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ライターを志すきっかけは”レジェンド”に出会ったから
あの人がいたから
誰しも物事が上手く進むようになったり、ポジティッブな結果が出るになったりしたとき、それは自分の努力だけで得られたものではないでしょう。影響を受けた方や、きっかけをくれた方、自分を引き上げてくれた方など、「あの人がいたから・・・」と、誰か印象的な顔がいくつか浮かぶと思います。
まだまだ私も書き手としては道半ばですが、いまバスケのライターと名乗れるようになったことを振り返ると、そんな方が何人かいます。現在、Bリーグ1部の横浜ビー・コルセアーズ(以下ビーコル)で名誉広報を務める「あんどうたかお」さんはその一人です。私がbjリーグというプロバスケリーグの戦評を2010年ごろから担当して、書き手として第一歩(最初はライターになるつもりなかったけど)を踏み出したとき、ビーコルで「広報」だったあんどうさんと出会いました。
あんたかさんとは?
愛称は「あんたかさん」。1946年生まれ、バスケキャリアは50年以上という業界の生き字引です。日本バスケットボール界に”レジェンド”と称される選手や関係者が数多くいらっしゃいますが、そんな一人とも言えます。冒頭の「広報」という側面以外にも「編集者」として、1960年代に『Basketball Illustrated』という月刊のバスケ専門誌を編集長として創刊。いまでこそバスケ界で誰もが知る『月刊バスケットボール』が出版されるよりも前、日本初の専門メディアとして、国内はもちろん、NBAやNCAAといった海外バスケ情報、さらにはバスケをファッションという切り口で語ることまで。NBAの伝説・レイカーズのスーパースターだったカリーム・アブドゥル・ジャバーや、マイケル・ジョーダンの母校、ノースカロライナ大の名将・ディーン・スミスにも取材されたパイオニアです。
ー『Basketball Illustrated』の表紙ー
(写真提供:あんどうたかお さん/リンクは外部サイト)
また「デザイナー」として、サカイ(現フープスターサカイ)で活躍されました。当時、日本リーグに参戦する実業団や学生カテゴリーのチームウェアを手掛け、「あんたかベイビー」というキャラクターがデザインされたのプラクティスシャツなどは、ヒットを連発したとか。丸首で、ポリエステル素材などを採用したことも画期的だったとのこと。50代、60代以上のバスケファンには青春ど真ん中だったようで、今でいうNIKEやasicsのような”バスケと言えば”という第一線のブランドに携わっていました。
助言とスタッツと時々飲み
マルチキャリアで実績を残されてきたあんたかさん。初めて会ったときから、キャリアゼロの私にも懇切丁寧にバスケの見方や表現の仕方、歴史などを様々に教えていただきました。”知っていて当たり前”といったスタンスは皆無で、「もっとこうしたほうが良いよ」、「ここに注目して欲しい」など、独学だった私にとってアドバイスがあったことは本当に貴重だった。掲載されたビーコルの戦評を見て、後日メールで「あの展開ならココもポイント」だとか、「これが攻防のキーになっていた」と言ったようなことを、わざわざメールをいただいたことも。チーム広報が無名ライターによくここまで対応いただいたものだと思い出します。有難い。
またビーコルへ取材に行くと、あんたかさんが制作したビーコルと対戦相手のスタッツ比較表(直近4試合対比)がすべてのメディアに配られます。どこに着目すべきか、初見の方も玄人にとっても取材をする側としては、とても参考になる内容です。このレベルは他のBリーグクラブでお目にかかったことはまだありません。手間のかかるワークでしょうが、ホームゲームで毎節用意されており、bjリーグ時代から続く名物資料に、バスケ愛、ビーコル愛を感じます。
横浜国際プールに到着や否や充実のスタッツチャート📊を頂きました!by名誉広報あんたかさん🧐大変ありがたいです! pic.twitter.com/4N8CsTcY9p
— Chris Sasaki (@chrisnewtokyo) December 28, 2019
ーBリーグ公認アナリスト・佐々木クリスさんもTwitterでー
さらに、反省会と題して、しばしば飲み会を開きます(笑)。当日メディアルームにいる人が中心ですが、顔が広く、それ以外の方がやってくることも。それまで顔は知ってるけど会話をしたことがない方々と、お酒をきっかけに話すようになったこともありました。それまで「飲みニケーション」って死後だと思っていましたが、そんなことなかったいw なかなか聞くことのない昔話などを含めて、濃い時間でした。
自分の熱量が伝わると相手も動く
人との出会いは偶然なことが多く、その後の方向性や考え方が変わるきっかけも含みます。私の場合、bjリーグの戦評担当になった動機は、バスケの試合を近くで見たいだけ。お金を払って取り組んだインターン業務で、シーズン中に5~6回以上やって元は取ろうという意識でした。書く以上はきっちりやりましたが、ライターになろうと意気込むほどではなかったです。
ただ不思議なもので、「バスケってこんなに面白いよ」とあんたかさんの取り組む姿勢を見たり、一緒に飲んで出会う方々と話すことが、バスケを伝えることへの興味や志しを持つきっかけになりました。では、なぜそう思えるようになったかと言えば、もともと自分自身がバスケ好きという下地があったものの、相手からバスケに対しての「高い熱量」があったからこそ、気持ちの変化があったのだと思います。
自分の熱量が伝わると相手が動く―― 物事を伝える局面で大事な考えですが、いま、noteをまとめながら、書き手としても少しずつコレが出来て、積み重ねてきたから、ライターとして名乗る自信がついてきたのだと思っています。ただ客観的に見れば、まだまだ精進しなければいけないところ。熱く表現できる対象を極めて、経験とスキルをより積むことをあと40年ぐらいやっていく所存です。長い道のりだ(笑)
■プロフィール あんどうたかおさん
日本大学出身。伝説の月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品専門メーカー「サカイ」のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡するなど、多くの国内ブランドが影響を受けるなど、ユニフォームデザイナーとしてのパイオニア的な存在となった。
またNBAは「バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から執筆。TV解説はNHK BS以前にもテレビ東京(12チャンネル)で1985年から担当するほどの、日本におけるNBA「最古」のジャーナリストと言われている。現在はバスケットボール専門の自分のブランド[305]を立ち上げている。Bリーグ横浜ビー・コルセアーズ・チームの「名誉広報」。(プロフィールはご本人のブログを参照、加筆)
追記「あんたかブログ」
2009年ごろからバスケに関する記事を数多く書かれています。いまBリーグで活躍するヘッドコーチや選手、関係者や往年の名選手のことなど。過去を知る上では面白いので、お時間ある方はどうぞ~
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![ライター・オオハシ ヒロユキ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27046039/profile_f3d11483854b6e7716773dd3cc1df8ff.jpg?width=600&crop=1:1,smart)