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変化の予兆を察知する現場(エッジ)への権限移譲が、イノベーションを推進する力になる
サプライチェーンが混乱に陥る頻度が増え、その規模も拡大し続けている。同じような混乱が二度と起きないよう、どのような犠牲を払ってでも、あらゆる欠陥や過ちをなくしたいというビジネスリーダーの本能的な反応は理解できる。
しかし、完璧なレジリエンスを備えたサプライチェーンの実現は、不可能であることが明らかになってきている。むしろ現実主義的になり、適応性を持つことのほうが、はるかに効果的であると証明されている。
戦後の焼け野原からの高度経済成長は、今振り返ればある意味でわかりやすかった。消費者がモノを持っていないところから始まったため、そこにないモノを提供することが売上に繋がった。人々にモノが行き渡るまでマーケットが成長し続けた。
そして、モノが全ての人に行き渡り、人口減に転じた日本ではマーケットの成長が止まり、縮小傾向へと転じた。また、モノが溢れた社会において、人々は「体験」に価値を感じ、お金を払うようになった。
それと同時に、予測不可能で不可逆的な大きく急激な変化が起こった。アフターデジタル、コロナ、戦争…。誰にも未来は予測できない時代へと突入したのだ。
当然その世界においては、過去の延長線上の計画通りに進むはずもなく。計画にしがみつけばしがみつくほど、現状維持を志向すればするほど、社会の変化のムーブメントからは置き去りになる。そしてイノベーションを起こした新興勢力にディスラプトされていく。
レジリエンスがバズワードになったが、完璧なレジリエンスを備えることはそもそも不可能だ。変化のベクトルが常時複数の方向に進むのだから、そもそもどこに「回復」すれば良いかも、どの方向に「弾性」すればよいかも誰にもわからない。
もちろん変化を先んじて自ら起こすことも重要だ。だから新規事業を通じてイノベーションに挑まなければならないし、そうしなければ未来の新たな扉を開くことはできない。
それと同時に既存事業が変化に対して即応的に適応することも重要だ。はるかに重要だと言っても過言ではないかもしれない。
いずれにしてもその両方に対して対応するには「変化の予兆」を捉える必要がある。そして変化の予兆は常に現場(=エッジ)にて感知するもの。だから、エッジに権限移譲して、変化に即座に対処する体制を作らなければならない。それなしでは時代の畝りに飲み込まれてしまう。
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