VOCALOID STREET 09参加報告
9/23 京都市勧業館みやこめっせで開催された即売会イベント「VOCALOID STREET 09」(ボカスト09)のサークル参加報告です。
VOCALOID STREETとは
VOCALOID STREET(通称:ボカスト)は、2019年から始まった名古屋・京都を基点にするボカロ専門同人即売会です。当地方を基点にするイベントVOCALOID PARADISEの後を引き継ぐ形で始まりました。今回は京都側の開催です。
京都のボカストはボカロ系の即売会としては比較的大きな規模のイベントです。今年は他ジャンル共催(東方Project系×3、合成音声系×2)合同イベント内の1イベントとして開かれました。
また、関西では合成音声系の総合即売会はボカスト以外にないため、関西〜西日本方面のボカロファンにアクセスできる唯一の機会となっています。
参加にあたり
v_flower新譜の国内初頒布を見据えて
8月にソウルで開催された「VOCASTAR」で頒布を開始したv_flowerの新譜「24時」の国内初頒布となるイベントです。今回はアルバムの告知を中心に進めることにしました。
9月中旬にお品書きを公開しました。今回は紲星あかりの「流星到来!」を除き、旧譜が存在しないという状態。並べ方に苦慮しましたが、最新の2枚・v_flowerアルバムとGUMI & ついなちゃんアルバムにスペースを大きく割いて作成しました。関西は年に一度しか行かないこともあり、僕を知らない来場者に向けてアルバムの簡単な紹介の書き込んでいます。
また週末に入り、各アルバムのXFD動画をTwitter/Xサイズまで縮めたものを載せた紹介ツイートを流しました。8月のVOCASTARの時は韓国語で書いて流したので、改めて日本語で紹介をし直した形ですね。「僕の作品を知らない人が、わざわざ時間を割いてまでYouTubeやニコニコ動画までXFD動画を観にいってくれることはないだろう」と考えた結果、昨年くらいから始めた試みです。
今回の頒布品は4作ありますので、4作ともXFDツイートを流しています。
また告知とは直接関係ないですが、遠征の準備の様子などをぼちぼちツイートしたりしました。ツイートの様子からボカストに参加すること自体の認知をしてもらおうといった地味な試みです(宣伝目的のツイートの数が多いと、ツイートを見る側からすれば押し付けられた気になって、避けられる原因になりますので)。
当日の様子と実績
会場の様子
サークル入場が始まる時間には、参加サークルの他に一般参加者も会場前にそれなりの数が並んでいるなど、人の集まり具合は悪くないように見えました。
会場は入口側が合成音声系、奥が東方系の配置となっています。僕のブースは東方イベントの「文々」エリアの対面に位置していました。
会場内の「ボカスト」エリアは入り口側に同人誌・グッズ系のサークルの島、奥に行くほどボカロPのサークルの島の並びで、通路挟んで横が「COMIC CeVIO」の島となっています。また、このエリアの隣に位置する窓側の壁に企業ブースやコスプレの撮影エリアなどが存在し、割とオープンな雰囲気を感じる会場レイアウトとなっていました。
設営はいつもとそれほど違いはありません。昨年の「Wish and Endings」が終売となり、代わりに「24時」が入ってきたのが最大の変更点ですね。以前はブースの前にA1サイズのポスターを吊るしていたのですが、最近は扱うキャラクターが増えたこともあり、今年6月以降はA3サイズの小さなポスターを並べています。
開場後の様子と実績
開場後は実にのんびりでした。なんというか人が僕のブースに来ないw
通行人が興味深そうにこちらを眺めていても実際は隣のブースの来訪者だったということも多く、サークルとしての興味の惹かなさ加減や知名度のなさを改めて思い知らされた感じです。ただ、これは長年やっていて何度も味わっていますし、現在でも結構味わっていることですね。
人が来ること自体が稀だったため、今回の実績は非常に小さなものでした。内訳を見てみると、売れたのはほぼGUMI & ついなちゃんの「初花」で、頒布を始めたばかりのv_flowerの新譜「24時」はさっぱりででした。他の2作品については実績は0でした。
なお、帰宅してからTwitter/Xの「戦利品」に関するツイートを色々調べて僕なりに分析してみたのですが、ボカスト一般参加者の購入物の多くは物販品。音楽に関しては身内の作品、もしくは初音ミク・重音テト等誰でも知っているキャラクターの歌唱作品でした。
こうした傾向から考えると、あまり積極的にブースを見て回るというよりは知っているキャラクターやサークルの頒布品を買っていく、という感じだったのかもしれません。
上で初音ミク、重音テトの名前を挙げたのは挙がっていた写真を見た印象もあるのですが、来場者の中に「何かないか探して回るほどの、熱心な合成音声好き」の割合が高い東京の即売会とは異なり、東京以外では「初音ミク以外で気になるのは、その時にたくさん目にする合成音声キャラクター1つくらい」な人が多いのだろうという認識です。今であれば重音テトということになります。v_flowerをよく見かけていた時代は2〜3年前に終わっていますしね。
今回はv_flowerの創作物・物販をしているサークルは2〜3つ程度だったので、なおさら僕の作品のターゲットになりそうな層が会場に居なかったと推測しています。GUMI & ついなちゃんアルバムが結果的に保険として働きましたが、ターゲット層が会場に居ないとなると流石にお手上げですね😩
時間がたっぷり余っていたこともあり、合成音声キャラクターの公式さん達とゆっくりお話しする時間を確保できたのが良かった点でしょうか。時間に任せて色々なお話を聞けたのは楽しかったし、「ユーザーさんの感想や要望を聞けるイベントという機会は大事にしたい」といってくれた公式さんもありました(これってSNSで文句を呟いているだけだと、公式には届かない・知ることはないから改善/実現することはないことを意味します)。
また、僕の作品目当てでブースに来られた方達からも温かい気持ちや声をかけていただき、大変に有意義な時間だったと感じています。
自分と相性の悪い即売会をどうするのか
京都のボカストは今まで何度か参加していますが、相性が悪いのは確かみたいです。
僕の研究不足や準備がまずい部分もありますが、僕の遠征先として適切でない可能性もあります。先に挙げた「知っているサークル」「知っている合成音声キャラクターを扱っているサークル」になれれば、まだ希望はあるかもしれません(後者は難しいですが、前者なら???)。来年の京都開催までにそれを達成できているのかどうかは、僕の今後の行動次第ですね。
また、頒布物として音楽だけしか扱っていないもの不利な点だというのは常々感じています。グッズの併売も今年に入ってから検討している(見積もりくらいは済ませている)のですが、協力者を募ったり準備なりで音楽制作を圧迫してしまう可能性もあるため踏み切れない状況ですね。ワンオペのサークルなので、これは将来に先送りだなぁと考えています。
また、「ボカスト京都」自体に対する準備が甘かったのは確実です。他サークルのボカストの告知が流れ始めたのは8月中旬頃からです。それを踏まえると直前1週間の告知で浸透すると思うのが虫が良すぎる・悠長過ぎるのでしょう。余談ですが、10月末開催のM3に関しては7月頃から告知を見かけるようになっています。
同人なので「赤字は出るものだ」という覚悟は必要ですが、活動を継続できないほど収支を圧迫されては本末転倒です。赤字額の大きなイベントは参加を諦めるか改善策を実行するかどちらかを選択する必要があります。今まで挙げたような改善策を試みた結果、相性の悪いイベントの成果がどうなるのかに自分自身でも注視していく必要がありますね。
この先の即売会予定
10/27 「M3 2024秋」東京流通センター(東京都大田区) N-05a
11/23 「THE VOC@LOID M@STER 57(ボーマス57)」 ブース番号未定
執筆者プロフィール
メタル&ロック系ボカロ曲制作者。人の内なる成長や希望を、メタルやロックをベースとした音楽で表現することを目指しています。
2013年活動開始、年10回前後の合成音声系即売会へ参加、12枚のアルバムをリリース。
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