共通点のない2人
僕がかまってちゃんになったのは、家庭環境にあるのかもしれない。自営業の両親は夜遅くまで帰って来なかった。おまけに一人っ子。祖父母は遠くに住んでいた。泣きそうなくらい辛かった。実際に何度も泣いた。今のように、発信し相手からコメントをもらえるSNSなんてなく、一方通行のテレビを見て寂しさをまぎらわせていた。ツイッターを1日に何度も更新するのはさみしがり屋でもあるからと思う。彼女でもできれば一緒にいてくれるけど現実はいない。だから知らない誰かとでもいいから繋がっていたい。
俺は、一人の時間がないと発狂しそうになる。狭いアパートで家族5人で暮らしていた。父親と兄は物静かな人だったけれど、母親と妹はおしゃべりだった。夜中以外は常に母親か妹の声がした。インドア派なのは(色白の肌を焼きたくないという理由もある日けれど)、人が苦手だから。周りに人がたくさんいると落ちつかない。自分から誰かに連絡はほとんどしないし、着信の一つでもあると身構える。誰も俺を食べたりしないってわかっているのに。丸1日、1人きりでいられる自信がある。いや、4日はいける。
何の共通点もないそんな2人がどうして13年も一緒にいられるんだろう。共通点のあるほうが惹かれやすいっていうけど、共通点がないからこそお互いが持ってないことを補うべく惹かれあうのかもしれないね。
なあんて。かっこつけちゃった。僕はあははと笑った。彼はあははと笑い返した。