【台湾のジャズライブ】方斯由
今回は残念ながら台湾でのライブ映像はないのですが、日本の方にも知っておいてもらいたいミュージシャンを紹介します。名前は方斯由と言います。今はオランダをベースに作曲家/演奏家として活躍しています。
方斯由:S’yo Fang
方斯由は、最初僕の作っているFBのグループ台湾ジャズ指南に、オランダからアクセスしてきました。台湾の友人経由でこのグループの事を知ったようでした。彼もオランダで台湾とオランダの文化交流の架け橋になるような活動をしていて、僕のこのグループに興味を持ってくれたようです。
2020年1月、彼が台湾に帰国して演奏をするというので聴きに行きました。僕の行ったそれは、Marsalis Barでのピアノソロ演奏でした。このライブハウスでは普段カルテットの演奏が多く、ピアノソロでの演奏を聴いたのは、これが初めてでした。それだけMarsalisの音楽ディレクターに信頼されているという事なのでしょう。
この日の演奏は、カフェバーでのBGM音楽のようなものを目指したと言っていましたね。派手なパフォーマンスはありませんが、一つ一つの音が研ぎ澄まされたという雰囲気の、静かな中に緊張感のある演奏でした。バーは喧騒に包まれていましたが、何人かの彼のファンがこの演奏に聞き惚れていました。
その時に彼と挨拶して友達になりました。表紙の写真はその時のものです。
次に聞いた演奏は、2020年8月に國家音樂廳で行われた、弦楽カルテットを加えたオクテットでした。この時は彼の作曲家としての実力を存分に示した演奏でしたね。弦によるハーモニーをきれいに組み込んだジャズというのはこんなにゴージャズに響くものかと感心しました。ビッグバンドによるブラスの音とはまた違った音の表現になっていました。
2021年の7月に、台湾のジャズスクール絲竹空で、この方斯由によるピアノアレンジのレクチャーがあるとアナウンスがありました。彼はオランダにいるままでしたので、オンラインによる授業です。これは面白そうだと参加してみることにしました。
この授業は、ピアノのハーモニーをどのように音を選択して組み立てていくかを実践的に教えるものでした。ルートと3度/7度を組み立てた中にさらにどのように内声部を加えていくか、その部分の動きをどのように考えるかということを、課題曲を生徒に提出させながら教えていました。
前に聞いた弦楽によるハーモニーの作り方などもこの様な古典音楽の素養から生み出されたものなのだろうなと感じましたね。リズムによる躍動感よりもハーモニー重視のスタイルなのでしょう。
コロナのために、この2年間、方斯由は台湾に戻っていません。そろそろ台湾での外国人ミュージシャンの演奏も行われるようになってきているので、彼の帰国も期待できます。早くもう一度彼のピアノを聴きたいですね。
方斯由の台湾でのライブ活動は残念ながらネットには上がっていません。しかし、彼のYouTubeチャンネルには本拠地のオランダで作成された本格的な作品がアップロードされていますので、それを紹介します。
《Lonely Country 》《孤獨國》
CinemAsia 10th Edition Opening Concer
Juanita-Kizuna
PANT Public-《I Prefer 》
Nefertiti
因みに、方斯由のCDは日本でも購入できました。興味のある方は探してみて下さい。