【台湾のハイキングコース】跑馬古道
2020年8月、宜蘭に友人を訪ね建築を見学して、彼のところに泊まったその翌日、宜蘭に来たもう一つの目的地、跑馬古道に向かいました。台北郊外のハイキングコースはだいぶ歩き回りましたが、その頃は他の県ではまだ歩いたことがなかったので、旅行の雑誌に紹介されていたこのコースを歩いてみようと行ってみました。
朝ごはんを食べてから、友人に礁溪の温泉街の山側にある跑馬古道の入口に連れてきてもらいました。
跑馬古道というのは、元々台北と宜蘭を結ぶ街道だったそうです。清朝による統治時代、海側の道路は早くから開発されていましたが、宜蘭までの距離が長い。それで山道を使い、距離的には大幅に短縮されるこのルートが開発されたそうです。それは日本統治時代にも用いられ、大砲などの軍事資材を軍馬を用いて移動しており、そのような歴史があるために、このルートが跑馬古道と呼ばれているそうです。
そのような性質の山道なので、歩いてみると非常になだらかでした。登山コースでは全くなく、平坦で幅の広い道が整っていました。
しかし山道ではあるので、標高はだんだんと上がっていきます。そして、登るにつれて蘭陽平原がだんだんと眼下に広がっていきます。山に囲まれた三角形の土地と、海に浮かぶ龜山島の景観がとても素晴らしかったです。
5キロのハイキングコースは宜蘭県と新北市の境にある石碑という場所でいったん終わりになります。ここでおいしいと教えてもらったソーセージを食べてから帰途につきました。ここまで来たら元の道をUターンするか、国道9号線を降りるかしかありません。せっかくなので、この幹線道路沿いに歩いて降りることにしました。
この国道ルートは、地図で見ると日光のイロハ坂並みにヘアピンカーブが続いています。それだけ急な山道なんですね。このルートでも蘭陽平原のパノラマが眼下に広がり、素晴らしい風景を楽しむことができました。その景観を売りにしているカフェもあり、そこで休憩したりして、結局礁溪の温泉街まで歩いて降りました。
跑馬古道は往時の街道の風情を楽しむという趣旨のハイキングルートのようです。ほとんどの人は僕のように山を登る方向ではなく、降りる方向で歩いていました。降りきったら礁溪の街まですぐです。逆に宜蘭と新北の境まで来てしまうと、帰る交通手段はヒッチハイクくらいしかなさそうです。あるいはUターンして同じ道を歩いて帰るかですね。歩く際にはきちんと考えた方がよさそうです。