【注意後ネタバレ有】シン・エヴァンゲリオン劇場版 感想・考察
--------------ネタバレ無し【ここから】--------------
みなさんこんにちは。Hiruと申します。記事をご覧いただき、ありがとうございます。普段は澤野弘之さんの楽曲等を中心に和訳をしたり、好きな楽曲を紹介したりしているこちらのnoteなのですが、シン・エヴァンゲリオン劇場版を公開初日に観に行ってきましたので、観に行ってきた感想や考察などをまとめていきたいと思います。せっかく公開初日に観に行けたのですが、1回観ただけではしっかり噛み砕けない内容でしたので、少しずつ消化して考えをまとめております。一個人の感想・考察ですが参考になれば幸いです。それでは、どうぞ宜しくお願いします!
まず、youtube等にもアップされている『これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版』についてなんですがエヴァを全く知らない人の為のものではないですよね。
「これを見れば最新作に追いつける!」とか、「エヴァはこういう物語!」とかそういう為のものではないし、結局これだけを観ても分かんないので、やっぱ映画3作観るしか無いんですよね。まあ映画3作観ても全部が全部を理解できるとは限らないんですけど…。
ダイジェスト映像らしいので、内容をある程度知っている前提なんだろうなという気はすごくしています。
序:「エヴァに乗れ、でなければ帰れ!」
破:「エヴァであなたの願いを叶えなさい!行きなさい!シンジくん!」
Q :「エヴァにだけは乗らんでくださいよ!もう何もしないで。」
だいたいこんな感じです。
--------------ネタバレ無し【ここまで】--------------
--------------本編ネタバレ有り【ここから】--------------
さて、ここからは本編のネタバレ有りでまとめていこうと思うのですが、何せ1回しか鑑賞しておりませんので、後半の怒涛の展開はまだまだ理解できていません。なので、複数回に分けて感想・考察をまとめさせていただこうと思います。
【前半①】 ちゃんと:Qの続きから始まったことにまず驚く
おととしに行われた「0706作戦」で初公開されたシンエヴァのAVANT1、パリ市街地での戦闘シーンは、ニコイチ型に改造する改2号機、8号機のオーバーラッピング用のパーツを回収するためのNERVユーロ支部を解放するためのものでした。
「使徒封印用呪詛柱」を使ったアンチLシステムで、人間=リリン=Lilinが降り立つことが可能になりました。濃い「L結界」にいすぎてしまうと、自分のATフィールドが保てずにLCLに還元されてしまうんだろうなと推察されるのですが、Qの最後にアスカが「ここじゃL結界密度が濃すぎて…」と言っていたので、もうあの3人は「人間ではない」んだろうなと思っていました。なら何?使徒?ほんとに?という疑念は残ったままだったんですが、結果としてアスカは「使徒」、シンジは「リリンもどき」(使徒もどき?)ということになりました。「:破」の時にアスカは第9使徒に侵食されて使徒になり、シンジはエントリープラグの深度マイナス値まで侵入し、リツコが言ったとおり「人に戻れなく」なってしまっていたんだなというところです。
「オーバーラッピング」する8号機と聞いて、少しずつ機体が大きくなっていってフルアーマー・ユニコーンガンダムみたいになるのかと期待していましたが、まさか取り込む為のものだとは思いませんでした。最後にはエヴァ8+9+10+…号機と紹介されていましたが、もうその頃には何が何だか分からなかったので、そういうものだと受け取ることにしましょう。夏に公開される『シン・ウルトラマン』に合わせ、ウルトラマンでもこうしたオーバーラッピングが以前使われているみたいですね。詳細は詳しい人の記事をご覧になって下さい。
そして、シンジ・アスカ・レイ(仮称・以下「黒波」)の3人組は、L結界密度が良い感じに薄いところまで移動し、リリンに迎えに来てもらっていました。そこで、まさかまさかのケンスケ、トウジ、委員長が再登場!劇場で観ててリアルに「え!?」と声が出てしまいました。隣にいた方すみませんでした!それよりも、14年とか飛んだりすることなく、:Qの続きの物語から始まってくれたことに何よりも安堵しました。もう何が起きても驚かないつもりでいましたが、逆を突かれたような気分でした。
【前半②】「第三村」という新たな生活基盤、でもどこか不安にさせられる
「第三村」到着後、アスカはケンスケ(以下、適宜「ケンケン」)の家で同棲、黒波とシンジはトウジの家にお世話になることになります。「第三村」とはニアサードインパクト、通称ニアサーを生き延びた人たちで作った新たな集落であり、「KREDIT」(クレーディト)というヴィレのグループ組織が物資等で支援しているという情報が明らかとなりました。ミサトさんが俺たちのことを考えてくれているといったようなセリフが聞こえた時には、もう泣きそうになりました。
「第三村」は非常に昭和っぽい街並みで、何というか:破で「飯は男が作るもんやない!」と言っていたトウジの人柄も反映されたような昭和感を感じました。おなじみの第三新東京市は、高層ビルがあれだけ立ち並ぶ近未来的な街並みでしたが、「第三村」は平屋建ての家屋が密集する街並みで非常に対照的に映りました。シンエヴァでの路線切り替えシーンは、序か破であったモノレールの路線切り替えシーンとの対比。トウジの家で委員長が引き戸を開けるシーンのカットは、序や破でのミサトの家の自動ドアのオマージュ。などなど探せばまだまだ出てくるとは思うのですが、過去の名シーン続出!=最終回!という感じがして良かったです。
ケンケンやトウジに連れられて「第三村」を歩いたシーンでは、フワフワと得体のしれない力で浮いているバスや電柱、車などが映る度に、昭和っぽい街並みに映っている近未来的・理解不能な光景が、黒波の農業シーン、昼寝シーンのような、「ぽかぽかシーン」と大きく対照的に映り、いつこのぽかぽかシーンが終わってしまうのかと逆にハラハラしながら観させられてしまいました。ていうか、あの浮いている仕組みや原因について何か説明ありましたっけ?聞き逃しただけかな…?
【前半③】人間らしくなる人じゃない黒波、人でも人間らしくなれないシンジとの対比
「第三村」でのシーンで最も特徴的な対比は、ぽかぽかシーンの連続や、村の人達との会話を通じて「かわいい」などの色々な感情を得て人間らしくなっていく黒波と、目の前で大切な友達が首チョンパされてしまったことによるPTSDから、誰とも目を合わせず、会話をせず、一人でトラウマや悲しみを抱え、後悔に苛まれているシンジ。この2人ですよね。
NERV施設にいた時の黒波の日常は、LCLの中にいたり、部屋とも言えない部屋にいたりしながら、司令からの命令を待つという代わり映えのない暮らしでした。代わり映えの無い暮らしという意味では、第三村に来てからも一緒です。毎日の農業、風呂、昼寝、食事など、エヴァの世界では失われてしまったと思われていたセカンドインパクト以前に当たり前だった暮らしは、代わり映えこそしませんが、黒波にとっては新たな発見の毎日だったと思います。第三村のおばさま達と一緒に風呂に入るシーンが何度も何度もありましたが、交わす会話は全て違い、見た目こそ代わり映えしていませんが、大切な日々です。
一方シンジは上述したとおりの日々を送っていましたが、これはただ単にシンジが一方的に心のシャッターを閉じているだけで、周りの人達は、シンジに対して愛情ある気遣いを止めませんでした。最も特徴的な愛情は、レーションを無理矢理押し込みながらシンジに不満・文句を浴びせるアスカですね。死にたいって言うくせに1人じゃ死ねない、かと言って生きようともしていなくてウザい。というアスカらしい心情に加えて、シンジに好意を向けるようにプログラムされているという事実も今回明らかになり、複雑な気持ちにはなりましたが、アスカの一通りの行動は、本心(?)からくる気遣いだったのではないかと信じています。
そして、黒波がレーションを置くだけ置いていき、生きるためにレーションを泣きながら食べるシンジは、アイデンティティが確立していない、アスカ曰くの「そんなメンタル」を持つただの14歳なんだなあと感じました。レーションを置かれてから食べるまでの間の静寂で、また泣いてしまいました。
【前半④】黒波との別れ、ミサトさんの真意、14年の間にあったことなど
ニアサー前の第三新東京市立第壱中学校の制服を着させてもらったりして、「第三村」の人達と交流を深めた黒波でしたが、NERVからの供給を受けることが出来ずに気を失うなど、場面の切り替わりを予感させる展開となってきました。
シンジから一歩ずつ離れながら感謝や思い出を伝える黒波の最期のシーンでは、こうなることは分かっていても辛いものがありました。黒かったプラグスーツが少しずつ白くなり、黒波から以前の綾波レイの姿に戻ったのを見て綾波だ!と嬉しくなるのと同時に、ここまで約30~40分黒波の愛らしさ、黒波のアイデンティティを見てきてしまっているので、それが失われてしまう悲しみもあったんですが、それらを咀嚼する間もなく「パンッ!」とLCLに還元されてしまい、すーっと涙が出てきました。何回泣かされるんでしょうか。後からゲンドウ君と冬月副司令が「作戦通り…」と話していたので、結局シンエヴァを見ている私達もゲンドウ君に踊らされているのです。
次に、パリ市街地戦で出てきた「使徒封印用呪詛柱」が第三村の至る所に突き刺さっていることが紹介されます。奥の方にはその実験場があり、ケンケンが「紹介したいやつがいる」ということで向かってみると、そこには加持リョウジ(息子・14歳)がいました。何とミサトさんと加持さんとの間に、息子が産まれていました。ミサトさんの希望で両親については伏せられ、母親らしいことは何も出来ないからと、ミサトさんは息子一生会わないことを決意しています。
「:Q」でシンジくんにあれほど冷たかったのは、ニアサーを自分が引き起こしてしまった責任を感じて…ということでした。正直、それでもあんな態度取らなくても…と思ってしまいます。ただ、「:Q」のあのシーンでは、他のヴィレクルーもいる手前、ああいう態度を取らざるを得なかったんですかね…?ミサトさんが、シンジくんの保護者・リョウジくんの親として出来る母親らしいこと=守ることが詰まっているのだと感じました。
ヴンダー搭乗時には、バイザーで目線を隠してリツコとは目を合わせず会話をしていたミサトさんですが、シンジくんに「何もしないで」と告げた際にはバイザーを取り、シンジくんの目を見て話していました。
「しっかり目を見て言いたかった」=「100%の本音」と考えると、シンジくんを守りたいという気持ちは、ミサトさんのれっきとした本音であると思いました。
「:Q」での黒波ヴンダー襲撃時に、バイザーが半分割れた状態でシンジくんと向き合った際には、以下の2つで、ミサトさんの感情も半分半分になっていたのではないかと推察します。
1.ヴンダー艦長として、シンジくんを連れて行かせるわけにはいかない。場合によってはDSSチョーカーを使って、フォース・インパクトの発動を食い止めないといけない。
2.シンジくんの保護者として、シンジくんを連れて行かせるわけにはいかない。ニアサーであれだけ辛い思いをさせてしまったのだから、シンジくんは私が絶対に守る。
サンバイザーの下のヴンダー艦長としての感情と、割れた方から覗く眼でシンジくんを見つめる保護者としての感情の2つで揺れ動き、ミサトさんはあの時DSSチョーカーの起動ボタンを押せなかったんじゃないかなと思います。
また、シンジくんもシンジくんで、この状況を100%理解できておらず、ミサトさんの真意も理解できるはずもありませんでしたが、ミサトさんの事を「分からず屋!」と突き放してしまいました。これはいけません。
また、:Qのセントラルドグマ最深部での戦闘シーンでは、アスカの話や忠告をろくに聞かず、アスカにも「分からず屋!」と突き放してしまっています。これもいけません。ガキシンジと言われても仕方ない状況でした。
破→Qまでの14年で
・ニアサーで第三新東京市ぶっ壊れる(黒き月露出)
・幽閉されるネルフ関係者(破の予告)
・マリ、加持、カヲルなどが集まりネルフの目を盗みつつヴィレ創設
・ドグマへと投下されるMark.6
・加持、1番艦(ヴンダー)強奪
・なんやかんやサードインパクト発動 → 加持さん止める
・サードインパクトで赤い大地に(大地コア化)
(セカンドインパクト時で、まずは海をコア化とシンエヴァ内で報告) etc...
など色々とありました。多分もっとあります。もっとありますので、他の方の考察動画・記事などをご参考にされて頂けると幸いです。
話が飛び飛びになってしまいましたが、今回はここまでのまとめとさせて頂きます。また2回目、3回目ぐらいまで鑑賞してから感想・考察を発信させて頂ければと思っています。
またお会いしましょう!次回もどうぞよろしくお願い致します!