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【台湾の面白い建物】屏東縣民公園

あまり情報がない中で連れて行ってもらった公園ですが、なかなか興味深い場所でした。元々は日本統治時代の砂糖工場で、その後サトウキビの繊維を使った紙も製造。しかし、そのために公害の元凶となってしまい、操業を停止に追い込まれたそうです。そのために、ここにある川は殺蛇渓というありがたくない名前をつけられてしまったとのこと。
こういった過去の経緯を踏まえて、現在は産業遺跡を背景に、環境保護を訴える公園に生まれ変わっています。

その様な興味深い歴史的背景を持つ産業遺産で、既存の工場を使ってリノベーションして、公園とするというのは、日本では公共の工事としてはないのではないでしょうか。歴史的価値を有する、富岡製糸工場の様な例はありますが、これは世界遺産に登録されている観光資源なので話が異なります。

この様な計画案が、県の案件として採用される過程にも興味がありますね。日本では、この様な工場跡は一も二もなく解体撤去されてしまうと思います。そして新たな更地として、異なった建築計画がなされるでしょう。

建築デザインとしての特徴は、写真に沿って説明します。

写真

かまぼこ型の工場は、そのまま残されていて、
内部は使われていません。
ランドスケープには、大胆に水を使っています。
公園として歩くことに対して工夫がされており、
とても変化に富んでいます。
ところどころ、新しい建物が加えられています。
工場等の入口の処理。入れるわけではありません。
右の建物は、元の倉庫棟でしょうか。
工場跡地なので、通路もとても広いですね。
用途のよく分からない建築的オブジェもあります。
芝生として整備された緑地もあります。
アートらしきオブジェ。
公園としての佇まいは、この様な感じです。
適度に建築化されていて、心地よい。
この場所は、元の用途はよく分かりませんが、
コンクリートの構造物がそのまま残されて、
建築的なデザイン処理が施されています。
壁面を使って、この場所の歴史を説明しています。
倉庫棟の並び。今のところ使われていません。
この感じは、排水処理の受水槽だった
のではないかと考えています。

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