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測って過ごして考える。感動するホテルデザインの秘密。パリ編その1(LE BARN)
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旅に出ると古い街並みをみて感動することがあります。時間の試練に耐えて残った風景には作為性が消去され、必要なものだけがそこにある状態に人は感動しているのかもしれません。それと同じように不要なものを極力排除して本当に必要なものだけで作ったものには、簡素の美があります。
パリは紀元前にシテ島周辺の小さな集落からその都市の起源は始まり、徐々に大きくなってナポレオン3世統治下のセーヌ県知事オスマンによって大改造が図られ現在のパリの都市構造が出来上がりました。中心部の古い建物はハっとするような趣がありますが、飽和状態のパリは郊外にスプロールし、ルーヴル美術館、コンコルド広場、凱旋門の延長線上のラデファンスエリアには新凱旋門(グランダルシュ)のような高層建築可能なビジネス、ショッピングエリアも作られています。
さらに今から15年ほど前のサルコジ大統領時代にグラン・パリというパリ首都圏の交通も含めた大都市圏構想が持ち上がりました。都市がどんどん大きくなり広がっていく時にどのような計画があるのか、世界中の建築家を巻き込んで提案、議論がされています。フランスは自分達の歴史や文化を含んだ国家としてのブランドエクイティを理解しており、長い時間をかけて賛成反対もオープンにして市民で議論することがすごいところだと思います。計画が差し戻されたり中止もよくあるのですが、私がパリにいたころはパリのレ・アール(ポンピドゥセンターにも近いです)というショッピングセンターの周辺開発のコンペがあり、
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