忙しい仕事、長いトンネル。ダークサイドに落ち込みそうな精神の葛藤。本当に苦しい一ヶ月半くらいの日々だった。こんな事は珍しい。いつだってノー天気に笑い飛ばせた。今回はダメだった。まともに人生の意味まで疑うくらいの重たい自問自答の暗闇の中から抜けだせないまま、もがいた。人の言葉を聞く余裕もないほどに疲れてそして眠る事さえ辛いと感じた。孤独。猜疑。虚脱。もう、打つ手はない様な気がした。何もする気にならず、つけっぱなしのテレビをぼおっと観ていた。画面を観ているようで、おそらく何も観て
中学生のときに教育実習の数学の先生と仲良くなって、休みの日に先生の下宿に遊びに行ったことがあった。 先生と、先生と同じゼミの友人と3人で青春の話をしながら田代本通り沿いを歩き、お腹が空いたから食事にしようと、通り沿いにある風情のあるお店で、とても美味しいとんかつをご馳走になった。その後、いつも僕たちが行ってるお店を教えてあげると「おーるあろーん」というジャズ喫茶に連れて行ってもらった。生憎その日は「おーるあろーん」は閉じていて、小窓から覗くと煉瓦塀のこじんまりとした店内に小
GWに突然動かなくなった我が家のiMac。電源も入らないのであきらめてHDDをとりだして違うMacの外付けとして立ち上げた。思えばG4 cubeの頃はよくメモリ増設やらHDDの取り換えなどT10ドライバーで日がな格闘していたけど、OSがこんなに進んだiMacまで解体して中身を探ることになるとは・・・絶対無理かと思えた発掘作業はことのほか楽しく、HDDは見事に新しい躯体に寄り添って快適に走っているように見える。傍らには心臓を抜かれて鉄屑と化したリンゴの抜け殻が転がっている。PR
ユーミンの「よそゆき顔で」という曲が秀逸だ、と思う。よそゆき顔ですれ違うなら二度と逢わない方がいいのね・・・と歌われるそのメロディラインが大好きなもので、ユーミンのマイベストを編集するときは必ず一番最初にこの曲を入れる事にしている。 できれば観音崎の歩道橋に立って、ドアのへこんだ白いセリカが下をくぐって行くのを見てみたいとも思うが、この歌が気になる理由はそこではなくて・・・ 別れた男に対して、よそゆき顔して通り過ぎる事を恥じ入るなんてとても奥ゆかしいと思うんだけど、よそゆ
1975年、1月24日、西ドイツ。 この日、ライン地方の古都ケルンのオペラハウスで行われた、 キースジャレットのコンサートが録音されていたことに感謝する。このアルバムに出会わなければ、僕の人生は少しつまらないものになっていたと思う。そして、酒の味を変えてくれた。思慮深さ、の様なものを、音楽を通して教えられた。 透明感。清涼感。重厚感・・・いろんな形容を飲み込んでしまう。すべてがあてはまり、すべての修飾は、彼の奏でるピアノの前では空しい。 LPレコードの頃、2枚組み
俺は美大に入るとすぐ、音楽サークルに入り、その部室に入り浸り、講義をさぼって、ずっと楽器を弾いていた。たまたまその部室の前を通りかかり、ギターを弾きながら歌う俺の姿をみていて、「一緒に映画を作らないか。」と声をかけてきた男がいる。映像研究会のヤスという男だ。「今のは君のオリジナル?そういう曲を僕の映画のために作ってくれないかな?」とかなんとか言ってた様な気がする。ついでに出演してくれないかなあ?とも。「そんなものには興味はないよ。」と断ったら、後日、女性を3人連れて部室にやっ
片岡義男さんのエッセイを読んでいたら、CDショップには沢山の過去が並んでいるという記述があった。流行りのメガストアにズラッと並んでいる新譜の棚にあるのは全て、過去の記録に他ならない。ユーザーはその過去の仕事を選んで購入し、自分の好きな空間に持って行く事ができる。というわけである。 それは、タイムマシーンのようでもあり、時には国境を超えていろんなイマジネーションを連れてくる。多種多様なジャンルを聴きわける人がいる。一人のアーティストの音楽しか聴かないという人もいる。 い
学園祭が終わって校門を出たところにフェスティバルの終わるのがなんとなく寂しくてたむろしている学生たちがいて、その間をぬけて、彼女を駅まで送る帰り道。二人ともやっぱり名残惜しくて精一杯に明るく振る舞って途中のラーメン屋さんによって食べたラーメンの味なんてあまりおぼえてないけど・・・とにかくそんな風に出来た曲です。
こんなCDを作ってた1990年頃。
1973年。僕は毎週土曜日の夜だけが待ちどおしかった。その時間になると、心がそわそわして、ラジオのスイッチを入れた。 そしていつものテーマソングが始まる。 ♪振り返ってみるのもいいさ~ 道草くうのもいいさ~ 僕らの旅は果てしなく続く・・・ 「気ままに歌を歌えたら、気ままに音楽を聴けたら、気ままな君の時間なのです。拓郎の気ままな世界、やってくれるのは、富士重工というところなのです!」 カセットのスイッチを入れてチューニングをノイズのないように会わせると僕は一つの音だって漏
カラフルな音のおもちゃ箱。元気です。という人をくったLPのタイトルのレーべルは、オデッセイ。それは、全てが巧妙にして、奇妙に仕組まれた罠の様に、1972年の僕等の前に現われた。 僕はそのカードを、少しためらいがちにひいた。一枚目のカードにまさか、ジョーカーはいないであろう、用心深く、レコードに針を落とす。ポータブル電蓄からはみだした30cmのお皿が針を擦り、最初の音が飛び出してきた。いきなり針が跳んだのか、と思ったほどの、きわどいタイミングの音の立ち上がり、つまり、8ビートの
冷えたサイダーが恋しい季節。今日行ったカフェで飲んだ「地サイダー」でも、普通のサイダーと何が違うのか?ラベルのデザインも雰囲気があって、夏っぽくて良かった。サイダーと言えば、ナイアガラーな方々は、やっぱり大瀧詠一ですね。70年代の彼のサイダーのCMソングは「一人で二人で三ツ矢サイダー」「あなたがジンと来る時は私もジンと来るんです」名作が多い。炭酸のシュワシュワッという感じと大瀧さんの声質はとてもマッチしている様に思う。ナイスキャスティングだ。で、彼を起用して資生堂のサマーロー
70年代のアサイラムレーベルやマッスルショールズ、ブリティッシュ方面と聴き進めていて、エルビスコステロのマイエイムイズトゥルーという名盤を聴いてるうちにやっぱりAlisonという曲は良い曲だなあとつくずく思う。ホリーコールもカヴァーしているけど、ホリーが歌っても、ジャズではなくてロックなところがすごい。これは美大時代に友人が貸してくれたマクセルの90分のカセットテープにテレヴィジョンのマーキームーンとカップリングでアルバムごと収録されていて、どちらも繰り返しよく聴いたので時々
といっても、ゲンセンカン主人とは何の関係もない。メメクラゲのはなしではない。ストラトキャスターのピックアップの話だ。 最近は335というセミアコとレスポールばかり弾いているので、ストラトキャスターは出番がない。それに、レスポールと比べるとピックアップのパワーもいまいちなので、おのずと弾く機会がほとんどなくなっていた。 ひょんな事から、ストラト用のピックアップを手に入れた。メーカーもわからない。ただし、何となく直感で、結構なパワーがありそうな気がする。テスターがないので