【台湾のジャズライブ】Michael Wang Quartet feat. Rit Xu
2024年6月、前回紹介したMichael Wangのカルテットの演奏がありました。このカルテットは既に2年ほども継続的に演奏しているアンサンブルで、2023年新作アルバム"My Influence"を発表しています。そして、この作品は台湾の2024年度金曲獎のノミネートを受けています。このカルテットは、台湾でも屈指の実力派だと思っています。
今回のライブでは、オリジナルメンバーのドラム黃子瑜が多忙のため、Gabriel Hahnが新しいメンバーとして加わっていました。また、特別ゲストとしてシンガポールの著名なフルート奏者Rit XuもSit Inしました。
Michael Wang
Michael Wangがリーダーを務めるジャズアンサンブルは、主なもので3つあります。Standard Collective、McChocoFishと、このMichael Wang Quartetです。Standard Collectiveはジャズスタンダードを演奏、McChocoFishはバイオリンとのコラボレーションでオリジナル曲を演奏しています。Michael Wang Quintetは、彼のオリジナル曲を主に演奏するカルテットです。
このカルテットは、彼のオリジナル曲を台湾の最強のメンバーと演奏する、彼の最も力を入れているバンドでしょう。この日の演奏は、シンガポールのスペシャルゲストを得て、更にアグレッシブにパワフルに演奏していたように思います。
Michael WangのFBホームページ
許郁瑛
許郁瑛は、いま台湾で最も人気のあると言っても過言ではない、実力派ジャズピアニストです。彼女の力量はピアノ演奏だけではなく、多様なアンサンブルの編曲、新しいスタイルの音楽に対する挑戦するチャレンジャー精神など、まるで台湾の良いところをそのまま体現しているようなピアニストです。
このカルテットでは、許郁瑛はMichael Wangのオリジナル曲をサポートする役割に徹しています。とは言え、アルバム制作の初期から加わっているので、彼女の作曲のアイデアも、ふんだんに盛り込まれているのでしょう。とてもバラエティーに富んだ、華麗なピアノを聞かせてくれています。
許郁瑛のFBホームページ
劉育嘉
劉育嘉は海外留学をせずに台湾でジャズの研鑽を積み、今では台湾のトップベーシストとして皆から認められている、実力派ミュージシャンです。Michael Wangも、その様に考えて彼をカルテットのメンバーに加えているのでしょう。
劉育嘉のベースは、力強いドライブ感が持ち味です。Michaelのオリジナル曲が、叙情的というよりも、どちらかと言うと激しい、ダイナミックな曲が多いので、彼のベースの演奏がとても相応しいように思います。
劉育嘉のFBホームページ
Gabriel Hann
Gabriel Hahnのことはあまり詳しく知らないのですが、雅痞書店に詳しい説明があったので、それを訳出します。とても面白い経歴を持っていますね。
「Gabriel Hahnは、とても多才で多様な音楽スタイルに対応できる音楽家です。演奏する音楽の分野は、キリスト教の宗教音楽、クラシック音楽、ジャズ、ポップス、民族音楽、実験的現代音楽にまでまたがっています。ミュンヘン音楽院のジャズドラム学科を卒業、ドレスデン音楽院では作曲/編曲修士号を持っています。彼は伝説的なヴォーカルジャズグループ The New York Voicesで、ドラムとボディパーカッション担当として加わり、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを10年以上ツアーしました。また、Howard Carpendale、Max Mutzke、Roger Cicero、台湾の五月天などのサイドヴォーカルも務めています。現在、世界中で「Musical-Body-Method」を教えています。2020年から科華財団が主催するアカベラ青年キャンプの芸術監督を務め、2023年からVocal Asia Festivalの芸術監督を務めています。」
彼のリーダーライブを一度聴いたことがありますが、多彩なドラムワークにヴォイスパーカッション、歌も歌うという多才ぶりに驚きました。
このアンサンブルでは、黃子瑜に代わり、目下タイトにドラム部分を対応しているという感じですが、彼の持ち味が加わると更に面白いことになるのではと期待しています。
Gabriel HahnのFBホームページ
Rit Xu
このライブにはフルーティストの歐珈妏が来ていて、今日はシンガポールのすごいフルート奏者がゲスト出演すると教えてくれました。それが、このRit Xuです。シンガポールでは、ポップミュージック、クラシックからジャズまでオールマイティーにどんな演奏でもこなす、フルート界の第一人者なのだそうです。
この日の演奏は、2nd setでMichael Wangとのダブルフロントになり、とても華やかな演奏を聴かせてくれました。カメラの位置の関係で彼の姿がよく見えないのが残念です。
Rit XuのFBホームページ
Sappho
Sapphoのことは、すでに何度も紹介していますが、台湾のジャズの聖地の一つだと考えています。週に4回のジャムセッション、3回のライブを行っており、コロナが開けた今、毎日のようにたくさんのリスナーで溢れています。
僕もライブを聴きに、ジャムで遊びに月に何回も訪れています。
Modern Perspectives
Aria (Sullivan Fortner)
Divine Justice
Up Time
You, In The Past (YuYing)
Longing
Courage to Fight
Lullaby
I Thought It Was You (Herbie Hancock)
Encore: Without A Song
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