2022年に読んだ本でお薦め本3選
元気です。
2022年読んだ本はKindle、Audible、メルカリの記録から54冊(購入は64冊※漫画除く)でした。
思ったより冊数が少ないと思ったので、2023年はスキマ時間にYoutubeではなく本をもっと積極的に読んでいこうと思います。
9月から入ったAudibleは最初の2ヶ月はいい本が見つからなかったものの、12月に入ってからは面白い本に出会うことができ、ランニングのときはもっぱらAudibleで聞きながら走っています。
まだタイトルが少ないですが、Audibleおすすめです。
で、今年読んで「面白かったな−」と思う本3選をあげたいと思います。
3, 『身銭を切れ』
ナシーム・ニコラス・タレブ著 (ダイヤモンド社)
『ブラックスワン』や『まぐれ』の著者のナシーム・ニコラス・タレブの著書。
特に身銭を切っていないものの話は信用出来ないという話がテーマではあるのだけど、特に面白かったのは「少数決原理」に書かれている部分。
例えば食料の原材料に
・原材料:大豆(遺伝子くみかえではない)
と書かれたり
・〇〇は変色することがありますが、品質には影響ありません
と書かれたり
・鶏肉(ハラール対応)
と書かれたりすることなどは少数決で掲載が決まってしまう。
実際には気にする人はごく少数であっても、記載することで少数の人の不幸が取り除かれ、大多数の人にとっては大きな変化が起きないことは少数決原理が採用されることが多いというのである。
まさに現状のコロナマスク原理主義者の話を書いているようで、興味深かった。そして、少数決原理が成り立つのは少数意見を持つ人が2〜3%であるということも。マスクをしようという社会的圧力は、この閾値で動くのだろうと現在の日本のマスク文化を見ながら思ったりした。
2, 『銃・病原菌・鉄(上|下)』
ジャレド・ダイヤモンド著 (草思社)
名作と言われる本著だが、2020年に買ってダラダラと読んでいた。本著のテーマとしては、なぜ産業革命がヨーロッパで起き、アメリカ大陸では起きなかったのか。文明は大西洋の西→東に運ばれ、その逆ではなかったのかというテーマだ。結論は多くの書評で書かれている通り、ユーラシア大陸が東西に伸びているからで、そのために人や文明の移動が容易であった一方で、アメリカ大陸やアフリカ大陸は南北に伸びており、文明が移動するには、気候の変化が大きすぎて広がらなかったためというものである。
本著で面白かったのは、その結論を出すまでの過程で、人の家畜になる動物がわずか10数種しかないとか、コムギ・オオムギ・トウモロコシなど、人の主食になりうる穀物が極めて限定的であるなど自然科学的なアプローチで文明の広がる仮説を証明していった部分だ。歴史書のような本は割と退屈なのだけれど、自然科学の本を読んでいるようで特に下巻は一気読みしてしまった。時間があるときにお薦めである。
著者ジャレド・ダイアモンドが書いた『文明崩壊』も買ってみたのだが、積読中である。2023年には読めるだろうか。
1, 『Learned from life history 38億年の生命史に学ぶ生存戦略』
稲垣栄洋著 (PHP研究所)
ビジネス戦略を考えるときに、4Pやら3Cやらを考えることがある人も多いかもしれない。ただ、これらはあくまで、成功した企業から成功の原則を抽出したものに過ぎない。生物は、激しい生存競争の中で生き残ってきた強者たちであり、彼らから学ぶ企業の生存戦略は無いものだろうか、というのが本著のテーマだ。
ナンバーワン戦略とオンリーワン戦略についてわかりやすく解説されているが、単刀直入にわかりやすく言うと、生き残っているすべての種は「ナンバーワンを得られるようにニッチに進化したオンリーワンの種」だというのである。
イワナとヤマメは似たような魚であるが、イワナはより上流に、ヤマメはより下流にその生息域を持っている。イワナがいない川ではヤマメはより上流に、ヤマメがいない川ではイワナはより下流に生息域を広げるそうだ。
このように種が生存するためにナンバーワンを取ることができるオンリーワンをいかにして生物たちが獲得していったか、どのような戦略が考えられるかがわかりやすく解説されている。
コンサルタントの書いたビジネスを何冊も読むよりも、自然に目を向けてその生存競争を勝ち抜いた猛者たちから学ぶことのほうが学びが多いのかもしれない、と読みながら思った一冊だ。読みやすく1日で読めるくらいの文量なので、ぜひ手にとって見てほしい。