【台湾のジャズライブ】黃偉駿クインテット
2023年8月に、Rhythmscapeで黃偉駿クインテットの演奏がありました。黃偉駿が自らのバンドを組んで演奏するのは久しぶりのことなのと、このバンドメンバーが素晴らしいので、一も二もなく聴きに行ってきました。
想像に違わず、最初から最後まで、とても刺激的で美しい音楽を演奏してくれました。
黃偉駿
黃偉駿は、台湾のジャズストリングスカルテット"玩弦四度"を率いる、台湾のジャズバイオリンの第一人者です。彼が曾增譯と組むデュオは何度も聞いたことがありますが、この日のクインテットは全く新しい組み合わせのバンドでした。
この日は、低音の出るバイオリンを準備したと言っていましたね。(ビオラとはどう違うのでしょう?)スピーカーから出る音は、若干ディストーションのかかった様な、少しゴリゴリしたワイルドな感じがしていました。
黃偉駿のFBページ
莊彥宇
莊彥宇は、台湾でクラシックを、フランスでジャズを学んだビブラフォン奏者です。そう言えば、台湾の多くのビブラフォン奏者はアメリカに留学していて、ヨーロッパに行っているのは彼女くらいしか知らないですね。それもフランスなので、特別です。
普段は、彼女がリーダーのトリオやクインテットで演奏していることが多いですが、この日は黃偉駿とのダブルフロントでした。
莊彥宇のFBページ
林亮宇
林亮宇は、若手の台湾ジャズミュージシャンの中では、最も高いレベルの演奏テクニックと音楽性、そして作曲力を持ったピアニストだと思っています。
彼の演奏は、彼がリーダーのカルテットで初めて聞いたのですが、オリジナル曲がとても素晴らしかった。ジャズピアニストとしてだけではなく、音楽家として大成するのではないかと考えています。
この日は、ピアノの弦を直接ピッキングして演奏するという技法を使っていました。チェンバロの様な印象でしたね。5曲目の「無咎」という作品を聴いてみてください。
林亮宇のFBホームページ
謝宗翰
謝宗翰は、黃偉駿と同じくブリュッセル皇家音楽院でジャズを学んだベーシストです。莊彥宇のトリオ、クインテットでも、林亮宇のカルテットでも共演しています。彼らの信頼の厚いベーシストなんですね。
この日はウッドベースは使わず、写真のエレキベースと直立式のエレキベースを使って演奏していました。バイオリンがスピーカーの音をフィーチャーしていたので、それに合わせたのでしょうか。
謝宗翰のFBページ
林偉中
林偉中も、台湾のジャズミュージシャンの信頼厚いドラマーです。ソロになって、華やかなフィルインを入れてもピタッとタイミングを合わせてくるタイム感が心地よいです。
黃偉駿、莊彥宇、謝宗翰がヨーロッパに留学しているのに比して、林偉中だけがアメリカ留学組です。ですので、留学時の人間関係を超えて、音楽性で選ばれたメンバーなのだと思います。
林偉中のFBページ
Rhythmscape 享象
Rhythmscapeは、インドネシアのジャズドラマーAndrewさんと彼の奥さんが経営する、音楽とダンスのスタジオです。ですのでレッスンスクールの様なイメージのライブハウスです。
オーナーが自らドラマーなので、音楽演奏の場所に特化していて、飲み物は最低限、食事もありません。しかし、演奏する側にとってはここにくるお客さんは、音楽を楽しみに来るので、とても評判の良いスペースです。
Andrewさんの企画によるライブシリーズが、とても面白いです。ベースをフィーチャーしたライブや、国別の音楽シリーズとかありました。Lady’s Jamsessionなどというのもやっています。
Rhythmscape のFBのホームページ