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僕のイギリス旅  「ライ」~vol.2~


コーヒーでの一服を終えて、ライ城に行くことに。

このまさにThe中世のようなお城はマーメイド・インよりも100年以上前の13世紀に建てられた。
ライの町はイギリスの南東に位置しており、海を挟んで対岸にはフランスが位置する。そんな地理的な理由から、当時のイギリスはフランスからの襲撃から国を守るためにこの城を建てた。
しかし時代とともに役割は変化し、国の防御施設ではなく、処刑場として利用されるようになった。

城内は見学可能で、当時の処刑の様子を見ることができる。
直立で吊るされる処刑方法はあまりにもえぐい。

ライ城を見た後は車窓から見た田園風景を見に行くことに。

羊たちがお出迎え。
放牧されているらしく、かなりの至近距離から見ることができた。

中にはぐっすりと眠っている羊も。

羊たちが自由気ままに過ごしている原っぱの一本道を歩く。
のんびりとした風景を見て、気持ちが和んだ。

振り返ると、遠くにライの町街並みが見える。
地図で見た時にその小ささを知っていたが、こうして離れてみるとこじんまりとしたシルエットが可愛く見えてくる。

田園風景の中を音楽を聴かずにボーっとしながら散歩をした。
ほのぼのした気持ちになったせいか、昔あった思い出が蘇ったりもした。

小学生の頃、背の高さくらいある雑草の中を友人と一緒に冒険した思い出。当時は雑木林が近所にあり、自然の中での遊び場が沢山あった。
故郷の長野ののどかな風景と重なり、少し寂しい気持ちになった。

町に戻ると日が暮れてきた。
太陽が顔を隠し、薄暗きなり始めた時の街並みは、陰影が濃くなってすべての景色が美しく見える。

車の音一つしない町はとても静かで、聞こえるのは自分の足音だけ。
通り過ぎる人もいない自分だけの世界が広がっている。

さらに夜が更けってくると、町並みが昼間とは違う表情を見せ始めた。
ガラス張りのオフィスやレストランがないため、夜道を照らすのは街灯の明かりと、窓からこぼれる部屋からの温かい光だけ。

ホテルのあるマーメイド・ストリートに出る曲がり角。
あまりにも美しい景色に思わず、立ち止まってシャッターを押した。

ライの町を出て、少し足をのばして散歩をした。
さすがに歩き疲れてくたくたになってきた。
イギリスということで、ドクターマーチンの革靴で歩きまわったせいか、それとも感傷的な感情にさせるノスタルジックな風景のせいか。

一度も見たことがないのに、なぜか懐かしく感じてしまうのはなぜだろう。

(続く)


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