【台湾のジャズライブ】Suga Dairo “a new little one” feat. Minyen Hsieh
2022年10月、ようやく台湾と日本の間の観光が解禁になり、台湾にやってくる日本のジャズミュージシャンも現れ始めました。ちょうどこのタイミングで台中のジャズフェスティバルが行われ、ここにスガダイロ―トリオが招待されました。
僕はこの時の台中での演奏は見れませんでしたが、その後このグループは台北のSapphoで二晩に渡るライブを行いました。僕はその一日目に参加しました。
この日のSapphoは前代未聞の聴衆に溢れ、僕は一番後ろのスツール席にようやく場所を確保して聴くことができました。
この日の謝明諺は、スガダイローを招いたホストとしてライブのMCをしながら、もう楽しくてたまらないといった様子でした。台湾ではフリージャズの様なアグレッシブな演奏をする奏者はあまりいないので、謝明諺もその様なジャンルの演奏をすることはあまりないのですが、この日の彼は水を得た魚の様でした。彼に負けないほどのフリーな演奏をするスガダイロートリオに混じって、何一つ遠慮することのない自由な演奏を繰り広げたといった様子でした。
このコラボレーションはかつて日本で実現し、2年前に台湾で行われるはずだったものが、コロナのために延期になったのだそうです。この2年という時間も彼らの演奏のモチベーションを高めたのかもしれません。ミュージシャン達のエネルギーが爆発した様な演奏でした。
謝明諺 Minyen Hsieh
ベルギーでジャズを学んだ、台湾のジャズサックスプレイヤーの第一人者です。様々な特徴のあるコンボバンドを率いたり,参加したりして台湾のジャズ界を牽引しています。
スガダイロー Suga Dairo
日本における名声と演奏の様子は知っていましたが、生で演奏を聴いたのは初めてでした。実際に演奏を聴いてみて、余りにパワフルな演奏に驚きました。フリーな部分も、スタンダードをアレンジした不思議なサウンドも、とても面白い演奏でした。台湾で聴くヨーロピアンなメロディアスなジャズとも、アメリカナイズされたモダンなジャズとも違う、とても土着的なエネルギーとパワーを感じました。日本のスタイルのジャズの一つの到達点なのかなと思って聴いていました。
細井徳太郎 Hosoi Tokutaro
とても若いギタリストでしたが、その表現力は素晴らしかった。繊細でリリカルな演奏も、力強い演奏もどちらもはまっていました。
何か、ジャズの演奏をするというよりも、楽器を使ってじゃれあっている。そんな雰囲気を感じました。
秋元 修 Shu Akimoto
フロントの3人の演奏をリズムで支えていたのが、この秋元さんです。3人が3人ともとても個性的な演奏をするのを、掌の上で自由に踊らせているお釈迦様といった印象でした。どの様な変化球が投げられてもキッチリ捕球するキャッチャーとも言えるかもしれません。その様な安定感があるから、フロントが自由な演奏を繰り出せるのでしょうね。
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