釈尊は80歳の年齢で入滅(死亡)したと伝えられています。釈尊は入滅前にも数々の教えを残しています。
これまでの教えが遺言のような形で説かれています。そして、原始仏典では悪魔(マーラ)がまだ未熟だった弟子アーナンダに憑り付き、釈尊の延命を間接的に阻害したと説かれています。
「人々と神々のために命ある限り、この世に留まって欲しい」という旨を釈尊へ伝える機会をアーナンダは何度も潰してまったようです。それは、アーナンダの心に悪魔(マーラ)が憑りついていたためとされます。アーナンダが気付いて懇願した際には、既に寿命の素因を断ち切った後であり、間に合いませんでした。
この経典が書かれた頃には釈尊の神格化が進んでいたことが分かります。しかし、釈尊は自分が亡くなった後、まだ未熟だったアーナンダがこれからどうなるのかと心配していたのは事実と思われます。そこに悪魔(マーラ)が付け入ったのでしょう。
○釈尊の死期迫る
釈尊が何の招待食を食べたのか?については諸説あるようです。毒キノコとする説や火をよく通していなかった肉(仏教では信者の施しであれば肉食を禁じていない)とする説もあります。一口食したあたりで、釈尊はこの料理が毒であることに気付いたため、一緒に招待されていた他の弟子達は助かりました。
誤って毒入りの料理を托鉢食として提供してしまった鍛冶工の子チュンダが後から自責の念に潰されないよう、釈尊は上記のように言い残しました。
○自灯明・法灯明
頼りにすべきは「自ら=真の自己」と「仏法」ということです。
○釈尊の最期の言葉
釈尊の最期の言葉は『諸々の事象は過ぎ去る(移り変わる)ものである。怠ることなく、修行を完成しない。』であると言われています。