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量子詩論 番外編 (僕はウイルス君)
ウイルス君は 目がない 耳もない 鼻もない 皮膚もない 舌もない だから人のようには 世界を感じられない かわいそう
ウイルス君にとって 世界は存在しない でも 本当に?じゃあ自分が ウイルスになったことを 想像してみよう
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僕は遺伝子の相手を探す旅に出た
情報を転写するため
情報を増殖させるために
相手を見つける
僕にはその意志はある
立派な意志だ
でも意識はない
自意識はない
意志だけがある
この意志は
意識とは違うのか?
意識のモナドは
意志なのか?
なら
アミノ酸と
意志だけ
それが僕なのか?
この意志はどこからきた?
意志が先か?
アミノ酸が先か?
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アミノ酸に意志があるのか
20種類からなるアミノ酸は
遺伝子情報で
結合する
じゃあ、この情報が意志か?
脳の神経連結のようにここに
意志が生まれるのか?
お前はどこからやってきた?
翻訳機は
鎖として翻訳する
一定のかたち
立体構造になる
僕は
この立体構造の集まりだ
アミノ酸配列は、
ペプチドかα−ヘリックスになり
ポリペプチド鎖になり
ポリペプチド鎖が集まって
タンパク質なのだ
わけわからない。
僕の内部は複雑すぎる。
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何処かでこの意志が生まれるのだ
アミノ酸は
炭素
水素
窒素
リン
酸素
硫黄
から構成されている。
となると
この原子に
意志の元があるのか?
原子は
陽子と電子でできてる
陽子と電子は量子でできてる
となると
量子に意志の種があるのか
量子はそもそもどこからやってきた
宇宙の裏側から?
量子の意志の元は
もしかしたら言語?
いやあ そんなはずはない
でも 意識が粒子なら
光子に似てると
聞いたことがある
意識は
もしかして
光なのか?
いやあ
意識は光ってない
では
もし意識の
別な側面が
光なら?
量子が
観察者によって
粒子/波
になるように
もう一つ
粒子/波/意識
だつたら?
考えすぎ
思いすごしだ
この辺りにしておこう
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意志のはじまり
意識のはじまり
言語の始まり
光の始まり
なんだか詩のようになってきたぞ
言語と
宇宙は
同じもの
なのかもしれない
こうやって
書いていると
きっと新しい宇宙が
どこかで生まれてる気がする
イメージできる
僕は頭がおかしくなったのか?
おお
エンタングルよ
神秘よ
宇宙の裏側よ
僕はなんだか嬉しいぞ
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