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京丹後・比沼麻奈為神社に御大を訪ねて #2


   トコヨ神の直系である
   オモタルさんカシコネさん。
   世継ぎに恵まれず、
   日本国中央政府の本家筋が
   もはや断絶か、
   という非常事態に見舞われます。

   事実上、空洞化の中央政府。
   魑魅魍魎が嗅ぎつけ、
   跳梁跋扈に世は乱れ始めます。
  
   ヒタカミの第五代タカミムスビ、
   トヨウケ・タマキネさん、決然と立ち上がります。

          まず、ヒタカミの地に四十九神を勧請。
       「天のタカマ」を地上に写し、「地のタカマ」と
   しました。

   四十九神により、
   ヒタカミも天上神の顕現の地となり、
   地理の上で辺境ではあるもののタカマ(中央政府)
   としての資格を天地にわたり得ます。

   これにより、タマキネさんは、
   トコヨの道・トコヨ神の皇統たる資格を得、
   「東の君」として天上界からも地上からも
   是認を受けます。 

   次に混乱を落ち着かせる為、
   タマキネさんはヒタカミの地を暫定的に
   タカマ(中央政府)とします。

   そこから、本家筋を引き継ぐかたちで
   列島全土の統治に乗り出します。

   そして我が娘のイサナミ・イサコ(分家筋)と
   根国・サホコチタル国を法で治めていた
   アワナギさんの長男である
   イサナギ・カミロキ・タカヒト(別分家筋)との
   結婚を取り計らい、
   二人のあいだにできた子を以て
   本家とし、窮状を脱するよう図ります。

  ※アワナギ =  沫蕩尊。
          イザナギ、ククリ姫、
          クラキネの父。
          弟にサクナギ・析蕩尊がいる。
  
   分割統治に陥ってしまった日本列島。
   列島の再統一の成就こそが私の使命と
   タマキネさん、全身全霊我が身を投ずる
   決意をします。

   本家筋復活のため、
   東奔西走、南船北馬、国のため、民のため、
   利他に尽くします。

   まずは、イサコとタカヒトのあいだに、
   本家中央政権復活のため、
   それを任ぜられる子の誕生を
   祈願せねばなりません。

   おそらく、タマキネさんには、
   すでに日月の御子、
   大ウ・日ヒ・靈ル・貴ギ(のちのアマテル神)と
   気吹の宮・ツキヨミ・モチキネの肖像が
   降ろされていたのかも知れません。

   ウヒルギ、ツキヨミ誕生の成就。
   霊力をここ一本に注ぎます。

   カツラギ山に建てた代嗣社にて、
   八隅に八色の紙垂とともに
   タマキネさんは8,000回の禊ぎを行ったと
   いいます。

   カツラギ山にあったとされる代嗣社。
   カツラギ山とは奈良の葛城山ではなく、
   桂来山=桂来霊鳥山、山形県の鳥海山のことを
   いうようです。現大物忌神社周辺でしょうか。

   二尊(イサナギ・イサナミ)の代嗣誕生を祈る
   タマキネさん。
   上空を舞う霊鳥。
   ひとしきり螺旋を描くと
   ヒラヒラとタクトの先をなぞるように
   赤褐色の羽を落としていったといいます。
  
   占いによってその場所が選ばれたという
   カツラギ山=鳥海山。
   一生に一度目にするかどうかの霊鳥。
   その霊鳥による返答、
   赤褐色の羽を手にタマキネさんは、
   ウヒルギ(アマテル神)の誕生を
   確信したのかもしれません。

   生まれ来る二尊の代嗣に
   日月の神霊降誕を祈ったタマキネさん。
   陽陰の最高神(アマテル・ツキヨミ)の
   降誕を以て、
   クニトコタチの皇統に代わる新たな
   皇統の本流の幕開けとし、
   永遠の安寧を願ったことでしょう。

  ※代嗣社・よつきやしろ = 世継ぎに恵まれぬ
                おりに建てられ、
                ここに
                運命付けられた
                世継ぎとなる魂魄を
                呼び、庇護し、
                代嗣文によって
                子種を噛む
                愚霊の障りを
                取り除くという。

    伝説によると、
    母イサコさんの胎内に96カ月間宿った
    というウヒルギさん。
    ハラミ山(現富士山)麓の酒折宮にて、
    産声を上げます。
    元旦の日の出=若日とともに生を受けたので
    ワカヒトと御名がつきます。

    思春期を迎える頃には、ハラミ酒折宮を離れ、
    ヒタカミの地に赴きます。
    タマキネさんのもとで、
    帝王学を学んだウヒルギ(アマテル)さん。
  
    タマキネさんより学びを吸収し、
    魂の成長を見るたび、
    アマテル宮の四方八方からは、
    黄金が噴き出したといいます。

    やがて、根源神・アメノミヲヤの
    左右の眼{日(太陽)と月(太陰)}の顕現
    とまでに天地に識認を得たウヒルギさん。

    天空のアメノミヲヤの座所=九重の
    内宮高御座に坐すころには、
    アメノミヲヤ、
    アメノミナカヌシ、
    アマテルで
    三位一体と考えられるようになっていました。

    トヨウケ・タマキネ神の筆舌に尽くしがたい
    尽力、貢献が実りを見せ、
    ウヒルギさんは君となります。
    アマテル・ウヒルギ・ワカヒト神は
    天照大神となり、
    タマキネさんの悲願でもあった
    日本列島の再統一を成し遂げます。

    おそらく、最初で最後。
    同じような方が二度と
    現れることはないでしょう妹背神、
    アマテル・ウヒルギ・ワカヒト神。
   
    太陽と太陰を合わせ連ねる現人神。
    実際に日本列島の地で、
    縄文期に政を執っていた。
    もしかして私たちは、
    同じ大地でウヒルギさんが
    感じたそれと、同じ自然の香りやら何やらを
    共有しているのか、と考えると
    底知れぬシンパシーを
    感じずにはいられません。
  
    豊受大神トヨウケ・タマキネ神、
    天照大神アマテル・ウヒルギ・ワカヒト神、
    天児屋根カスガ・カスガマロ・ワカヒコ神、
    このお三方は私たちが世界に誇れる
    アセンデッドマスターではないでしょうか。

    タマキネさんは、
    君となったアマテル神に見る調和、統御を
    見届けると、
    最期の任務として、
    サホコチタル国を引き受けます。
   
    それまで孫の七代タカミムスビ・タカキネさんが
    治めていたようですが、
    伊勢のアマテル神のもとへ異動となり、
    タマキネさんが最後の仕事として
    引き受けたようです。
  
    そして、わが国の大功労者タマキネさんにも
    最期が来ます。
    潔く宮津・マナヰ原の辞洞に自ら入り、
    神上がりされたようです。

    タマキネさんを慕いに慕っていたアマテル神。
    晩年、自らも宮津・真名井原入りし、
    タマキネさんが眠る洞の上に朝日宮を建て、
    朝日神(タマキネ)を祀ります。

    そして祖父タマキネのそばで眠りたいと
    サルタヒコさんが掘った辞洞に
    自ら入り、神上がりされます。
   
    のちタマキネさんは外宮・真名井神社に、
    アマテル神は内宮・籠神社本宮に
    祀られたといいます。
    
    ですが、比沼麻奈為神社さんにも
    タマキネさんを感じずにはいられません。
    タマキネ翁の空気で出来た大船が
    フロートしているよかのようです。
   
    タマキネさんは、
    クニトコタチ →
    キノトコタチ →
    ご自身タマキネと転生したことを
    悟っていたようです。


   
  
      


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