エントロピー極大な日常
どうにも、俺の思考回路はブッ飛んでいるらしい。
困ったものだ。
会議。
反論を許さない人が、うちの部署は多い。
俺は反論を許さない人には反論しない。
時間のムダだからだ。
よって脳の半分くらいを会議に使って、残り半分は「よしなしこと」を考えている。
蛇口をひねったら、デブった外人の子供が顔を出して「Please give me a candy bar.」とか言ったらどうしよう。
蛇口に表面張力でぶら下がってて、今にも落ちそうだ。
ちょっと不安げにぷるぷる震える様は、愛嬌がないと言えないこともない。
生意気そうなソバカス顔で「無いの?」って顔をしてるよ!
うわー。
そんな、期待に満ちた目で見られても困るよ。
俺。
「お腹が空い」てもスニッカーズなんて食わないもんよ。
いやさ。
そもそも、なんでアメリカのお菓子って、あんなにマズイんだろう?
ジェリービーンズなんて、アレ食いもんじゃないぜ!?
むしろ、いやがらせ。
あれはきっと、アメリカが開発した「肥満児育成食物兵器」かなんかだよ、きっと。
えと。
肥満児が増えると、どういった部分が困るだろう…。
肥満児、増える。
暑苦しい。
イライラする。
蛇口から顔を出す。
それ違う。
元に戻ってる。
「…ぉぃ」
?
「おい、キタナカ君。大丈夫か? ボーッとしてたけど」
あ、見積書はココに。概ねそのキャンペーンには賛成ですが、一部の店舗には不利なキャンペーンですね。
「そうだな。でもしようがないよなぁ」
ふぅい。
ふと思う。
長引く会議の中で、みんな「アメリカの肥満児と蛇口」について考えてたらどうしよう!?
なんてね。
そんな午後。
大丈夫。
ちゃんと最低限の仕事はしてる。
――「電波系」ですか?
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