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学生時代のヨーロッパ旅行(その十三、ドイツ)

ドイツの旅の後半は南ドイツでした。
僕はユーレイルパスで列車を使って移動していたので、このドイツの列車の時間の厳格さには感心しました。日本と同じ様に時刻表通りに列車を運行させる国がヨーロッパにもあります。

ミュンヘン

ミュンヘンに来たのが、ちょうどオクトーバーフェストをやっている時期だったのが、とても印象的でした。確か、この時期に近いと聞いていたので、せっかくだからこのビール祭りを見てみようと、スケジュールを調整したのだと思います。
僕の行った会場は、ミュンヘンオリンピックスタジアム公園でした。テントを張って、仮設の巨大なビアガーデンができていました。そこに山の様な人だかりで、皆々方が思い思いのビールを飲んでいました。僕はイギリスで黒ビールが好きになったのですが、ドイツではほとんどがラガー系で、日本とよく似たビールでした。

しかし、皆がグループで来ているお客さんばかりだったので、一人ではその輪の中に入る感じではなく、2時間ほど様子を見て退散しました。

オクトーバーフェスト

アウクスブルク

アウクスブルクは、中世の城壁に囲まれている小さな街です。最近話題になった"進撃の巨人"に出てくる、城壁に囲まれた閉じた世界を体現できる様なところでした。
この様な中世の姿そのままを残している街は、これまで見たことがなかったので、とても興味深かったです。スケールの小ささが特に印象的でした。昔のドイツ人は、都市はこの様な閉じられたものと認識していたんですね。日本はこの様な城壁に囲まれた都市を持っていなかったので、その様な都市のあり方を実感できました。

城壁に囲まれたアウクスブルク
アウクスブルクの街並み


ノイスヴァンシュタイン城

この、ノイスヴァンシュタイン城を建設したルードヴィヒ二世の事は、人物伝を読んで知っていました。バイエルン王国の財政の中から巨額の費用をかけてこの美しい城を作ったと。

この城は、街から離れた山の麓に建っていました。その佇まいは、これまでイギリスで見てきた城とは大きく異なり、とても美しかった。カーライル城が戦うための砦、スコットランド城が政治のための館という印象なのに対して、この城はただただ美しいフォルムを追求したという印象を持ちました。そのプロポーション、丘の上に立つ佇まい、いずれも実用性よりも、美的感覚を中心にして計画してしたのではないか。それほどまでに、芸術としての建築のあり方を追求している。誠に稀有な建築だと思いました。

バイエルンという国は、ルードヴィヒ二世がこの様な城を作ったがために、財政的に困難な状況に陥り、滅亡に至ったのだそうです。しかし、その様にして作られたノイスヴァンシュタイン城は、世界に誇る建築遺産として、世界中から観光客を集める観光資源となっている。ルードヴィヒ二世は政治的にはとても問題の多い、亡国の王であった様ですが。この様に素晴らしい建物を後世に残した。その点は評価に値するのでしょう。

ここでは、優れた美しい建築の一つの極致を見た様に思いました。

ノイスヴァンシュタイン城

ルードヴィヒ二世


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