涙々の転校生
「偶然が、いくつも重なり合って~あなたに出会って恋に落ちた~♪」
ふんふふ~ん♪
別に、いいことがあった訳でもないけど、料理を作るときには鼻歌交じりなキタナカです。
今日は、ちょっと「可愛い系のキャラ」で打ち出してます。
フリル付きのエプロンです。
ちょっとだけ、お尻でリズムを取ったりもします!
「ちょ、ちょっと。刃物使ってるんだからダメだったら…んっあぁんッ!」なんです。
いやいや。
エロい展開、いくない。
自分「萌えキャラの星」を掴むのが夢ッスから!
続き。
「聞こえそうな鼓動が恥ずかしいな。どうして? 私らしくもないわ~♪」
をいをい、こっ恥ずかしい歌詞だなぁ。
そもそも、どこまで歌えるんだよ俺?
「今日が終わって明日が過ぎても。いつも側にいて、ずっと素直に変わらぬ二人信じたい~♪」
のりピーかなぁ?
うーん。
違うような…。
「あなたと出会ったあの日から~どんな時にでも、すべてを感じられる気がする~♪」
を! 段々歌詞があやふやになってきてるぞ!!(サビでノリノリになりながら)
でも、な~んかヤな予感もするなぁ。
「あなたが側にいてくれるだけで。側にいるだけでforever you're my only feeling heart~♪」
あ。
ついにワンコーラス歌い切れた。
最後の英語部分には自信がないが…。
なんだろう。
どこで聞いたんだろう?
すげー不思議。
「世の中には不思議なことなど、なにもないのだよ。キタナカ君」
はっ!そのキメ台詞は!?
「ふふ」
いっこく堂さん!?
「『声が、遅れて、聞こえるよ』って違~う」
ノるねぇ。
「気を取り直して! キタナカ君、君はCDとかは聞くかね?」
昔は聞いてましたね。中学時代まで遡ればアイドルとかも聞いてましたけど、高校以降は日本のインディーズ系パンクばっかですね。最近は、とんと御無沙汰です。
「ふむ。それじゃあ、君は記憶力はいい方かな?」
いえ、全然。
「テレビ等のメディアは?」
決まった番組は見ないです、ついてるのを見る感じです。
「つまり、こういうことになる。情報ソースが分からない、ということは、君がそれを『歌として認識していなかった』ことを意味する」
まぁ、持ってるCDだったら忘れてる訳ないですよね。
「そして、覚えてしまうほどのリピートが行われたことを意味する。そう! 無意識下に刷り込まれるほどに!」
まぁそうですよね。あ! もしかしてアニメとか?
「それも早計な結論だね。君はどうして、そう結論を急くのか…」
じゃ、なんなんですか。
「もう答えは出てるじゃないか?」
分からないから聞いてるんじゃないですか!?
「いいかい? 君が『そうと気付かずにリピート視聴するメディア』は、なんだい?」
あ!
「分かったようだね。妖怪『ギャルゲー入道』に囚われていたんだ、君は」
あの…。まさか「花火大会に女の子を誘ってOKされたら押し倒していい」というのは?
「危ないところだった、末期症状だね。それは犯罪だよ」
まさか! 四月第一週の中央公園ってのも?
「ってーか君、マジで信じてんのか!」
――信じてて、悪いか! とか、そういうことが言いてえ。あと、歌詞は権利関係が怖いから、わざと少し弄った。