安井 廣由(Hiroyoshi Yasui)

京都生まれ。大阪→東京→福岡。 夕日がきれいな海沿いのまち津屋崎(つやざき)暮らし。 ときどき、里山の美しい嘉麻(かま)でお坊さん。

安井 廣由(Hiroyoshi Yasui)

京都生まれ。大阪→東京→福岡。 夕日がきれいな海沿いのまち津屋崎(つやざき)暮らし。 ときどき、里山の美しい嘉麻(かま)でお坊さん。

最近の記事

続けているから、わかること。見逃していること。

正保元年、西暦1645年。 ヤマサ醤油さんと、創立が同じです。 375年続いているものを、住職として引き継いだプレッシャーは、 ボディーブローのようにやってきます。 昨日今日、そして明日のこともままならない世の中。 375年のその先を、日々どうやって積み重ねていくか? 「寄り添う」とか「絆」とか、そんな生易しい言葉で表現できるものではないでしょう。 でも、住職がひとりで悩む時代でもありません。 全責任は住職であるぼくにありますが、マネジメントは、チームで。 ご門徒(檀家)だ

    • 缶詰

      9月になりました。 今年もあと4ヶ月、第4四半期のスタート。 スマホの写真アルバムを眺めると、ステイホームの期間があったこともあり、娘と犬の写真が大半でした。友人知人のInstagramも、家族との写真が多いような気がします。 デスクのカレンダーは、福岡のとある書店で買ったもの。9月は「あんみつ」。あんみつって、この時期のもの?考えていると、ラジオから防災の日の特集で、缶詰レシピの紹介をしていました。もしかして、この作者は今日9月1日にカレンダーのページをめくることを考えて、

      • お盆が終わりました

        入寺・住職になってはじめてのお盆が終わりました。 昨年は前住職が亡くなられて、お盆のお参りは、初盆のお宅を代務住職のむりょうさんがお参りしてくれました。 このコロナ禍で、ギリギリまでお参りするかどうか、悩みました。 2年も住職がお参りしないのは、ご門徒との距離が確実に開いてしまいますし、かといって、ご高齢の方が多いご門徒のお宅に伺うのはどうか。。。40数軒ですので、各お宅に、私からお電話をして、直前で中止にするかもしれないことと、上がらせて頂く際は、アルコールでの消毒を行う

        • 浅からざるご縁

          コロナ禍は、富めるもの・貧しいもの一様に危機となりました。見えないものゆえの怖さと、見えないものへの対応で、その人・その地域・その国の今とこれまでのことが、あぶり出されたような気がします。 周りを想い、ともにこの時代を過ごすことが大事なのに、時に感情的になり、自分の目の前のことがすべて正しいと錯覚し、自分の保身に走り…私を含め、人間の本質的な愚かさを、日々目の当たりにしています。浅い知識で「知っている/知らない」ではなく、深く「問う」ことの大切さにあらためて気付かされる日々で

          手紙のある暮らし

          7月1日。 2020年も半分終わりました。 いまごろ、オリンピック目前で、開催地の東京だけでなく、出場選手の練習地となっている全国各地で、賑わいがあったかもしれませんが・・・延期というか、ほぼ中止となったわけですが・・・私の周りだけでしょうか、オリンピックの「オ」の字も聞かない日々です。コロナ禍で、それどころではないというのが正直なところではありますが、それだけではなく、オリンピックそのものが、1984年のロス五輪以降、形骸化している、ということなのかもしれません。 さておき

          久米さんから学ぶ、コロナ時代の雑談力。

          「線状降雨帯」でしょうか。ずっと雨が止まないところがあるかと思うと、ひと山超えたところは、そんなに降っていなかったりします。朝倉(福岡)の水害のときも、そうでしたね。ちょうどお寺の境内から見える、古処山の反対側が朝倉で、その時はお寺の隣町にいましたが、そう降ってませんでした。まさか山の向こう側があんなに降って大変なことになってしまっていたとは、ほんとにびっくりしました。 上の写真は、ヤマモモ。近所の直売所で見つけました。早速ジャムにしました・・・最近なぜかジャム作りにハマりま

          久米さんから学ぶ、コロナ時代の雑談力。

          新しくない「新しく生活様式」ということば

          毎年、6月下旬に蒸し暑い梅雨の中休みがあって、その後大雨が続き、「山笠」が終わると、梅雨が明ける福岡です。今日は大雨。七夕まではずっと雨の予報です。 コロナ対策の自粛ムードが、遠い昔のような気持ちになったり、その一方でマスクを常時つけた生活が日常になったり、なんだか不思議な感覚です。そんな中、「ニューノーマル」だとか「新しい生活様式」ということが、何かする際の枕詞になっています。どうもぼくには、しっくり来ません。「上から目線」という言葉は適切でありませんが、誰かから自分自身の

          新しくない「新しく生活様式」ということば

          丸投げを笑えない

          おはようございます。 給付金の事務業務を、某広告会社に丸投げ・中抜きと話題になってますが、 ぼくの足元でも残念ながら同じようなことが起こっています。 3年後に、宗祖親鸞聖人の御生誕850年慶讃法要があるのですが、そのキャッチコピーを、大手代理店3社を指名事業者に、ほかの代理店はオープンで、というコンペに。1社辞退で、4社提案・3案を内製でということで進んでいるとのこと。 代理店コンペをする、ということは、提案依頼書を作っている、ということですし、提案依頼書も、どっかの代理店が

          梅雨の合間の庭掃除

          梅雨は読んで字の如し。 雨の合間に、境内の掃除をしています。 5月の半ばにギックリ腰になってしまいました。降誕会(宗祖親鸞聖人のお誕生日の法要)の準備で、連日境内の草取りをしていたのがこたえたようです。 それから1ヶ月経って、やっと動けるようになりました。その間も、雑草の成長は止まってはくれません。きれいに抜いていたところは、ポツポツと目立つようになり、裏の庭は、ドクダミが伸び放題…。掃き掃除は雨の合間になんとかやって、梅の木から落ちた梅の実や、ツツジや紫陽花の花がらを取って

          学校再開で、ムスメと話をしました。

          おはようございます。 今日は分散登校最終日。 いつもより早めに登校しました。 入学してからずっと、通学路の真ん中まで、ぼくかかみさん、そしてワンコと一緒に歩いています。 送って行って戻ると、ちょうどかみさんが出社。 車が見えなくなるまで、見送るワンコ。 昨日は、お寺からの行き帰りの3時間、ムスメといろんな話をしました。 学校再開は嬉しいようですが、自宅小学校と、その分校のお寺小学校も、それなりに楽しかったようです。 再開後の授業日数が少ない分、いろいろ先生も子どもたちも

          学校再開で、ムスメと話をしました。

          「いま」を生きる、ということに向き合う。

          昨日は、親鸞聖人降誕会法要をお勤めしました。 承安3(1173)年にお生まれになり、9歳で得度、当時としては稀に見る長寿の、90歳のご生涯でした。 29歳で比叡山を下り、法然上人と出会われ、その後流罪となり、非僧非俗の生き方をされ、浄土真宗をお開きになられました。人生50年時代の29歳の決断は、残りの人生をどう生きるか?を真剣にお考えになられたことなのだと思います。人生100年時代に置き換えると、私はちょうどそのような時期。到底及びませんが、これからの生き方を真剣に考えるきっ

          「いま」を生きる、ということに向き合う。

          アフターコロナの学びは、親子の「学び合い」。

          おはようございます。 2ヶ月と22日、11週と6日。 83日ぶりの登校です。 夏休み2回分を、ムスメと過ごしたことになります。 学校再開にご尽力くださった、すべての方々に感謝申し上げます。 「自宅小学校」、ときどき「お寺小学校」。 宿題の「やらされ感」を少しでも軽減すること、 そして、学習=楽しい!が継続すること「だけ」をやってきました。 久しぶりに、わんこと一緒に、通学路の途中まで一緒に行きました。 やっと学校が再開する喜び半分、ちょっとさびしさ半分でした。 ムスメも同

          アフターコロナの学びは、親子の「学び合い」。

          住職(代表役員)・坊守(責任役員)就任の御挨拶

          謹啓 慈光照護のもと、皆様におかれましては益々ご清祥にてお念仏ご相続のことと存じ上げます。平素は当山の活動に多大なご協力を賜り、有り難く厚く御礼申し上げます。 さて、本年三月三十日付けで、芳映山明善寺 第十三世住職並びに代表役員、坊守並びに責任役員に就任いたしました。四〇〇年にわたり寺門の護持発展に尽力された歴代住職・坊守、ならびに御門徒皆様方のご懇念を思いますに、誠に仏祖のご加護のおかげであると、感無量に存じます。 新型コロナウイルス感染症に伴い、これまでにない危機と混乱が

          住職(代表役員)・坊守(責任役員)就任の御挨拶

          そもそも当流念仏者のなかにひて、諸法を誹謗すべからず。

          学校が休業になって、ムスメと一緒の生活が続いています。 自宅で仕事というか、作業というか、何をもってリモートワークなのか、ということはさておき。。。 いろいろ議論はあるでしょうが、私の場合は、ずっと一緒にいることで、ムスメの成長を感じ、ムスメを通じて、親になった責任と嬉しさのようなものを、日々感じることができました。 買ってきたドリルをしたり、絵を書いたり、Amazonの空き箱で工作をしたり。。。ムスメも自分が退屈しないように、工夫をして過ごしています。 Eテレ(NHK教育テ

          そもそも当流念仏者のなかにひて、諸法を誹謗すべからず。

          ただあるなりは人間の生なり

          久々の更新です。 書くことがなかったわけでもなく、書く時間がなかったわけでもなく、 若干、書く気持ちが整ってませんでした。 寺報(お寺の広報紙)のコラムに書いた文章です。 いま、新型コロナウイルスという「見えないもの」に、私たちは日々忙殺されています。連日、「何処其処で感染者が出た」とか「誰々と誰々が濃厚接触」などと報道されていますが、本当にその情報が私たちの生活のためになっているのか、疑問に思います。 宗祖親鸞聖人が生きられた時代も、毎年のように戦乱、地震、水害、虫害、干

          ただあるなりは人間の生なり

          時間が醸し出すもの

          忙しいわけでもなく、日々の雑用にバタバタした1月でした。 昨秋仕込んだ柿酢を絞りました。 取ってきた(買ってきた)柿を、ヘタを取って瓶に詰めて、柔らかくなったら適当にかき回すだけです。 そのかき回すをの年初からさぼってました。白いゴム状のもの、消しゴムのような、餅のようなものが2センチほどできていました。調べてみると、酢酸菌のかたまり。柿酢が出来上がったということなんだそうです。 4リットルの保存瓶3本で、絞れたのは、4リットル。ちゃんと毎日かき混ぜて、年末くらいに絞ってい