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THE VOC@LOID M@STER 57(ボーマス57)参加報告

11/23 東京流通センターで開催された即売会イベント「THE VOC@LOID M@STER 57」(ボーマス57)のサークル参加報告です。


THE VOC@LOID M@STER(ボーマス)とは

2007年から続く、東京を拠点としたボカロ専門の同人即売会です。ボカロ系では最大の即売会と言っても過言ではありません。最近は開催の頻度も増え、また新参のボカロPやボカロサークルがまず最初にサークル参加するイベントとして、一定の認知を確保し続けています。

事前告知は以前に比べて低調です

[月初] ボーマス告知開始と投稿祭告知との調整

秋のボーマスは、年数回開催されるボーマスの中でも総まとめ感の強い回です。参加規模も一番大きく、今回は400弱のサークルが参加するイベントとなりました。

ボカロ系イベントでは、AVEXがオンラインで開催する「VVV ミュージックライブ」の1日目と被ってしまいましたが、あちらは夕方からであるのと対象層が若干違う気もしたので、影響についてはそれほどまで気にならない気がしました。

今年の僕は夏にアルバムリリース等を済ませているので、今回は特に新譜はありません。ただ、8月に出したv_flowerのアルバム「24時」が、まだほとんど数が出ていません。その辺りをどうしていくかが課題でした。

取り急ぎ、11月頭からボーマス参加の周知として、M3で使用したXFD動画付きツイートを置いた通知を固定ツイートに設定しておきました。

11月の告知戦術で一つ苦慮したのが、来月3月に僕が主催する「ボカロメタル投稿祭2025春」のプロモーションの一環として始めた「Reボカロメタル投稿祭」のツイートとの被りですね。

来年春の開催に向けて「𝕏上でのボカロメタルへの関心を維持する・広げる」目的で、平日夜に数曲ずつ過去2回のボカロメタル投稿祭参加曲の紹介ツイートを投稿しています。

「#Reボカロメタル投稿祭」のタグで、𝕏上で平日20時から過去開催分の参加曲の紹介をしている。数が多いため、参加曲の紹介は3月頭までかかる見込み

「Reボカロメタル投稿祭」ツイートは平日夜20時に3〜4ツイートずつ投稿するため、自分の告知が埋もれてしまわないように気を配る必要がありました。基本的には1時間後の、21時台に自分のお知らせを投稿するように調整しています。

理想的にはイベントアカウントと分けて運用するべきでしょうが、Twitterでの活動は必要最小限に抑えたい僕の意図もあり、複数アカウントの運用は避けています。

さて僕の告知に話を戻すと、インプレッション数を見るとそこまで露出できた印象はないですね。当日の様子でも言及するのですが、基本的に僕のサークル参加の周知という目的にはあまり寄与できていなかったかもしれません。

[イベント直前] 頒布物そのものの魅力を伝えるための告知

直前の1週間に入り、お品書きを𝕏とBluesky、YouTubeコミュニティへ公開しました。

今年最後の即売会であることを意識し、総決算として今年の成果を前面に据えたマテリアルにしています。

また直前3日には、最近の試みとして行っている動画による頒布物3点紹介も実施。他サービスへのリンクを貼ると表示頻度を下げられる、という春以降の𝕏の身勝手な仕様には空いた口が塞がらないのですが、その制約の中で魅力がきちんと伝わるように配慮しました。

ツイートそのものの成果を見ると、一番数字を稼いでいるのはGUMI & ついなちゃんのアルバム。こちらは、GUMIおよびついなちゃん両公式が何度もリツイートしてくれていることもあり、それなりに人目を集めている様子が伺えました(事実、今年売れ行きが一番いいのがこの作品です)。

一方でCi flowerおよびv_flowerのEPおよびアルバムは、露出も反応も低調です。世間のv_flower熱も冷めていますし、公式も熱心に二次創作クリエイターを支援しているわけではありません(Ci_flower公式は絵師に関しては積極的に推しているようですが、一方でボカロPを推す際は一定のレギュレーションを設けているようです。v_flower公式は息をしていません)。この切り口で頑張っていくなら、支援に期待しないのはもちろん、よほど僕がしっかりしていないとダメです。

入れ替わったボーマス参加層

会場は東京流通センター。M3の会場として有名な場所ですが、ボーマスの開催は数年ぶりかもしれません。他イベント併催とはいえ、会場に入って第一展示場2階全体を使用していたのには驚きました。

参加サークル数が通常の1.2〜1.3倍程度に対して、会場の広さは通常の1.5倍くらいでしょうか。通路もバックヤードも広く、清潔感を感じる会場は快適でした。人が詰め掛けても酸欠になる心配は不要ですw

開場は12時半。最近の即売会の中では一番遅い時間帯のスタートです。当日は東海道新幹線の遅延もあり、午後から来る人も増えるんじゃないかと予測されました。

今回の頒布物は3点だけですが、最近はある程度ボリューム感を持たせるために頒布物を山積みにするようにしています。「売れ残っているとすぐにバレるから、恥ずかしいなぁ」という気持ちもあるのですが、皆さんも僕の頒布物が売れないことはおそらくご存知だと思うので、気にしても仕方ないかなという想いも。。。

12時半の開場直後から人の入りは多かったのですが、会場が広いせいかそれほど鮨詰めな印象はありません。開場直後は壁際の有名サークル等に人が集中していたので、会場の中心点的な場所に位置する僕のブースの前は、割とガラ空きといった印象でした。

開場前に知り合いのサークル参加者数名が尋ねてきていましたが、開場後1時間 強くらいは、ブース内で読書に励んでいました。

1時半過ぎ頃に休憩して会場を周回するためにブースを一旦閉めようと準備していた辺りから、人通りが増えてきました。ただしばらく待ってもブースに買いに来る人は現れなかったため、一旦休憩に入って会場を回ってきました。

コロナ前に比べて会場の印象的には、ボカロPの連名による大所帯サークルが増えた印象があります。個人のネームバリューで勝負する時代ではなくなっているのかもしれませんね。また参加するボカロPの面々も、随分と入れ替わっている印象がありました。

休憩から帰ってきた後から、徐々に買いに来る方が増えてきました。とはいえ、従来僕の作品を買いに来ていた人たちが訪れることが、ここ最近極端に減っている気がします。今回買いに来た方も、「Twitterで見かけたから気になっていた」とか、「初見だがブースを見て気になったので、試聴してみようと思った」という新規の方がほとんどでした。

既存のフォロワーさんに僕の参加の告知が届いていないか、もしくはいい加減見放されてしまったかなぁ……という感はありますね。ボカロのコミュニティ自体から離れてしまった方も多いかもしれません。もしそうだとしたら、時の流れを否応なしに感じてしまいます。

時代に適応して新しい居場所を開拓していくよう常に心がけていかないと、いつか寂しい想いをすることになりそうです。

そこにストーリーはあるのか

彗星の如く登場した存在が一夜にして輝くスタートを切る時代から、共創の時代へと再び移り変わってきています。無論、相変わらず泥臭い努力アピールは見る者から距離を置かれますが、皆でささやかな支援を投げ合って推しと共に先に進んでいこうという流れが定着してきたように思えます。

分かりやすいビジョンとそこに向かって取り組んでる姿は、見る者の心を打ちます。「姿」というのが重要ですね。

僕自身は空回りの多い人間なので、「報われなさに、心を束縛されがちな自分へ叩きつける感情」をテーマに作品を作っていますが、時代の雰囲気を見るにつけ、僕自身にまだ(見ている人に感じ取ってもらうだけの)何かが足りないなぁと感じることが多くなりました。

「競争を嫌う若者たち」といった論調が語られることはあります。ですが、世間の10代〜20代のボカロPたちは、決してそんなことないんですね。僕の目で見える範囲では寧ろ積極的に上位の競争に身を晒し、その結果に喜んだり悔しがっている様子が伺えます。そうした目に映るストーリーが、見る者に彼らを輝かせているんだろうなと感じます。

裏を返せば、みるくかふぇって何をしてるんでしょうね(笑)。ゴールの設定のない努力は道楽と一緒です。「一人でやってなさい」と言われるのがオチです。そうした姿勢が導いたのが今の現状だということを、しっかり認識していこうと思います。

今後の活動

さて、話題は変わります。

即売会重視からサブスク配信重視の活動に切り替える宣言をしてから、2ヶ月が経ちました。

11月末にデジタルシングル第一弾として「Arrival 〜 解り合うということ feat. 花響琴」をリリースしました。

明日12/5は、6月に出したアルバム「初花 feat. GUMI & ついなちゃん」のサブスク配信が始まります。

年内にもう1タイトル・デジタルシングルの配信を予定しています。

一方で今後の即売会予定です。

来年1月に埼玉県川越市での「ついなちゃんドゥルル祭」と、2月の東京での「声音の宴 四次会」の参加を決めています。それ以降は白紙です。

海外の即売会は、(まだ開催情報は出ていませんが)もしも今年参加したVOCAWORLD(台北)が開催されるようであれば、参加したいと考えています。もう一つ、こちらも情報は出ていませんがVOCASTAR(ソウル)は、まだ何も考えていません。何か持って行けるものがあれば、参加したいところです。

活動で成していく先にあるビジョンは持っているのですが、まだまだ見せられるものをほとんど出せていません。コツコツ進めて、1年後には「少しはマシになりました」とご報告できるようにしておきますね!

執筆者プロフィール

メタル&ロック系ボカロ曲制作者。人の内なる成長や希望を、メタルやロックをベースとした音楽で表現することを目指しています。
2013年活動開始、みるくかふぇ名義で約80曲を発表している。


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