世の中愛が全てなら、ともかく俺はゼロなのさ

映画「アイデン&ティティ」鑑賞。
過去に、みうらじゅんの単行本を読んで泣いた覚えがある。
単行本は、どこかにいってしまった。
しかも。
俺が「パンクロッカーとして」大好きだった田口トモロヲ監督作品。
見るしかないでしょ?
ね?

バンドブーム
夏の時代
高円寺
俺たちはただ
ロックを愛して
それで飯が食いたいと思っただけ

気付くと
商業主義という名前のバケモノにのみこまれて
不安
渇望
渇きを癒すようにファンの女の子を抱きつづける日々
ロックの神様
そんな目で俺を見ないでくれ
俺だって本当はこんな音楽をやりたい訳じゃあないんだ

「私は音楽とかよくわからないけど、キミが作った曲が好きだな」
君は僕が作る曲が好きなの? それとも僕が好きなの?
「両方」

「キミはバカだね。誰もいなくなっても、私だけは味方なのに…」

「キミは『マザー』を求めているでしょ? でもね。マザーというのは君が思っているような安定型じゃないの。キミが憧れている破滅型に近いものなんだよ」

愛しかない
それが世界を動かしている
それなしでは何も出来ない
だから全ての愛を
与えてくれる人がいたら
心して受け取り
逃がしてはいけない

アイデンティティのない日本で
アイデンティティのない教育を受けて
アイデンティティのない悩みを抱え
アイデンティティ
アイデンティティ
誰もが持ってそうで持ってないティティ

貧しいながらも幸せに生きていたアイデン&ティティ
ある朝、誰かのタレコミで
引き裂かれたアイデン&ティティ
いつどこで手に入れたと問い詰められて
ロックを知ったときだとは言えなかった…

もうね。
ツボ入りまくり。
いい大人が涙ぐみながら鼻水ズピーズピー。
病気の猫みたいな状態。
そうか。
俺の中にいる「優しい女の原型」はティティだったのか…。

自分の言葉で作品を語りたいけど。
俺の言いたいことを、作品が全て語ってるので言葉が出てこない。

ねぇ?
君はアイデンティティを見つけたのかい?
ねぇ?
それが見つからないのは俺だけなのかい?

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喜多仲ひろゆ
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