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行動を加速させる第一歩は「無知の知」から
✔︎ 新しい挑戦の第一歩は、「わからないこと」を明確にすることだ
✔︎ 自分が何を知らないかを認識し、それを言語化することで行動が生まれる
✔︎ 曖昧さを排除し、具体的な行動につなげよう
わからないことを認識することの重要性
新しい仕事や挑戦に直面すると、多くの人がまず「どうやったら成功できるか」を考える。しかし、成功の鍵を握るのはその逆だ。「自分が何をわかっていないのか」を把握すること、つまり「無知の知」が行動を起こすための第一歩である。
新規事業やイノベーションの現場では、未知の状況に飛び込むことが常だ。そのときに、「わからないこと」を放置すると、行動にブレーキがかかる。なぜなら、自分がどの方向に進むべきかさえも見えなくなるからだ。
たとえば、スタートアップの立ち上げ時には「市場のニーズがわからない」「競合との差別化がわからない」といった疑問が次々に湧いてくる。こうした疑問を抱えたまま行動しても、結果が曖昧になりやすい。だからこそ、「わからないこと」を具体的に言語化し、解決の糸口を見つけることが重要なのだ。
「わからない」を言語化することで行動が生まれる
「わからないこと」をただ漠然と抱えているだけでは、行動にはつながらない。行動に移すためには、その「わからない」を言語化し、具体化する必要がある。
①質問を作る
たとえば、「新規事業の顧客ターゲットがわからない」と思ったとき、そのままでは行動の指針にはならない。そこで、「ターゲット層の年齢や職業、ニーズは何か?」といった具体的な質問に変える。質問が明確になることで、次の行動が見えてくる。
②優先順位をつける
わからないことは一度に解決できない場合が多い。そこで、「今最も重要な問いは何か?」を判断し、優先順位をつける。これによって、必要なリソースや時間を効率的に配分できる。
③情報収集と検証を繰り返す
わからないことが明確になれば、あとは情報収集や実験を通じて答えを見つけるプロセスを実行するだけだ。この繰り返しが、行動を生み出し、結果を引き寄せる。
「わからない」を認識する人は強い
「わからないことをわかる」ことは、一種のメタ認知である。自分自身を客観的に見つめ、現状を把握する力があれば、成長のスピードが加速する。逆に、自分が何を知らないのかに気づけない人は、行動の精度が低くなりがちだ。
自分の知らないことを認める姿勢が、新しい発見や学びを生む。わからないことに気づける人は、それを出発点として行動し、成長し続けられるのだ。
無駄な時間を減らすための「わからない」の共有
ビジネスの現場では、他人に相談することも重要だ。しかし、自分が「何をわからないのか」を明確にせずに相談すると、相手の時間を無駄にしてしまう。たとえば、「このプロジェクト、どうすればいいですか?」という漠然とした質問は、相手に負担をかけるだけだ。
一方で、「プロジェクトの進め方がわからない」ではなく、「プロジェクトのスケジュール設計におけるリソース配分がわからない」と言語化できれば、具体的なアドバイスを得られる可能性が高くなる。わからないことを具体化し、共有する力が、他者からの協力を最大化する。
「わからない」を認め、行動を始めよう
「わからないこと」は悪いことではない。むしろ、それを認め、解決するために行動を始めることが、成功へのプロセスだ。誰もが最初は「わからない」状態からスタートするが、それをどう扱うかが成果を分ける。
「わからない」を言語化し、質問を明確にする。そして、その質問に一つ一つ答えを出していく。このプロセスを繰り返すことで、あなたの挑戦はより具体的で、成果に直結するものになる。
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