ドンファンは、二度笑う

「せんせー、キタナカくんがウンチもらしてまーす」
うぅ…
「やーい、キタナカはうんこ。キタナカの弁当、オカズもうんこ~♪」
やめろよう!
「わー! キタナカが発狂した~。キタナカ菌のクセに~、えんがちょ~」
うわぁぁぁぁぁん…

……。
ハッ!(寝汗ビッショリ)
くそっ、またこの夢か…。
一体、いつになったら俺を解放してくれるんだ。
ふっ、これも俺が背負った十字架という奴なのか…。
どうも。
ニヒルでダンディな出だしにセニョリータ達も胸キュン!
キタナカです、こんにちは。

最近、自分に色気が足りないと思う。
匂い立つような艶やかさ。
健康美に満ち溢れた、しなやかにしてワガママなボディ。
クルクルとよく動く、つぶらな瞳。
「プチプチ」を雑巾搾りの要領で「プギブギギッ!」と一気に潰す大胆さ。
枝毛を見つけて、半狂乱で丸刈りにする繊細さ。
ニホンザルに襲われてリュックの弁当を奪われ、娘色の涙をはらはらと流す女々しさ。
その、すべてが足りない。
「半分は色っぽさで出来ていてハーバルエッセンス配合」の俺なのに…。

原因は多分、仕事のせい。
最初の頃こそ頬を赤らめて「ここんなエロい写真見せないでくださいぃ!」なんて声が裏返る勢いで言ってましたけどね。

三年も経ってしまうと…。
写真を選ぶときに。
「なんだよ! いい写真なのに『具』が出てるじゃねーか!」なんて怒ったりするようになる。
電話で校正戻しとかするときも。
「違いますって! 『ぐしょ濡れになったアソコ』を『グチョベチョになった秘芯』にして欲しいんですよ!」なんて平気で言えるようになる。
普通の方と話していると。
ツッコミが入るまで、「イケナイ話題」をしてると気付けなくなったりする。
そもそも。
仕事中に、淫語だらけの会話してますからね。
「会社以上にオフィシャル」な場所ってないじゃない!?
「だから、しょうがないと思いま~す」(学級会で、掃除サボったのを咎められた男子風に)
段々。
「モザイクって、かける必要あるの?」とか考えるようになりますから。
手間なんだよ! 大体、誰でも一個ずつ持ってんだろ? みたいなさ。

きっとね。
「羞じらい=色気」な訳よ。
人通りの多い道端に落ちてるエロ本を、その場で拾って中をシゲシゲと見ちゃダメなんです!
初心に帰らなければなりません。
キタナカは、やる時はやる男です!
やらない時は、何もしない男ですから!

そんな訳でさ。
うら若き女性の諸君。
「俺の部屋でシャワーを浴びて、出たところを俺と鉢合わせ」ってシチュエーションでお願いできないかな?
俺は大いに羞じらいますから!
両手で顔を覆いつつ、指の隙間から見てしまった自分に対して自己嫌悪に陥りますから。
落ち込みながらも、その晩にはセルフバーニンしてしまいますから。
次に貴女がうちに来る時までに、睡眠薬と縄と電気で動く民芸品チックなモノを買っときますから。(清々しいまでの下衆です)

ね?
お願いしますよ。
ふひひっひぃ。(イヤ~な手つきでにじり寄りながら)

――全然、羞じらってない。

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喜多仲ひろゆ
タメになるコトは書けていませんが、サポートいただけたら励みになります。よろしくお願い申し上げます。