、よく諫言し、
 そのため衝突を繰り返していました。

 そんなこともあって、
 二番目の内宮ハツセ姫とテルヒコさんは
 スガタ姫を追い出してしまっていたようです。

 スガタ姫を追い出し、
 実質トップ内宮に座ったはずのハツセ姫。
 タクラマロ養子の件で流れが一変。

 蝶よ花よのアメミチ姫とタクラマロに
 ハツセ姫の切歯扼腕も絶頂に。

 こんなことがあっていいはずはありません。
 ええ、そうですとも!
 私を誰だと思っている! 
 私はトヨマド神の娘であるッ!
 宮中での女の戦い。幕が切って落とされます。
 知~らないッ。

 こればかりは、父オシホミミ皇子も祖父アマテル神も
 簡単には口出しできかねる問題だったんでしょうか。
 テルヒコさん、頑張れって感じですね。

 ですが、ハツセ姫、女横綱のごとく寄り切りました。
 アメミチ姫と御養子のタカクラシタ・タクラマロさん
 を宮から追い出してしまいます。

 このときのハツセ姫の心中を計り知れば、
 実力行使に出た彼女も彼女なりの悲痛な思いが
 あったように思います。

先発・スガタ姫→中継ぎ・ハツセ姫→抑え・アメミチ姫。

 どうせ私は中継ぎハツセ。そんなのわかってたわ。
 やってやろうじゃない?
 よし!先発完投でシャットアウト。
 誰にも文句は言わせないわ。
 どうせならノーヒットノーランでも
 やったろうじゃないの!

 クイーンの座を手中に収めたハツセ姫。

 やっとの思いで手にしたはずのクイーンの称号が
 指のあいだからするすると零れゆきます。

 テルヒコさん、事の顛末を知りました。
 蝶よ花よと皇君が溺愛した
 アメミチ姫とタクラマロさん。

 当然、ハツセ姫のいじらしくも嫉妬を憎悪で
 焚きつけるようなおこないは、テルヒコさんの逆鱗に
 触れてしまったのです。

 ハツセ姫、宮を追い出されます。
 ノーヒットノーラン完全試合のつもりが
 退場処分となりました。

 暫くして、結局世継ぎなきまま、
 初代アスカ皇君クシタマホノアカリ・テルヒコさんも
 最期を迎えます。

 テルヒコさんのあとを継ぎ、
 第二代アスカ皇君となったのが
 ニギハヤヒ・クニテルさん
 (ニニギさんの長男ホノアカ リ・ムメヒトさん
 梅皇子の長男)。

 アスカ宮をカグヤマ宮と改め、
 初代カグヤマ皇君・クシタマホノアカリ・テルヒコ
 さん。
 二代カグヤマ皇君・ニギハヤヒ・クニテルさん。
 としました。

 過去の事情を知ったクニテルさん。
 早速にも宮を追い出されたアメミチ姫と
 タクラマロさんを呼び寄せます。

 母という位置付けでオファーを受容れたアメミチ姫。
 その子というオファーを
 タカクラシタ・タクラマロさんは拒み続けたようです。

 タクラマロさんは二度とアスカ宮(カグヤマ宮)へは
 戻らなかったといいます。

 その後、神武東征が成り、
 カグヤマ宮側にあった十種の尊宝は
 クニテルさんの息子ウマシマチさんによって
 神武天皇に捧げられ、返されたようです。

 天照大神、豊受大神という二大スーパーアセンデッド
 マスターに両脇を護られ、
 籠神社さんに主祭神として祀られる
 彦火明命クシタマホノアカリ・テルヒコさん。

 世継ぎはなくとも、
 今なおアマテル・ウヒルギ・ワカヒト神、
 トヨウケ・タマキネ神の慈愛に抱擁され、
 光となり日本列島を照らし、なされていることで
 しょう。

 アマテル神とトヨウケ神に守られるなんて、
 良かったですね、テルヒコさん。
 「天照國照彦天火明櫛玉饒速日命」なる名を
 名乗れるのは、ただお一人、
 彦火明命クシタマホノアカリ・テルヒコさんをおいて
 他にはないのですね。テルヒコさん。


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