浮気の代償

さーて。
休みだし、旧日記の更新でもするか!と思ってしまい自己嫌悪。
他にすることないんか?
ない!(漢泣きに暮れながら)

で、管理者画面にログイン。
初めて見るメッセージ。

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Error

cannot to connect the db.
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えっと。
これってどゆこと?
「データベースに接続できない?」
俺のタイプミスなら「パスワードが違います」だよな?
サーバーメンテナンスなら、そもそも日記すら表示されないだろうし。
プチパニック。
他には日記を更新されていらっしゃる方が居るという事は…。
俺の日記を読んだPTAの副会長(三角メガネ)かなんかが
「こんな日記は、子供達に悪影響が出るザ~マス!」
とかなんとか言いながら通報したとか?
規定情報量を超えてしまい、もう書き込めないとか?
どないなってんねや~!

でも、真相はきっとこう。

「キタナカさん!」
え! 君は誰?
「私は旧日記の妖精…」
えぇ! ウェブ日記に妖精なんているの?
「そりゃ猫も二〇年生きれば妖怪になって、八百万も神様がいる日本ですからね! 何の不思議もありませんよ?」

そうか…そんなもんか。
「そうです、その通りなんです。ウェブ日記は合計文字数が一定量を越えると魂が宿るんです」
なんだか、アナログなんだかデジタルなんだかサッパリだな。
「世の中の仕組みだから、深く考えないように」
そうするわ。

「気を取り直して!」
はいぃ?
「キタナカさん、長い間お世話になりました」
え! え?

「私は、ずっと貴方を見守ってきました。
貴方と共にあった3年半、楽しかったです。
私たちウェブ日記は、この世に生まれたときに夢見ます。
『自分のマスター(書き手)が三日坊主な人でありませんように』
『マスターが毒だけを垂れ流す人でありませんように』
とか、そういう願いです。
ある仲間は一日だけ書かれて、その後の書き込みもなくサーバーから姿を消し。
実体化したものの、句読点のない呪詛しか吐けなくなってしまった仲間もいます。
その点。
キタナカさんは、いつも楽しそうでした。
いつもバカバカしく人生を笑い飛ばしていました。
でも私、知ってます。
神経がピリピリしてる時もあったし、酒に溺れて危ない時期もありました。
酒量を減らして、意識がクリアになってきたキタナカさんを実感できた時は嬉しかったんですよ?ほんとに。
ちょっとエッチな日記ばっかりだった時期は、恥ずかしかったですけど…。
だってキタナカさん…、私が止めてもカタカナの『ニ』を漢字の『二』にしたりして巧みにスリ抜けちゃうんですもの…」

あの、話が見えないんだが…。「お世話になりました」って?
「日記は妖精化しても『自我』は持たないのが普通です」
そりゃあ日記に「自我」なんてないだろうなぁ。
「でも…私は持ってしまった……」
!?
「だから。辛いんです、新天地で日記を書くキタナカさんを見てるのが」
あ。
「私にはキタナカさんに旧日記を書かせる力は持ちません。出来ることといえば…」
まさか!

「そう。ご存知の通り、この旧日記はシステム上で一ヶ月以上の書き込みがないとサーバーから消え去ります」
そ…そんな。
「キタナカさんの書き込みを待ち焦がれながら消えるくらいなら、私は潔く自分で消えたいんです」
おい、待ってくれ! 俺はそんなつもりじゃ!
「いいんです、キタナカさんが悪いんじゃないんです。最初で最後の私のワガママ…許してはもらえませんか?」

うわぁぁ! すまなかった旧日記よ~!
あぁ…。
俺が自分の日記をそんなに苦しめてたなんて知らなかった…。

…。
……とかそういう感じなんじゃないかと。
いい話っぽくね?

――「パソ子」じゃないけど、似てるから良しとする。

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