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第4回 ついなちゃんドゥルル祭 & 声音の宴 4次会 参加報告

2025年1月19日 小江戸蔵里 川越市産業観光館で開催された即売会イベント「第4回 ついなちゃんドゥルル祭」、および2025年2月1日に大田区産業プラザPiOで開催された「声音の宴 4次会」 のサークル参加報告です。


ついなちゃんドゥルル祭とは

漫画家・イラストレーターの大辺璃紗季氏が原作の、和要素満載のファンタジー作品「鬼っ子ハンターついなちゃん」を題材にした二次創作のオンリーイベントです。ついなちゃんの公式本・グッズや二次創作作品、妖怪や神社仏閣、ご当地や合成音声ソフトのキャラクターなどを使った作品が一堂に介す即売会となります。

「小江戸」とも呼ばれる埼玉県川越市で、定期的に開かれている「川越キャラクターベース」の一イベントです。

声音の宴とは

合成音声キャラクターに関連する同人作品の即売会です。2022年からスタートし、今年で4回目を迎えます。

Synthesizer V、CeVIO、VOCALOID、UTAU、VOICEROID、VOICEPEAK、A.I.VOICE、VOICEVOX、NEUTRINO、その他合成音声ソフトウェア、もしくはその亜種キャラクターを題材とした創作物の頒布が参加資格に含まれています。

実際にはTalkキャラクター関連の二次創作品の多い即売会です。「初音ミクの存在感のない合成音声即売会」と言い換えてもそれほど不自然ではありません。

参加にあたり

シングルのリリース

何かしら新鮮味や旬のネタがないと目に留まらないのが最近の即売会です。それもあり、参加自体迷っていた部分がありました。昨年はGUMI & ついなちゃんによるアルバム「初花」、flowerによるアルバム「24時」をリリースしていますが、それから半年以上経過しています。

とはいえ、どちらもキャラクターが前面に出てくる即売会です。割り切って新譜をシングルで用意することにしました。ついなちゃんドゥルル祭にはバラードものの「雪の降る里にて」、声音の宴は壮大なメタル曲の「自立の大地」を用意しています。

シングル「雪の降る里にて」
シングル「自立の大地」

両者の曲そのものは別記事で紹介しようと思っています。今回のシングルのジャケットは、イラスト等含めて全て自作です。年末から色々並行して制作している中での準備だたっため、ジャケットイラストを外注している時間がありませんでした。

どちらのシングルも、以前の記事「即売会頒布用のCD制作について」で紹介している流れで制作を進めています。

グッズの準備

今回の声音の宴向けに、珍しくグッズを用意しました。音楽だけ買いに来る人も少ないだろうな、との予想からです。出入りしているDiscordサーバの人たちに意見を聞きながら、紙コースターを作ることにしました。

「v flowerが威嚇してくるんだが」という、気合いの抜けたしょうもないイラストをフィーチャ

このサイズ感だと、会場に持ち込むのにそれほど嵩張らないのもいいですね。

イラストは以前に「落書き」として書いたものを、「落書き」の粗い質感を失わないようにしながら手直しをしています。

告知活動

どちらも年明けくらいから制作状況を流したり頒布物となるシングルの作品紹介をしながら、告知を行なってきました。音楽なので、告知の際にマルチメディアコンテンツを多用しないと、魅力を知ってもらえないのが厳しいですね。

動画は何を伝えたいのかを整理して、𝕏やInstagram向けに個別に動画を用意して展開。その他シングルの宣伝も兼ねてnoteへCD制作の記事を載せたり、SNSへお品書きを投稿したりしています。

お品書きは、毎回即売会ごとにアイデアを変えています。「変えたから注目される」といったことはまるでないのですが、来場者に真摯に向き合って何を伝えたいのか考えるという姿勢は崩したくないのです。

「ついなちゃんドゥルル祭」向けのお品書き
「声音の宴」向けお品書き

当日の様子

ついなちゃんドゥルル祭: 身内向けの濃い雰囲気だった「同好の集い」

前回同様、小江戸蔵里の漆喰壁で囲まれた土蔵での即売会でした。

会場となる「小江戸蔵里」。江戸の風情を残す観光地です。

「ついなちゃんドゥルル祭」は、合成音声の即売会ではない点が一番の特色でしょうか。キャラクターとしてのついなちゃんが好きな人たちや、ついなちゃんの作品に出演している声優さんたちのサークル、「ご当地キャラ」や「文化系キャラ」としてついなちゃんを捉えている層(東北家界隈や寺社系キャラクター界隈)などが集まる不思議なイベントです。

前日の川越キャラクターベースから引き続きの開催となっており、参加層が合成音声イベントとは異なる点が刺激的なのかもしれません。

1月ということもあり、来場者数はぼちぼちだった印象です。というものの、どちらかというとコミュニティ(身内)の集まりに近いところがあるため、本来の意味での同人イベントに近い形でしたね。それにあの小さな蔵の部屋に、溢れんばかりに人が居ても困る気がします。

運営さんは(イベントの継続性を考えて)来場者数や各サークルの売り上げ状況をずいぶん気にされていた印象がありました。確かに持って行った頒布物が爆売れしたわけではなかったのですが、僕個人としては身内向けの即売会は本来そういうものだと捉えています。

みるくかふぇブース。ついなちゃんを前面に出した頒布物達です

「合成音声ではない」集まりだったこともあり、会場で見受けられた頒布物も旅行記や寺社にちなんだ研究系の冊子、キャラクターの2次創作小説や薄い本にアクキーやイラスト色紙などが中心。合成音声系ではあまり見かけないものとしては、概念グッズや立体物などもありました。

音楽系は、基本的にはついなちゃん世界の2次創作物が多いといった感じです。コミュニティ内では、ボイスドラマやキャラクターに連動しての企画なども最近あったため、そういった企画から生まれたCVの声優さんたちも巻き込んだ頒布物なども展開されていました。

また、アフターイベントでは運営による新しい形のイベントを模索する話し合いなどもあり、身内で集まるオンリーとしてはだいぶしっかりした濃い内容にはなっていたと思います。

上記ツイートは「なんだこりゃ?」って感じの写真構図ですが、スペース配信前に皆で仕込んだネタですので気にしないようw

声音の宴: 薄い本に負けた!

打って変わって、こちらは合成音声一般ファン向けの総合即売会。

入場開始前の大田区産業プラザPiOは例の如く一般入場の長蛇の列ができており、合成音声の総合イベントに対する熱の高さが伺えます。一方で、サークル入場もかなりの待機列となっていて、かなりの人数が参加しているのが分かりました。実際、開場後はしばらく入場規制が行われていたようです。

開場前に設営ボランティアを募って準備した会場は、想定されていた状況よりは良い感じでした(それでも設営は、ドタバタの連続で大変だったらしいです)。バックヤードも常識的なレベルで確保されていましたし通路も必要十分に広い。空調も特に問題なかったといえます。

来場者の様子ですが、基本的に「薄い本」と呼ばれる同人誌の購入が目立っていました。薄い本があっという間に完売していく一方で、グッズやCDはかなり相当苦戦したサークルさんが多かったようです。

1月にボカストやボーマスが開催されたのに続けての合成音声イベントであり、2月という時期感も財布の紐を固くさせている(必要最低限のものだけ買っていく)のが伺え、その「必要最低限」の需要が、ぱっと見で楽しさが伝わる薄い本に集中していたもの理解できます。

僕のブースはCDおよびコースターというラインナップでしたが結構苦戦し、大量に持ち帰ることになりました。この後の数ヶ月間、しばらく即売会の参加予定がないのに、「どうするんだコレ?」といった感じです。

ついなちゃんおよび、Ci_flower & 双葉湊音が前面に出た「声音の宴」のみるくかふぇブース

ただ、立ち寄っていただいた方達からいただいた言葉は、僕の普段の創作活動に興味を持っていただいているものも多く、とても励みにさせていただいたのも事実です。僕としては珍しく自作イラストを頒布物として出してきたことに、興味を持ってくれた方もいました。

参加目的を意識して参加する時代に

コロナ禍が開けて、同人イベントの開催は爆増しました。合成音声も例外ではありません。ただその分、一般参加の方のイベント参加回数が増えることにも繋がり、1回の即売会で買える分量に限りが出てくることは十分に予想できます。

サークル参加側も何の戦略なしで参加しても得るものが少ないのではないか、という気も最近ではしています。無論同人即売会は「稼ぎを得るための場ではない」ことが大前提なので赤字も普通にあり得る場ですが、活動継続の支障になるレベルで赤字が出るのも問題です。

事前にどういう層が参加する即売会で、自分はそこで何を得たいのか(売上か交流か、認知度の維持かなど)を明確にした上で参加することは必須になると考えています。そういう意味では、同人誌即売会は「満足するための敷居が上がってしまった」状況であるのかもしれません。

今後の予定

昨年同様に海外の合成音声イベントに参加申し込みをしていて、返事待ちの状態
です。

また、「声音の宴」が関東での会場確保が難しいため、イベント発祥の地である京都精華町での次回開催の告知をしています。そしてボカストも名古屋での会場確保が難しい(会場の改装か何かだったはず)ため、こちらも仙台に移転しての開催が告知されています。開催地が開催地なので、参加するかどうかを検討している段階です。あとはオンリー系の交流目的のイベントをいくつかピックアップしている段階です。

昨年後半に打ち出した方針に従い、音楽サブスクサービスへのタイトル供給を最優先に活動しています。そのため、昨年よりも同人イベントへの参加回数は減りますが、もし即売会会場でみるくかふぇブースを見かけたら立ち寄っていただけたら嬉しいです。

執筆者プロフィール

メタル&ロック系ボカロ曲制作者。人の内なる成長や希望を、メタルやロックをベースとした音楽で表現することを目指しています。

2013年活動開始、みるくかふぇ名義で約80曲を発表している。


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