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ワカサクラ姫ハナコの不撓不屈#2
ホノコさんの命により、
ソサノウさんを監視していたハナコさん。
いつものように超然と神御衣(カンミハ)を
織っていました。
ソサ(紀州)で生まれたソサノウさん。
やがて成人し、京都宮津の朝日宮にいました。
そこでソサノウさん、絶世の美女に目が眩みます。
ハヤスフ姫。
赤土命の娘さんといいます。
大分県大分市、早吸日女神社主祭神。
ソサノウさん猛烈アタックも
恋のキューピッドに見放されます。
実らぬ恋でした。
ハヤスフ姫、ソサさんのような男性は
あまりタイプではなかったんですかね。
しかしこの出来事が、彼女の不運の始まりでした。
のちに巻き込まれるヤマタノオロチ騒動の
犠牲者となるわけです。
恋に敗れ、失意のソサノウさん。
絶望のなか、フラフラと彷徨い、
気づけば伊雑宮の東殿、大内宮に。
宮のまわりをうろうろ。
中を窺うと、
サクラウチさん(初代大山祇・ホノコさん父)の
植えた桜が咲きほこり、
煮炊きもののにおいが辺りに漂います。
その桜の優美さと
心身疲弊する自らの対比に
甚だしい差異を見、加えて極度の空腹が
ソサノウさんを苛立たせます。
一方から聞こえるのは、毬が弾むがごとく嬌声。
こっちは恥も外聞も捨てフラれにフラれまくって、
失恋も癒えぬというのに、
女性のキャッキャと騒ぐ声。
ワカヒト兄ちゃんに比べて、
今のオレはと言えば、、、、、
癪に障る暗黒の何かが、
ソサノウさんの天井を突き破ります。
欲望の赴くままに、タブーをおかしてしまいます。
アマテル神十二の后のお二人、
北の局マス姫モチコさん、
コマス姫ハヤコさんのもとへ
出入りし始めるソサノウさん。
燃え盛る油紙のように情事を重ねます。
このことを悟った内宮ホノコさん。
命を受け、側近や機転の利くハナコさんが
諜報活動にでます。
エントロピー増大の法則は太古も今も変わらぬもの。
ソサノウさんのその行ないは、
ソドムゴモラのように粗暴をきわめていきます。
暴走機関車は、
いよいよ斎衣殿に一人籠もって機を織る
ハナコさんに太駒(成長した馬)を投げ込みます。
さて、太駒・フチコマの解釈は、
幾通りにも及びますね。
子馬ではなく大人馬の意といいます。
記紀では、斑毛(地毛が白く濃色円形の小斑がある馬)
とされています。
白に濃色の隠喩は
シラヒト、コクミしか思い浮かびません。
つづく