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【福建の旅】福建土楼
厦門から山の中に入ったところに、世界遺産になっている建物群があります。"福建土楼"と言い、今から100年ほども前に建てられた、福建と広州の省境の山の中にある、客家人の集落とそこにある共同住宅群です。
厦門でツアーに参加する
この福建土楼のことは、台湾にいる時分からその存在は知っていました。客家の人たちが、よその土地から追われ新しい根拠地に移ってきた際、地元に元から住んでいた民族からの攻撃を避けるために建物の周囲を城壁のように立ち上げ、その中に多くの家族が共同で住む住宅を建てたというものです。
この建物を作った客家の人々は、台湾での有力な漢民族の一派で、台湾の政治・経済・文化に大きな影響力を持っています。また、台湾のみならず、シンガポールや中国大陸でも存在感を示しおり、注目すべき一群の人々と考えています。
厦門からこの福建土楼に行くには、流石にローカルバスを乗り継ぐのは無理と考え、地元の旅行代理店にツアーの打診をして、それに参加することにしました。
観光バスでの4時間の移動
一緒に参加したツアーメンバーは、ほとんどが中国の人たちでした。中国各地から来た観光客の様子でしたね。
厦門は港街ですが、この福建土楼があるのは、ずっと山の中にまで入ったところです。大型のバスに乗り込み、延々と4時間も揺られて土楼のある村まで向かいました。途中、漢方薬のお店に寄ったり、昼ごはんを食べたりしてからようやく到着しました。
まるで、テーマパークのような
僕は20年ほど前に、法政大学の研究室の現地調査に加わって、浙江省温州市の山の中に入り、一週間ほど明朝時代から残る農村の建物の実測調査をしたことがあります。その時の印象は、実に400年前の木造の建物がボロボロになりながら、かろうじて残っている。それは中国の残すべき古跡と評価されつつも、観光客は余りいないとても素朴な村でした。
しかし,今回辿り着いた村は、その時の様子とはまったく異なっていました。主観的なイメージとしては、まるでハウステンボスの様な観光のためのテーマパークです。建物そのものは確かに歴史的な由来を持った本物なのですが、この施設を観光資源として、村を上げてテーマパークにしたといった風情でした。
アプローチにはお土産屋さんが林立し,客引きをしています。建物に入ると、ガイドのお姉さんは売子になって、お土産の販売を始めます。長老と思われるお爺さんは客と写真に収まるべく挨拶をして回っています。この建物の所有者である一族が、総出でこの観光資源を生かして商売に励んでいる。そんな様子がまざまざと感じられて、少し興醒めしてしまいました。
どの様に建てられたのだろう?
しかし、建物はとても興味深かったです。何しろ一層あたり100室もあり、4階建てにもなる建物です。今から100年も前に、建築家も専門の施工業者もいない中で、この人たちの祖先はこれだけの規模の建物をシステマティックにどのように作ったのだろうと、とても不思議な想いに駆られました。
丸い形状を綺麗に作るのには、よほど施工に注意を払わないとできません。どの部分をとっても一様に同じディテールで作られています。同じ木工屋さんが丁寧に全部を作ったのでしょうか。どの様な生産システムになっていたのだろうと、回答のない疑問で頭の中がいっぱいになりました。
村へのアプローチ
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建物の中へ
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四角い土楼もあります
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