
下照姫と高照姫。ヒルコお姉さんに見るフェミニン&マスキュリン#4
多賀若宮(現滋賀県犬上郡多賀町)。
オモイカネさんともにご夫婦で、
オシホミミ皇子を
仕立てる・育てる姫を務めたヒルコさん。
皇子を養育しつつ、
根国、サホコチタル国の政も執る。
その上、楽器を奏で、歌も詠む。
そのお姿、どんなだったんでしょう。
そんな才媛の容姿、
令和の今には想像もつきません。
私たちそれぞれにギフトされたロマンですね。
閑話休題、
穢虫の大量発生の対処など、
国難解決をヒルコさんばかりに
頼ってはいられません。
弟のアマテル・ウヒルギ・ワカヒト神、
義妹のセオリツ姫ホノコさん、
祖父の豊受大神、伯母の菊桐姫、
実母のイサナミ・イサコさん、
ほかにもヒルコさんと斉しく霊力を持つ方
おいででした。
また群雄割拠のおり、
諸般諸国にそれぞれ巫女の女王、
ヒミコ/シャーマネス・クイーンのような方も
おられたでことしょう。
しかしながら、絶対的な国の支柱、
国のアイコンとなるヒルコさんの奥義を継ぐ者、
後継者の育成は必須、国是だったかもしれません。
ヒルコさんのお人柄は国中の崇敬を集めていました。
中でも、初代大物主であり
八重垣の臣のオホナムチ・クシキネさんと
美濃の国守、アマクニタマさんは、
利他の心で事にあたるヒルコさんに
心を打たれていました。
そこには、押し付けがましさの欠片もなく、
黙々と、やがて次第に熱を帯びゾーンに入り
トリップ状態になるものの
瀟洒で淀みのない仕事ぶりに感銘しきりでした。
お二人はそれぞれ愛娘をヒルコさん奉ります。
どうか弟子にしてやってやください。
後継者の一人として、
娘に奥義を授けてはいただけませんでしょうか。
オホナムチさんはアマテル神の娘婿。
義伯母のシタテル姫ヒルコさんのまじない、
”シタテル姫の教え種”を何度か見る機会が
あったのかもしれません。
一方、アマクニタマさんも
息子のアメノワカヒコさんが中央政府の要職につく
お立場だったことから、
ヒルコさんのことは、よく耳にしていたのでしょう。
アマクニタマさんの愛娘、オクラ/アユミテル姫。
兄に天稚彦さん。
のちに結ばれる方が、なんと迦毛大御神、
二荒神の阿治須岐高彦根さん。
このオクラ姫、
相当なる霊力を秘めていたのでしょう。
それがヒルコさんの指南により、
ケミストリーを起こし、
一気に向こう側へリープ。
往来は常の如くだったようです。
姫は修業、レッスンを辛いものと捉えず、
精進すること自体を愉しんだといいます。
こうして、和歌の奥義書「雲櫛文」が、
ワカ姫ヒルコさんからオクラ姫へと
伝授されました。
同時にオクラ姫がシタテル姫を襲名します。
奈良の大倉姫神社は「雲櫛社」としても
親しまれているそうです。
ここに第二代下照姫の誕生です。
初代ヒルコ下照姫。→ 第二代アユミテル下照姫。
他方、初代大物主オホナムチ・クシキネさんも
愛娘タカ姫タカコさんをヒルコさんに奉ります。
タカ姫タカコさん。
母は宗像三姫のタキリ姫タケコさん。
兄に初代事代主のクシヒコさん、義姉にミホツ姫。
弟に迦毛大御神タカヒコネさん、
夫にアメノワカヒコさん。
どえらい家系ですな。
以前、オホナムチ国が稲蝕虫の大量発生により、
甚大な被害を受けたおり、
試しにワカヒメの押草のまじないを教えてもらい、
実践してみたそう。
すると虫が去り効果抜群だったので、
何じゃこれは!魔法じゃ!
早速オホナムチさん、娘タカコをヒルコさんに
奉ります。どうか一人前にしてやってください。
このタカコさん、ワンペナがありました。
アメノワカヒコさんと結ばれ津軽へ新婚旅行。
数年経っても帰ってきません。
それどころか、民を治める立場も忘れ贅沢三昧、
夫のワカヒコは中央政府乗っ取りまで
計画していました。
これを聞いた高天(中央政府)の
七代タカミムスビ・タカキネさん。
改心のチャンスを与えましたが、
野望に燃えたワカヒコさん、
元に戻ることはありませんでした。
タカキネさんの返り矢により、
この世を去ることになったワカヒコさん。
夫の絶命により、
乗っ取り計画は終止符を打たれます。
ヒルコさん、そんなタカコさんを
改心が済んだのならいつでもいらっしゃい。
と懐深く受容れます。
タカコさん、ワカヒメに仕えて仕えます。
直向きだったでしょうか、そんなタカコを見て、
ヒルコさん、必殺の六弦琴を伝授します。
タカコさん、ヒルコさんから多くを学び、
吸収しました。
後継者となり、タカテル姫を襲名します。
ここに第二代高照姫の誕生です。
初代ヒルコ高照姫。→ 第二代タカコ高照姫。
つづく