「フォーク並び」という文化
「フォーク並び」って知ってます?
俺は。
その言葉を誰から聞いたか、そもそも全国区なのかすら知らないですけど。
説明すると。
二つ以上の受け口のある行列で、失敗しないための並び方なんですよ。
「宝くじ」とかの、縁起を担ぐ系は別としてね。
つまり。
「図A」のように並ぶか、「図B」のように並ぶか?なんですよ。
図A:
図B
大昔に。
ふさがってる公衆電話二台の間で、どっちが空くか分からないから真ん中で待ってました。
そうしたら。
後ろから小学生女子が「あの。貴方はどっちに並んでるんですか?」と聞いてきました。
「あぁ、そういう考え方もあるんだ」と思った。
少なくとも少女は礼儀正しかったし、「俺が間違えてるのかも?」的な疑念もあったので、片方に並んだ。
スーパーとかでも、床に「並び方表示」をするようになった。
多分。
短気な客が(自分の列の進行が遅くて)キレたりした結果なんだろうね。
俺だって、並んでるのに「すっ」と横入りされたらムカつく。
ビビリーだから何も言わないだろうけど。
で、今日。
俺が百円ショップの最前列で待っていたときのこと。
※レジは2つしかない
酔っ払ったオッサンが、俺を無視して空きそうなレジに並んだ。
店員さんが、「あの、お待ちのお客さんもいらっしゃいますので、並んでください」と。
キレたオッサン。
「じゃあ。なんで空いてる(空きそうな)レジに、一番前の奴(俺)は来ないんだ!」と。
(オッサンの意見に心の一部では)「もっともだ」と思いながらも。
「みんな並んどるのに、お前だけ先会計かいや!」と、キレてみせた。
後ろに他の客も並んでいたし、元々フォーク並びの人でもあるんで本音でもあるんだけどね。
オッサンは渋々引き下がった。
が、ふと思う。
駅で切符を買うときには「フォーク並び」は成立しない。
※前の人が駅員を呼び出して遅くなるのはザラな話だし、文句も言わない
先述の宝くじだって、「ゲンを担ぐ」的な意味で、列を変えたりはしないだろう。
「フォーク並び」は文化なのだろうか?
私が生まれ育った横浜では、当たり前のことだったように思うのだが、極めて狭い文化なんじゃないだろうか?
「エスカレーターで、急がない人は右を空けるか左を空けるか?」的な。
――謎は深まるばかり。