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短 歌 随 想 ⒁『 よみ人しらず 』



  春  ご  と  に  花  の  さ  か  り  は  あ  り  な  め  ど 

                  あ  ひ  見  む  こ  と  は 

                                               い  の  ち  な  り  け  り    
      

                                                    よ み 人 し ら ず
   
  

  
 標歌は『古今和歌集』のよみ人しらずの歌であり、「君が代」の歌詞もまた同歌集のよみ人しらずの一首である。
 その仮名序には「やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける……生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける……」と記される。
 「これは文学の発生の根拠を巧みに言い表したものである。みずから歌を読むから、他人の歌を理解することができる」とは、大江健三郎の言である。
 著名な歌人の歌もいいが、市井の名も知れぬ人たちの歌も、文学を形作っている。臆することなく、歌をよみ続けたい。


下記の第7回宮古島文学賞第1席『水平線』は、沖縄戦を巡る数奇な運命を軸に宮古島で生きる女性の生と死を豊かな自然と風土の中で見つめた作品です。ご一読くださればと思います。

https://miyakobunka.com/wp/wp-content/uploads/2024/02/suiheisen.pdf

長崎原爆の日、将来を誓って別れた15歳の良平と静子の数奇な運命を伊東静雄の詩を織り交ぜて綴った小説です。ご一読いただければと思います。


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